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熱くなる身体 ※

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──ガチャン!


「く……ハァ」

 そしてこちらは、部屋に入ったミレイ。

 危機を逃れた安心からか……閉めた扉に背をつけたまま腰が抜けそうだ。

《 お前は抵抗していない 》

ヘンなこと言わないで……!

「ハァ……ハァ……人の事……馬鹿にしてる」

 部屋の電気もつけずに、暗い中をふらりと進んだ。

 追いかけてきて……部屋に逃げようとしたわたしを捕まえたのはあなたでしょう?

 どうしてそんなことを言われなくちゃいけないの?

“ また、疲れちゃった…… ”

 もう寝る?

 勉強は明日からでも平気だと思う。

 ベッドに入ろう。

 あ、でもその前に歯を磨かなきゃ…っ。


 舌の上に残る味──


「……」


 甘い……
 
 ……甘い

 チョコレートの味。


「……ぁ」


 それを感じたミレイの身体がまた疼いた気がした。

 右手が勝手に動いて……ワンピースの裾をめくっていく。

 先ほどハルトに触れられた場所に

 そっと指を当てる。 

ドキ...ドキ...

 熱い唾が口内に溢れて、チョコレートの甘味を押し流し始めた。

 異様に高鳴っている心臓が、身体が破裂してしまわないようにこうやって……熱を外に吐き出しているのだろうか。

 ミレイは意を決して、太ももに触れた指を自分の中心に移動させた。

“ ああ……どうして ”

 ミレイはくしゃりと目を閉じた。

 下着一枚をはさんだソコはしっかりと濡れてしまっている。

 まるで紅茶に入れるシロップだ。とろりとした液体を布越しに感じる。

 どうして……!

 自分の身体に裏切られたようでやるせない。

 しかも自身の指は信じられないことに、湿った下着の上をゆっくりと摩擦しだした。

「…ぅ…ハァ…ハァ…」

 指の動き──この目的は明白だ。

 それを受けて、彼女のナカもさらなる疼きを返す。

「ハァハァ……、そん な…」

 ミレイはその場にへたり込んだ。

 頭と片手をベッドの縁に預けて。でも、もう一方の手は下半身に伸ばしたまま……。

カリ..カリ..

 軽く爪を立てて、湿った下着を縦になぞる。さっきハルトにされたように。

 ふくらんだ肉芽がその存在を主張するのを、彼女の指はしっかりと受け止めていた。

カリ カリ カリ...

「アア‥ッ」

 直に触ってすらいないのに、ほんの少しの刺激でこんなに感じてしまう。

 彼女は我慢ができなくなってついに指を下着の内側に入れた。

「…ハァ‥‥ア、ハァ‥‥っ─…!!」

 自身の指に纏わり付いた淫蜜。

 柔らかくて温かい──秘裂にそってゆっくりと動かした。

クチュ....クチュっ! グチャ.

「‥ン…//‥は‥」

クチュ...クチュ......クチュ...

「ハァ‥っ‥ハァ‥‥!!」

 やっぱりこんなに濡れてる……!

 一度、触れてしまったら

 気持ちいい場所を求めて指が動くのを止められない。

“ …こんなの…いや…ッ ”

 ミレイは顔を布団に押し付けて、漏れる声をどうにかこらえようと抵抗している。

 秘裂を何度もなぞった指はぐっしょりと濡れて、それを今度は塗りたくるように、すぐ上の蕾へ移動させる──。

「…っ─アっ!‥‥ぁ、‥ぁ」

 ぐるっ、ぐるっと

 円を描く…。

 蜜を丹念に塗り込み、じんじんと疼いて快感を送ってくるソコを愛撫しながら、いつもとは違う自分の反応に驚いていた。

“ わたしって…っ…こんなに厭らしい女…!? ”

 そんなの、違う

 こんなの……違う……!

