文字の大きさ
大
中
小
53 / 254
連載
208、扉の先へ
「エイジさん。ルイーナに行くのが初めてでしたら、ゴンドラ乗り場をご覧になられたらきっと驚かれますわ」
「へえ、楽しみだな」
俺はフローラさんの言葉を聞いて、ワクワクしてきた。
何しろ、これからいよいよ迷宮の奥に向かうんだ。
(遺跡都市か、どんなところだろう?)
エリスとリアナ、そしてアンジェはミーナと話しながら隣を歩いていた。
楽しいのだろう、ミーナのモフモフの尻尾が嬉しそうに揺れている。
ジーナさんは、エリクさんと仕事の話をしているようだ。
スロープを上りきり、行列の先頭であるゴンドラ乗り場がいよいよ近づいてくる。
俺は少し意外に思って首を傾げた。
坂を上り切った先には、大きな縦穴がポッカリと口を広げている光景を想像していたからだ。
だが、スロープを上った先は平らになっておりその先には、ただ壁が立っているだけだった。
「フローラさん、これがゴンドラ乗り場ですか?」
前に並んでいる冒険者たちは、その壁の前に並んでいる。
「ふふ、エイジさん。初めてお乗りになる方は、皆さんそうおっしゃられますわ」
そう言って俺を乗り場に促す姿は品が良く、ガイドの仕事をしているのがさもあろうと納得が出来る。
そこにある扉が時々開閉すると、人が出入りしているのが分かる。
(この奥にゴンドラや縦穴があるのかな?)
ついには俺たちの順番がきて、その扉の前に立つ。
フローラさんは、壁にはめ込まれた白い宝玉を手で触れる。
するとそれは淡く光った。
「フローラさん、何ですか? その宝玉は」
「ええ、自分たちが次に乗るときはこれに触れるんです。暫くするとゴンドラが来ますから」
ゴンドラが来る? どういうことだろう。
ミーナがチョコチョコと歩いてきてフローラを見上げると、しょんぼりする。
「もう光ってるです、ミーナが押したかったです」
「あらあら、ごめんなさいねミーナ。ミーナはこれを押すのが好きだものね。中に入ったら今度はミーナが押して頂戴ね」
それを聞いてミーナは嬉しそうに頷いた。
「はいです! ミーナが押すです」
エリスやリアナは首を傾げた。
「今度は、って?」
「ミーナ、何を頑張るの?」
ミーナは大きな耳をピコピコとさせて、尻尾を立てると俺たちに言う。
「ママがお仕事の時にそうしてるです! ミーナ、ママみたいになりたいです」
娘のその言葉に、フローラさんは少し照れたように笑う。
そして嬉しそうにミーナの髪を撫でている。
その時、宝玉の淡い光が消えて目の前の白い壁の扉が静かに開いた。
(まるで音もしないなんて凄いな、どうやって開け閉めしてるんだ? この扉)
白く美しい石で出来た扉を見て、俺がそんなことを考えていると。
フローラさんは慣れた様子で俺たちを中へと促した。
俺とエリスやリアナは、中に入って首を傾げた。
「ん?」
「あれ、行き止まりよ?」
「おかしいわね」
扉の先が縦穴に通じる通路になっていると思ったからだ。
通路だと思って入った場所は、10mも行くと行き止まりになっている。
白い石で作られた通路の壁は淡い光を放っていた。
「皆さん。ここはもう遺跡都市ルイーナの一部なんですよ」
「ここが? どういうことです? フローラさん」
この通路が遺跡都市の一部?
アンジェは悪戯っぽい目でこちらを見ている。
「すぐに分かるわよ、エイジ」
俺たちを含めて20名程が、その通路に入ったところで扉が閉まる。
気が付くとエリスたちの手を引いてミーナが、通路の突き当りにはめ込まれた半球状の宝玉に触れていた。
それは入り口の壁に取り付けられていたものと、よく似ている。
エリスとリアナは。
「ミーナ、これはなあに?」
「さっきの宝玉に似ているわね」
「これに触ると動くです! お空に行くです」
くりくりした大きな目で嬉しそうにそう言うミーナ。
「空ってミーナ。俺たちは遺跡都市に……うお!?」
通路の白い壁の一部が、まるで窓のように透明になっていく。
そこから見える光景。
それを見て俺は思わず言葉を失った。
(嘘……だろ!? 何だこれ!!)
