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連載
271、渦の中に
「ライアン、あれを見なさい!」
エリクの言葉に、ライアンもエイジの頭上に跳ねたイルカを眺めた。
「ありゃあ……一体?」
そのイルカは、水面と同じように虹色に光り輝いている。
いやその一頭だけではない。
泉の中のイルカたちは、皆虹色に輝いていた。
「どこから来たのかしら」
「貴方は一体……」
イルカたちはそう繰り返しながら、泉を泳ぎ回る。
次第その光は強さを増し、泉全体が虹色に輝き始める。
それは、洞窟内を形成する水晶に伝播し美しく広がっていく。
驚いたエリスたちも、柱の陰から泉の傍に駆け寄った。
泉の岸辺近くで立ち上がるエリクを見て、シェリルが顔をしかめる。
「ふにゃ~、エリク先輩なんにゃ、その下着は!!」
エリクはその言葉に冷静に答えた。
「シェリル、今はそれどころではありませんよ!」
そのもっともな突っ込みに、女性陣は虹色に輝く泉を見つめる。
「あれは一体……」
リイムとミイムが、スイっとエイジに向かって飛んでいった。
そして、泉の中央で呆然と周りを見渡しているエイジに声をかける。
『イルカたちがエイジに興味を持っているのよ』
『エイジの事知りたがってるです! ミイムには分かるです!』
『俺のことを?』
リイムは頷いた。
『あの波紋と光は、ウォータードルフィンが会話をしている証なの。彼らがエイジに興味を持ってるのが伝わってくるわ』
『何処から来たの? 不思議な人、って言ってるです』
ミイムの言葉に、エイジは首を傾げる。
『不思議な人? リイムやミイムにはイルカたちの会話が聞こえるのか?』
リイムとミイムは首を横に振った。
『彼らは言葉では意思を伝えないの。あの波紋と光に思念を乗せているのよ。私やミイムにはそれが少しだけ分かるの』
『エイジの心の中も、ウォータードルフィンには分かるです。相手の心を読む力は、精霊よりも強いです』
(テレパシーみたいなものか?)
精霊にも少しだけ考えていることが伝わるが、彼らにはより明確に伝わるのだろう。
オリビアの言葉が、そのまま伝わっていたことでもそれが分かる。
言語として発せられないが故にエイジには分からないが、同じような力を持つ精霊たちには、ある程度伝わるようだ。
イルカたちの様子を見て、リイムは不思議そうに首を傾げた。
『でも不思議、こんなに強い光を放つなんて。どうしてエイジにこんなに興味を持つのかしら? 他の精霊使いと一緒に泉に入った友達からは、こんな話聞いたことないもの』
『ミイムも無いです』
『そうなのか? リイム、ミイム』
エイジの言葉に二人は頷く。
そしてリイムが言った。
『ええ。彼らが興味を惹かれるとしたら……そうね遠くから帰ってきた精霊使いが来るのを、ウォータードルフィンたちは喜ぶわ。見たことも無い世界や体験を、精霊使いやその精霊から感じられるからだって。お母様はそう言ってたけど……エイジ? どうしたの』
リイムは、今まで普通に話していたはずのエイジの顔から表情が消え去るのを見て、不安を感じた。
小さな手でエイジの頬を叩いて叫んだ!