 快感を貪ろうとする自分の指が、心の内と噛み合ってくれない。

「‥ハァハァ‥ッ…ハァ‥、ぁ ぁ‥‥ァん‥ッ」

 どういう訳かいつもより激しく感じてしまい、じわじわと頂きに押し上げられる感覚に、彼女は抗えないでいる──。

 しかし

 ベッドの横にへたり込んだこの体勢では上手くイクことができそうにない。

“ ダメ……イキ…た…い……!! ”

 それをもどかしく感じる身体は

 邪魔な下着を脱ぐとベッドに上がり、そこに仰向けになって寝そべった。

クチュ クチュ クチュ

「…あ//…ふ‥…、ぅ、‥‥アっ‥アっん‥…ハァ ハァ‥ハァ─ ハ‥ぁぁ‥‥!!」

 目を閉じて指先に集中する。

「‥ぁ、ゥ‥…アっ‥アっ‥‥ああ ハァ」

 渇くことなくどんどん溢れてくる。

 わたしのアソコ…

 どうなっているのか想像した時、脳裏に浮かんだのはあの女性の姿──。

 ハルトの前に秘部をさらけ出し、厭らしく腰を動かしながら自分を掻き回すあの姿。


 今のわたし…あの人と同じ…!?


「‥ぁ‥イヤ‥」


 そう思った瞬間、閉じた目の暗闇に現れたのは……

 自分の醜態を無言で見つめるハルトの姿。

「ハァハァ…っ…ち……チガウ‥、の‥‥‥//」

 ソファーに座ってこちらを見詰めるハルトの目は、彼女の興奮が高まれば高まるほど……冷たくなってゆく。


《 ──…とんだ変態女だな 》


「…─!! いやッ!…‥チガウ‥っ」

 違うから……!

 馬鹿にしないで‥‥っ

 あなたなんかの前で、こんな姿を晒すわけ──


《 ……さっさと負けを認めろよ? 》


「…ハァ…ハァハァ、‥ぜっ‥…たいダメ‥!!…だめ…!!」


グチャッ、

クリ クリ クリ....


「ぁっ//…あなたに なんか…──//」



......




《 ──…じゃあ…僕なら、いいの? 》



ドキ....!!



「ハァハァッ…ぇ…!?」



《 僕になら……君のぜんぶを見せてくれる? 》



 どうして…?

 気が付くと、ソファーに優雅に腰掛けている男が別人に変わっていた。

“ スミヤさん……! ”

 冷たい目のハルトはどこかに消えた。代わりにあるのは、熱く注がれる蒼色の視線。


《 大丈夫……恥ずかしがらなくて、いいから 》


「……!! ‥スミヤ‥さん」

 優しい声が、直接 頭に響いてくる……。


“ そっか……思い出した ”


ドク...ドク...


 わたしの身体がこんなふうに変になったのは、たぶん、スミヤさんのせいだ。

 あの人に悪戯なウインクをされた時から、わたしの胸はドキドキとうるさくて……。

「…スミヤ‥さ‥ん‥// ─…は‥ぁぁ」

 彼の名前を口に出すと

 しっくりとくる身体がある。

《 そのまま……イッてみせて 》

「‥ソン ナ‥‥ああ‥ッ、アっ!アっ!‥‥イッ、ぁ‥、…あああ……!!!」

ビクッッ

「…あああッ──///」

 ……わたし

 どうして、こんな事

 ……止まらない。

《 可愛いね 》

もうイッたのに、止まってくれない。

《 今度は僕が……触ってあげる 》

 また……突起を捏ねる指が淫猥に動き出す。

 スミヤさんはここにいない

 そんな事は百も承知の、筈でしょう……?

 でも止まらない。

 勝手にこんな想像をするなんて……彼にどれだけ失礼なことか──。

 それはわかっていても、その背徳感が彼女の興奮を高めているのは否定できなかった。


 その夜…


 火照りのおさまらない身体を持てあまし、ミレイは何度も彼の名を口にしながらイキ続けた。

 自分のカラダはどうなってしまったのだろう。

 彼女には見当もつかなかった──。






──…





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