あみdan

『編み物男子部』？ができるまで。

95 土曜日デス！ ８ ☆村瀬智side３

村瀬智side

「僕が聞いてるんだから、ちゃんと答えなよね！」

　手のひらを広げてそいつの頭を鷲掴みにした。

「い……痛い……痛い……」

　その言葉を聞いてもっと指に力を入れる。

　周囲の生徒らは動けずにそのまま僕らの動向をみている。

「言う気になったかい？」

「し、知らな……」

「これでも？」

　力一杯そいつの頭を掴む。両端の指がこめかみに食い込む。

「あ、あの……鳴海の席は……」

　見かねた生徒が助け船を出そうとする。
　なんなく僕はそれを遮る。

「あ、ごめんね！このちんちくりんに聞いてるから……外野は黙ってな！」

　一睨みし最後の語尾だけドスを効かせる。

　ヒィッ……

　何処からともなく小さな悲鳴が聞こえてくる。
　早くしなきゃ、翔琉が来ちゃうじゃないか！

「さっさといってくれる？じゃないと翔琉を皆の目の前で……犯すよ？」

　僕は脅迫をすることにした。
　流石に……心折れちゃうでしょ？
　ちんちくりんでもね。

　何人かの男子生徒が喉を鳴らしているのが聞こえた。
　想像……したよね？

「いいます。いい……ます」

「わかったのならいいよ。これからは従順にね。じゃないと……翔琉が何されるか……わかった？」

「は、はい……」

　悔し涙を流すそいつの無様な姿を見て少しは溜飲が下りた。

「翔琉は僕のだからね、勝手に触れたら……許さないよ。わかった？この前、抱きついてたでしょ？そのお仕置きだよ、これはねっ！」

　そう声を張り上げて掴んでいた頭をそいつの身体事床に投げつけた。
　身体が当たった場所の机や椅子が動いたり倒れたり……。
　そいつは軽々と吹っ飛んだ。
　激しい音がした。
　何処からともなく悲鳴も聞こえた。

　暫くちんちくりんは動かなかった。

　静まり返る教室。



　僕は鼻唄を歌いながら翔琉の机の上に満足気に座った。