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『編み物男子部』?ができるまで。
33 なに、これ。 1
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坂口君と朔田君が顔を合わせてから、毎日こんな状況になっている。
はっきり言って意味不明。
俺の右側に神崎川が、何故か左に朔田君がいる。
朔田君は俺と神崎川との会話には入ってこないのに。
その上、クラスが違うし少し離れている坂口君までも時々A組を覗き込んではこっちにやって来る。
きっとこの図、奇妙だろうな。
今日は体育の授業がある日だったので、ダメ元でB組の男子生徒にも勧誘することにした。
体操着に着替えている最中、何故かここにいる男子全員の視線を感じてしまう。
ああ、思い出したくもない……。きっとここの男子たちはあの事件を思い出してるんだろうな。
やっぱり、思う。あれは俺のせいじゃないって。
カッターシャツのボタンを外して脱ぎ丁寧に畳んでからTシャツに手を掛けて回りを見渡すと……ほとんどの男子がこっちを見ていた。
目と目が合うと、慌てて目線を逸らす。
着替えが終わった神崎川がこっちにやって来る。
何故かいつもあいつの着替えが一番早い。
「く、来るな……」体が強張る。
「は?約束したろ?なにもしねーって」ちょっと嫌そうにこっちを見下ろす。
ゴメン。神崎川を信じてるけど、はっきり言って疑ってる。
言えないけど。
軽く睨みながらTシャツを脱ぎさっさと体操着に着替えた。
「で、此処でも勧誘すんだろ?」
あ、なんでわかるんだろう?
「う、うん。そのつもり」
「だったらさっさとしろよ。授業始まるぜ」
「うん。わかった」
そして俺はB組の男子約半分に何とか声を掛けることが出来た。
でも……案の定っていうか、全敗だった。
「焦んなよ。ぜってー部を作りたいんだろ?」
「うん……」
神崎川が励ましてくれるのがほんのり嬉しくて少しばかり笑顔になる。
「俺は鳴海の最初の作品貰うから頑張って貰わないとな!」
う、うわぁー!
久々に見るじょうちゃんの満面の笑顔……!
女子を虜にしたその笑顔。
あ、やっぱり俺はイチコロダ……。
体育の授業が終わってさっさと制服に着替えて残りの生徒に勧誘開始。
編み物に興味がない男子ばかりで全滅……残りはあと一人。
A組の生徒と仲がいいのか、数人のA組男子の中に一人B組の生徒がいた。
俺と目があった瞬間、その仲間たちに手を振って俺の元へやって来た。
「ね。俺にも声を掛けるんだよね?」自らアピール?
「うん、そうだけど」
「俺、編み物に全然興味ねーんだ」
「あ、そうなの?ごめん。じゃあ」
やっぱり…諦めて席に着こうとしたら俺の目の前で慌てて両手を違う違う!と振りまくってた。
「な、なに?」
「せっかちだな……俺、まだ入部しないって言ってないよね?」
「じゃあ、改めて言うの?わざわざ?」
何の嫌がらせなんだ?確か……相沢君、だったかな?見た目、ちょっと軽そうなんだけど。
「うーん。勿体振ってる訳じゃないんだけど、編み物さー興味なくても出来んの?」
「その人次第なんじゃないかな?」
いや、興味なかったら普通編み物なんてしないでしょ。
心の中で毒づく。真意がわからない。
「それでも……入ってみたいって、言ったら編み物部に入れてくれる?俺をさー」
「へ?」
はっきり言って意味不明。
俺の右側に神崎川が、何故か左に朔田君がいる。
朔田君は俺と神崎川との会話には入ってこないのに。
その上、クラスが違うし少し離れている坂口君までも時々A組を覗き込んではこっちにやって来る。
きっとこの図、奇妙だろうな。
今日は体育の授業がある日だったので、ダメ元でB組の男子生徒にも勧誘することにした。
体操着に着替えている最中、何故かここにいる男子全員の視線を感じてしまう。
ああ、思い出したくもない……。きっとここの男子たちはあの事件を思い出してるんだろうな。
やっぱり、思う。あれは俺のせいじゃないって。
カッターシャツのボタンを外して脱ぎ丁寧に畳んでからTシャツに手を掛けて回りを見渡すと……ほとんどの男子がこっちを見ていた。
目と目が合うと、慌てて目線を逸らす。
着替えが終わった神崎川がこっちにやって来る。
何故かいつもあいつの着替えが一番早い。
「く、来るな……」体が強張る。
「は?約束したろ?なにもしねーって」ちょっと嫌そうにこっちを見下ろす。
ゴメン。神崎川を信じてるけど、はっきり言って疑ってる。
言えないけど。
軽く睨みながらTシャツを脱ぎさっさと体操着に着替えた。
「で、此処でも勧誘すんだろ?」
あ、なんでわかるんだろう?
「う、うん。そのつもり」
「だったらさっさとしろよ。授業始まるぜ」
「うん。わかった」
そして俺はB組の男子約半分に何とか声を掛けることが出来た。
でも……案の定っていうか、全敗だった。
「焦んなよ。ぜってー部を作りたいんだろ?」
「うん……」
神崎川が励ましてくれるのがほんのり嬉しくて少しばかり笑顔になる。
「俺は鳴海の最初の作品貰うから頑張って貰わないとな!」
う、うわぁー!
久々に見るじょうちゃんの満面の笑顔……!
女子を虜にしたその笑顔。
あ、やっぱり俺はイチコロダ……。
体育の授業が終わってさっさと制服に着替えて残りの生徒に勧誘開始。
編み物に興味がない男子ばかりで全滅……残りはあと一人。
A組の生徒と仲がいいのか、数人のA組男子の中に一人B組の生徒がいた。
俺と目があった瞬間、その仲間たちに手を振って俺の元へやって来た。
「ね。俺にも声を掛けるんだよね?」自らアピール?
「うん、そうだけど」
「俺、編み物に全然興味ねーんだ」
「あ、そうなの?ごめん。じゃあ」
やっぱり…諦めて席に着こうとしたら俺の目の前で慌てて両手を違う違う!と振りまくってた。
「な、なに?」
「せっかちだな……俺、まだ入部しないって言ってないよね?」
「じゃあ、改めて言うの?わざわざ?」
何の嫌がらせなんだ?確か……相沢君、だったかな?見た目、ちょっと軽そうなんだけど。
「うーん。勿体振ってる訳じゃないんだけど、編み物さー興味なくても出来んの?」
「その人次第なんじゃないかな?」
いや、興味なかったら普通編み物なんてしないでしょ。
心の中で毒づく。真意がわからない。
「それでも……入ってみたいって、言ったら編み物部に入れてくれる?俺をさー」
「へ?」
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