『エイジ! エイジ!?』
ミイムはエイジの瞳が泉と同じ虹色に輝いているのを見て、ベソをかく。
『リイム! エイジの様子がおかしいです!』
『え、ええ……分かっているわ。でも一体どうして!?』
二人の目の前で、ゆっくりと虹色の水面に沈んでいくエイジ。
声を上げて泣き出すミイムと、オロオロするリイム。
あれほど巧みに泳いでいたエイジのその姿に、エリクやライアンも一瞬状況が分からずに呆然とする。
いつの間にか虹色に輝くイルカたちは、グルグルと泉の中央で周り続け、それが渦を作っていた。
エイジは、すっかりその渦の奥に飲み込まれたようだ。
「エイジ!!」
沈黙を切り裂くように叫んだのはエリスだ。
ローブを脱ぎ捨てて白い肌着一枚になると、妖精のように可憐でしなやかな肢体を露にして走り出す。
「エリス!」
思わず叫ぶリアナの視界の中で、美しいこの国の王女は虹色の泉の中へと飛び込んでいった。
エリクの言葉に、ライアンもエイジの頭上に跳ねたイルカを眺めた。
「ありゃあ……一体?」
そのイルカは、水面と同じように虹色に光り輝いている。
いやその一頭だけではない。
泉の中のイルカたちは、皆虹色に輝いていた。
「どこから来たのかしら」
「貴方は一体……」
イルカたちはそう繰り返しながら、泉を泳ぎ回る。
次第その光は強さを増し、泉全体が虹色に輝き始める。
それは、洞窟内を形成する水晶に伝播し美しく広がっていく。
驚いたエリスたちも、柱の陰から泉の傍に駆け寄った。
泉の岸辺近くで立ち上がるエリクを見て、シェリルが顔をしかめる。
「ふにゃ~、エリク先輩なんにゃ、その下着は!!」
エリクはその言葉に冷静に答えた。
「シェリル、今はそれどころではありませんよ!」
そのもっともな突っ込みに、女性陣は虹色に輝く泉を見つめる。
「あれは一体……」
リイムとミイムが、スイっとエイジに向かって飛んでいった。
そして、泉の中央で呆然と周りを見渡しているエイジに声をかける。
『イルカたちがエイジに興味を持っているのよ』
『エイジの事知りたがってるです! ミイムには分かるです!』
『俺のことを?』
リイムは頷いた。
『あの波紋と光は、ウォータードルフィンが会話をしている証なの。彼らがエイジに興味を持ってるのが伝わってくるわ』
『何処から来たの? 不思議な人、って言ってるです』
ミイムの言葉に、エイジは首を傾げる。
『不思議な人? リイムやミイムにはイルカたちの会話が聞こえるのか?』
リイムとミイムは首を横に振った。
『彼らは言葉では意思を伝えないの。あの波紋と光に思念を乗せているのよ。私やミイムにはそれが少しだけ分かるの』
『エイジの心の中も、ウォータードルフィンには分かるです。相手の心を読む力は、精霊よりも強いです』
(テレパシーみたいなものか?)
精霊にも少しだけ考えていることが伝わるが、彼らにはより明確に伝わるのだろう。
オリビアの言葉が、そのまま伝わっていたことでもそれが分かる。
言語として発せられないが故にエイジには分からないが、同じような力を持つ精霊たちには、ある程度伝わるようだ。
イルカたちの様子を見て、リイムは不思議そうに首を傾げた。
『でも不思議、こんなに強い光を放つなんて。どうしてエイジにこんなに興味を持つのかしら? 他の精霊使いと一緒に泉に入った友達からは、こんな話聞いたことないもの』
『ミイムも無いです』
『そうなのか? リイム、ミイム』
エイジの言葉に二人は頷く。
そしてリイムが言った。
『ええ。彼らが興味を惹かれるとしたら……そうね遠くから帰ってきた精霊使いが来るのを、ウォータードルフィンたちは喜ぶわ。見たことも無い世界や体験を、精霊使いやその精霊から感じられるからだって。お母様はそう言ってたけど……エイジ? どうしたの』
リイムは、今まで普通に話していたはずのエイジの顔から表情が消え去るのを見て、不安を感じた。
小さな手でエイジの頬を叩いて叫んだ!
『エイジ! エイジ!?』
ミイムはエイジの瞳が泉と同じ虹色に輝いているのを見て、ベソをかく。
『リイム! エイジの様子がおかしいです!』
『え、ええ……分かっているわ。でも一体どうして!?』
二人の目の前で、ゆっくりと虹色の水面に沈んでいくエイジ。
声を上げて泣き出すミイムと、オロオロするリイム。
あれほど巧みに泳いでいたエイジのその姿に、エリクやライアンも一瞬状況が分からずに呆然とする。
いつの間にか虹色に輝くイルカたちは、グルグルと泉の中央で周り続け、それが渦を作っていた。
エイジは、すっかりその渦の奥に飲み込まれたようだ。
「エイジ!!」
沈黙を切り裂くように叫んだのはエリスだ。
ローブを脱ぎ捨てて白い肌着一枚になると、妖精のように可憐でしなやかな肢体を露にして走り出す。
「エリス!」
思わず叫ぶリアナの視界の中で、美しいこの国の王女は虹色の泉の中へと飛び込んでいった。
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