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234、魔物の巣へ
「ええ。つまり、もう私たちは彼女の支配領域の内側にいる。そういうことです」
「彼女?」
エリクの言葉にリアナは首を傾げた。
「ええ、集団の頂点に君臨し彼らが最も守るべき存在。司令塔と言ってもいい」
「……女王ね」
エリスはそう口にした。
思わずあの巨大な蜂の化け物を思い出す。
エリスはエイジの手を握った。
「エイジ……」
「そんなに心配するなって、エリス。今回はみんなもいるんだ。それに、俺たちだって強くなったんだしさ」
「ええ、それはそうだけど」
赤い髪の王女は、あの戦いの後で意識を失った少年の姿を思い出したのだろう。
そんな姿を見てシェリルがライアンに囁いた。
「ふみゃ、もしかしてあの二人付き合ってるんじゃにゃいか? 何だかいい感じにゃ」
「馬鹿言うなって。エイジに比べて、エリスやリアナはお嬢様っぽいしよ。大方、どこかのお嬢様とそれを守る為に雇われた、護衛騎士ってところじゃねえのか?」
ライアンの答えにシェリルは納得したように頷く。
「ふにゃあ、確かにそう言われると納得にゃ。でも、それしては親しそうだにゃ」
隣に立つオリビアも、黙ってエイジの姿を眺めながら仲間をとがめる。
「エリク先輩が言っていたでしょう? 彼らは只の冒険者、余計な詮索は無用よ」
ライアンは肩をすくめる。
「みろ、オリビアに叱られただろうが」
「ふにゃ~」
オリビアは仲間にそう言いながらも、エリスやリアナを眺める。
(確かに、『ゲスト』ではないにしても貴族の娘と護衛騎士と言ったところかしら。あの様子を見るとよほどエイジを信頼しているようだけど、都の社交界でこの二人やエイジを見かけたことは無いわね)
名門であるロードファエル家。
その当主であるロードファエル伯に連れられて、オリビアはよく都の社交界にも顔を出していた。
美貌の女騎士のドレス姿に言い寄る男たちは数多かったが、オリビアは騎士としての修行中だと断った。
第一、親しく話したことも無い女を口説くような軽薄な男には興味がない。
(もし名のある貴族の娘だとしたら、顔ぐらい知っていてもおかしくないと思うのだけれど)
そんなことを考えながら、オリビアは苦笑した。
仲間に注意をしておきながら、自分も彼女たちを詮索をしていたことに気が付いたからだ。
オリビアは肩をすくめるとエリスに言った。
「確かに、巣の中に居るのは群れに君臨するクイーンよ。でも貴方たちがさっき言っていたキングキャタピラーのような、普通のクイーンではないわ」
その言葉にエリスが首を傾げた。
「普通のクイーンではないってどういう事? オリビア」
Bランク冒険者の手帳にも、パラサイトアントの巣については詳細が書かれていない。
エイジは先程のエリクの話を思い出した。
その代わり見かけた時は、警備隊への報告義務があると書かれている。
(確かに、宿主によって状況は変わる。下手な先入観は却って危険になるってことか)
「ここから先は、討伐任務の戦術も絡んでくるわ。エリク先輩から説明して貰った方がいいと思うわよ」
「そうですね、オリビア。私が説明しましょう」
オリビアの言葉にエリクは頷くと、これから討伐隊がすべきことを話始める。
エイジたちは皆、その説明に耳を傾けた。
時々頷きながら、真剣な表情で聞き入るエイジたち。
エリクは全て終わった後、制服のポケットから小さな筒のような物を取り出す。
「エイジとアンジェにはこれを渡しておきます。使い方は先程説明した通りですよ」
「ええ、エリクさん! 分かりました」
「分かったわ、エリク」
エイジは、それを受け取ると通路の先を見た。
エリクは鞘にしまっていた剣を抜くと、エイジの肩に手を置いた。
