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第5章 女神の間にて
友理恵の場合 -6-
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「フラン……なんか、こわい」
「何故でしょう? 鬼気迫るものを感じるのですが?」
エンディ、マックス。
その感覚大事だぞー?
これより酷いだろう痛インに捕まりたくなきゃ忘れんなー?
「ここまで行くと愛が重てぇな」
「おれは、うれしいですけど?」
国王が思わず漏らしたのだろうコメントに、ダンゴムシからグソクムシへと進化(?)した野郎が何か言ってるが。
「蓼食う虫も好き好きとか、割れ鍋に綴じ蓋って言葉が俺達の世界にはあってだな?」
「おもに、にたものどうしで、おにあいといういみですわ」
俺が向けた比喩じみた表現に、その意味を問われるより早く友理恵さんが答える。
「わぁお。ポジティブしんきーんぐ!」
「ものはいいようね」
亜梨沙さんと舞子さんが揶揄と呆れをそれぞれ含めて言ったことにも彼女は、堪えた様子を一切見せずに微笑んだ。
映像内では彼女の勤める会社で社長兼CEOの交代が株主総会で決定され、新しい人物が選定されていた。
(あれ? そう言えば……)
『〈申し遅れました。わたくしは、神崎 友理恵。某企業の代表取締役兼CEO専属の秘書をさせていただいておりました〉』
俺の脳裏に転生組だけで集まった時に前世自己紹介していた友理恵さんが口にしていた事が蘇った。
「なぁ? もしかして、今、選出された新しい社長さんが、フランが前世で専属秘書してたっていう社長さん?」
俺の言葉にグソクムシから、こ○パンにクラスチェンジしていたアルフレッドがピクリ、と反応した。
「はい。しゃちょうには、しばらくのあいだ、ひたかくしにしていたのですが、プライベートでおつきあいのできた、おくさまとむすこさんとむすめさんが、しんせいのゲーマーでいらっしゃいまして、よくごいっしょにモ○ハンとかマ○オとかプレイいたしましたわ。“はなキミ” をおくさまとむすめさんに “ふきょう” いたしまして、おくさまはダリルおし、むすめさんは、エンディミオンでんかおしになられておられました。むすこさんはたしか、e-Sportsのせんしゅをめざしておられましたわね。なつかしい」
おおう。
よく言われる「類は友を呼ぶ」の順番入れ替え「友になったら類だった」の典型例だな、そりゃ。
「ああ……あるある。わたしも、かいしゃのめんせつで、じんじのぶちょうさんがグ○ブルぬまのじゅうにんでさー。そこでいきとうごうしちゃったせいで、めんせついっぱつでとおっちゃったんだけどー、ぶちょうさんのおうち、おくさんとむすめちゃんが、すじがねいりのレイヤーで、イベいくとよくコススペであってたの。かいしゃのこんしんかいで、しゃいんみんなのかぞくにあって、あららびっくりおしりあいってかんじでさー。せかいってわりかし、せまいなーっておもったわー」
「わかりますわぁ」
嫌な感じの共感空気が流れる中、友理恵さんはめでたく(?)秘書室で社長さんの専属に指名され、始めは固辞していたものの、奥さんと息子、娘に「秘書は神崎さんしか認めん! 今後それ以外の女が来たら浮気していると判断する!」と脅され、三顧の礼よろしく懇願されて仕方なさげに折れていた。
彼女の “花キミ” ……いやさ、アルフレッド熱は、巻き込まれた社長夫人と社長令嬢の公認となったので、それまで残業で稼いでいた金を手当で稼ぐようになった友理恵さんは、舞子さんと同じく、人生が終了となるその瞬間までアプリを楽しんでいたようだった。
「何故でしょう? 鬼気迫るものを感じるのですが?」
エンディ、マックス。
その感覚大事だぞー?
これより酷いだろう痛インに捕まりたくなきゃ忘れんなー?
「ここまで行くと愛が重てぇな」
「おれは、うれしいですけど?」
国王が思わず漏らしたのだろうコメントに、ダンゴムシからグソクムシへと進化(?)した野郎が何か言ってるが。
「蓼食う虫も好き好きとか、割れ鍋に綴じ蓋って言葉が俺達の世界にはあってだな?」
「おもに、にたものどうしで、おにあいといういみですわ」
俺が向けた比喩じみた表現に、その意味を問われるより早く友理恵さんが答える。
「わぁお。ポジティブしんきーんぐ!」
「ものはいいようね」
亜梨沙さんと舞子さんが揶揄と呆れをそれぞれ含めて言ったことにも彼女は、堪えた様子を一切見せずに微笑んだ。
映像内では彼女の勤める会社で社長兼CEOの交代が株主総会で決定され、新しい人物が選定されていた。
(あれ? そう言えば……)
『〈申し遅れました。わたくしは、神崎 友理恵。某企業の代表取締役兼CEO専属の秘書をさせていただいておりました〉』
俺の脳裏に転生組だけで集まった時に前世自己紹介していた友理恵さんが口にしていた事が蘇った。
「なぁ? もしかして、今、選出された新しい社長さんが、フランが前世で専属秘書してたっていう社長さん?」
俺の言葉にグソクムシから、こ○パンにクラスチェンジしていたアルフレッドがピクリ、と反応した。
「はい。しゃちょうには、しばらくのあいだ、ひたかくしにしていたのですが、プライベートでおつきあいのできた、おくさまとむすこさんとむすめさんが、しんせいのゲーマーでいらっしゃいまして、よくごいっしょにモ○ハンとかマ○オとかプレイいたしましたわ。“はなキミ” をおくさまとむすめさんに “ふきょう” いたしまして、おくさまはダリルおし、むすめさんは、エンディミオンでんかおしになられておられました。むすこさんはたしか、e-Sportsのせんしゅをめざしておられましたわね。なつかしい」
おおう。
よく言われる「類は友を呼ぶ」の順番入れ替え「友になったら類だった」の典型例だな、そりゃ。
「ああ……あるある。わたしも、かいしゃのめんせつで、じんじのぶちょうさんがグ○ブルぬまのじゅうにんでさー。そこでいきとうごうしちゃったせいで、めんせついっぱつでとおっちゃったんだけどー、ぶちょうさんのおうち、おくさんとむすめちゃんが、すじがねいりのレイヤーで、イベいくとよくコススペであってたの。かいしゃのこんしんかいで、しゃいんみんなのかぞくにあって、あららびっくりおしりあいってかんじでさー。せかいってわりかし、せまいなーっておもったわー」
「わかりますわぁ」
嫌な感じの共感空気が流れる中、友理恵さんはめでたく(?)秘書室で社長さんの専属に指名され、始めは固辞していたものの、奥さんと息子、娘に「秘書は神崎さんしか認めん! 今後それ以外の女が来たら浮気していると判断する!」と脅され、三顧の礼よろしく懇願されて仕方なさげに折れていた。
彼女の “花キミ” ……いやさ、アルフレッド熱は、巻き込まれた社長夫人と社長令嬢の公認となったので、それまで残業で稼いでいた金を手当で稼ぐようになった友理恵さんは、舞子さんと同じく、人生が終了となるその瞬間までアプリを楽しんでいたようだった。
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