成長チートになったので、生産職も極めます!

雪華慧太

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連載

309、不思議な違和感

「そうだな、そうしよう」

 一行は顔を見合わせて頷くと、精霊の住処へと戻る前に皆のクラスチェンジを済ませるために、迷宮の奥へと足を進めた。
 エイジはもちろん、クラスチェンジしたオリビア、ライアンそしてシェリルの活躍もあり深層といえども安定をして魔物を倒す一行。
 特にオリビアの活躍は目覚ましく、エイジ隣で美しく輝く剣で鮮やかに敵を切り裂いていく。
 その背にある翼も、今までよりもさらに輝きを増していた。
 オリビアは思う。

(これが聖気纏刃……今までとは剣の切れ味が全く違う)

 白く輝く剣はまるでレーザーブレイドのようである。
 剣士としての技量も相まって、エイジにとっては頼もしい相棒になっている。

「さすがだな、オリビア」

「エイジ程じゃないわ」

 エリスとリアナは互いに背中を預け合う二人を見て、少しだけ頬膨らませている。
 それを尻目に、ライアンやシェリルも活躍を見せていた。
 豪快に大槍を振るうライアンと、魔法使いとは思えない程の華麗なステップで敵を撃ち抜くシェリル。
 それを見てリアナは感心したように言った。

「ライアンも豪快で凄いけど、シェリルも凄いわね! 魔法使いなのに、見事な身のこなしだわ」

 エリスも大きく頷いた。

「ほんとね! シェリルって魔法使いにしては身のこなしが軽やかだって思ってたけど、あれなら敵の直ぐそばから魔法が放てるわ」

 詠唱をしながら華麗なステップを踏んで、深層の魔物をフレイムランスで撃ち抜くシェリル。
 その戦いぶりは見事である。
 エリクは、戦いを見守るラエサルに話しかける。

「どうやら、すっかり私を超えてしまったようですね。嬉しいと言うか少し寂しいと言うか」

「悲観することはないだろう? エリク。ジーナがお前に期待しているのは、剣の腕だけじゃないからな」

 ラエサルの言葉にエリクは微笑むと、三人の戦いぶりを見つめていた。
 程なく、エリスたちのレベルも中級クラスのレベル50となり、クラスチェンジが可能になる。
 エイジは一同に告げる。

「よし、一度さっきの広間に戻ろう」

 念のために、見通しのいい場所でクラスチェンジをすることにこしたことはない。
 皆も同意して今来た通路を引き返す。
 広間につくと早速、エリスたちのクラスチェンジを始める。

 黒いとんがり帽子をとると、エイジの前にひざまずくエリス。
 美しい真紅の髪があらわになる。
 普段とは違う神妙な様子に、少し戸惑うエイジ。

「どうしたの? エイジ……えっと今はエイジ様よね」

「え? ああそうだな」

 自分を見上げるエリスに苦笑する。

(はは、エリスのエイジ様って呼ばれるのって、なんだか複雑だよな)

 王女であることも勿論だが、普段のことを考えれば尚更だ。
 エイジは咳ばらいをしながら、エリスの額に手を当てた。
 そこからは、秘められた強い力が伝わってくる。
 エイジは儀式を進めた。

「汝、エリスは己の中に秘められた力の解放を望むか?」

「はい、エイジ様、望みます」

 そう言って目をつぶると、祈りを捧げるような姿勢になるエリスは美しい。
 エイジはそれを見つめながら頷く。

「それでは、我が女神メルティの名において、そなたの力を開放しよう!」

 その瞬間、エリスの体が淡い光に包まれていく。
 思わず吐息を漏らすエリス。

(……オリビアたちが言っていた通りだわ)

 自分の中に眠っている何かが、目覚めるような感覚。
 エイジの手のひらが触れている額が熱く感じる。
 だが、エイジはエリスの額に触れながら不思議な違和感を感じていた。

「これは……」

 エイジはそう呟いて、エリスの姿を見つめていた。
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