「さて、そろそろ行くとしましょう。皆、準備はいいですね」
「彼女?」
エリクの言葉にリアナは首を傾げた。
「ええ、集団の頂点に君臨し彼らが最も守るべき存在。司令塔と言ってもいい」
「……女王ね」
エリスはそう口にした。
思わずあの巨大な蜂の化け物を思い出す。
エリスはエイジの手を握った。
「エイジ……」
「そんなに心配するなって、エリス。今回はみんなもいるんだ。それに、俺たちだって強くなったんだしさ」
「ええ、それはそうだけど」
赤い髪の王女は、あの戦いの後で意識を失った少年の姿を思い出したのだろう。
そんな姿を見てシェリルがライアンに囁いた。
「ふみゃ、もしかしてあの二人付き合ってるんじゃにゃいか? 何だかいい感じにゃ」
「馬鹿言うなって。エイジに比べて、エリスやリアナはお嬢様っぽいしよ。大方、どこかのお嬢様とそれを守る為に雇われた、護衛騎士ってところじゃねえのか?」
ライアンの答えにシェリルは納得したように頷く。
「ふにゃあ、確かにそう言われると納得にゃ。でも、それしては親しそうだにゃ」
隣に立つオリビアも、黙ってエイジの姿を眺めながら仲間をとがめる。
「エリク先輩が言っていたでしょう? 彼らは只の冒険者、余計な詮索は無用よ」
ライアンは肩をすくめる。
「みろ、オリビアに叱られただろうが」
「ふにゃ~」
オリビアは仲間にそう言いながらも、エリスやリアナを眺める。
(確かに、『ゲスト』ではないにしても貴族の娘と護衛騎士と言ったところかしら。あの様子を見るとよほどエイジを信頼しているようだけど、都の社交界でこの二人やエイジを見かけたことは無いわね)
名門であるロードファエル家。
その当主であるロードファエル伯に連れられて、オリビアはよく都の社交界にも顔を出していた。
美貌の女騎士のドレス姿に言い寄る男たちは数多かったが、オリビアは騎士としての修行中だと断った。
第一、親しく話したことも無い女を口説くような軽薄な男には興味がない。
(もし名のある貴族の娘だとしたら、顔ぐらい知っていてもおかしくないと思うのだけれど)
そんなことを考えながら、オリビアは苦笑した。
仲間に注意をしておきながら、自分も彼女たちを詮索をしていたことに気が付いたからだ。
オリビアは肩をすくめるとエリスに言った。
「確かに、巣の中に居るのは群れに君臨するクイーンよ。でも貴方たちがさっき言っていたキングキャタピラーのような、普通のクイーンではないわ」
その言葉にエリスが首を傾げた。
「普通のクイーンではないってどういう事? オリビア」
Bランク冒険者の手帳にも、パラサイトアントの巣については詳細が書かれていない。
エイジは先程のエリクの話を思い出した。
その代わり見かけた時は、警備隊への報告義務があると書かれている。
(確かに、宿主によって状況は変わる。下手な先入観は却って危険になるってことか)
「ここから先は、討伐任務の戦術も絡んでくるわ。エリク先輩から説明して貰った方がいいと思うわよ」
「そうですね、オリビア。私が説明しましょう」
オリビアの言葉にエリクは頷くと、これから討伐隊がすべきことを話始める。
エイジたちは皆、その説明に耳を傾けた。
時々頷きながら、真剣な表情で聞き入るエイジたち。
エリクは全て終わった後、制服のポケットから小さな筒のような物を取り出す。
「エイジとアンジェにはこれを渡しておきます。使い方は先程説明した通りですよ」
「ええ、エリクさん! 分かりました」
「分かったわ、エリク」
エイジは、それを受け取ると通路の先を見た。
エリクは鞘にしまっていた剣を抜くと、エイジの肩に手を置いた。
「さて、そろそろ行くとしましょう。皆、準備はいいですね」
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