「へえ、楽しみだな」
俺はフローラさんの言葉を聞いて、ワクワクしてきた。
何しろ、これからいよいよ迷宮の奥に向かうんだ。
(遺跡都市か、どんなところだろう?)
エリスとリアナ、そしてアンジェはミーナと話しながら隣を歩いていた。
楽しいのだろう、ミーナのモフモフの尻尾が嬉しそうに揺れている。
ジーナさんは、エリクさんと仕事の話をしているようだ。
スロープを上りきり、行列の先頭であるゴンドラ乗り場がいよいよ近づいてくる。
俺は少し意外に思って首を傾げた。
坂を上り切った先には、大きな縦穴がポッカリと口を広げている光景を想像していたからだ。
だが、スロープを上った先は平らになっておりその先には、ただ壁が立っているだけだった。
「フローラさん、これがゴンドラ乗り場ですか?」
前に並んでいる冒険者たちは、その壁の前に並んでいる。
「ふふ、エイジさん。初めてお乗りになる方は、皆さんそうおっしゃられますわ」
そう言って俺を乗り場に促す姿は品が良く、ガイドの仕事をしているのがさもあろうと納得が出来る。
そこにある扉が時々開閉すると、人が出入りしているのが分かる。
(この奥にゴンドラや縦穴があるのかな?)
ついには俺たちの順番がきて、その扉の前に立つ。
フローラさんは、壁にはめ込まれた白い宝玉を手で触れる。
するとそれは淡く光った。
「フローラさん、何ですか? その宝玉は」
「ええ、自分たちが次に乗るときはこれに触れるんです。暫くするとゴンドラが来ますから」
ゴンドラが来る? どういうことだろう。
ミーナがチョコチョコと歩いてきてフローラを見上げると、しょんぼりする。
「もう光ってるです、ミーナが押したかったです」
「あらあら、ごめんなさいねミーナ。ミーナはこれを押すのが好きだものね。中に入ったら今度はミーナが押して頂戴ね」
それを聞いてミーナは嬉しそうに頷いた。
「はいです! ミーナが押すです」
エリスやリアナは首を傾げた。
「今度は、って?」
「ミーナ、何を頑張るの?」
ミーナは大きな耳をピコピコとさせて、尻尾を立てると俺たちに言う。
「ママがお仕事の時にそうしてるです! ミーナ、ママみたいになりたいです」
娘のその言葉に、フローラさんは少し照れたように笑う。
そして嬉しそうにミーナの髪を撫でている。
その時、宝玉の淡い光が消えて目の前の白い壁の扉が静かに開いた。
(まるで音もしないなんて凄いな、どうやって開け閉めしてるんだ? この扉)
白く美しい石で出来た扉を見て、俺がそんなことを考えていると。
フローラさんは慣れた様子で俺たちを中へと促した。
俺とエリスやリアナは、中に入って首を傾げた。
「ん?」
「あれ、行き止まりよ?」
「おかしいわね」
扉の先が縦穴に通じる通路になっていると思ったからだ。
通路だと思って入った場所は、10mも行くと行き止まりになっている。
白い石で作られた通路の壁は淡い光を放っていた。
「皆さん。ここはもう遺跡都市ルイーナの一部なんですよ」
「ここが? どういうことです? フローラさん」
この通路が遺跡都市の一部?
アンジェは悪戯っぽい目でこちらを見ている。
「すぐに分かるわよ、エイジ」
俺たちを含めて20名程が、その通路に入ったところで扉が閉まる。
気が付くとエリスたちの手を引いてミーナが、通路の突き当りにはめ込まれた半球状の宝玉に触れていた。
それは入り口の壁に取り付けられていたものと、よく似ている。
エリスとリアナは。
「ミーナ、これはなあに?」
「さっきの宝玉に似ているわね」
「これに触ると動くです! お空に行くです」
くりくりした大きな目で嬉しそうにそう言うミーナ。
「空ってミーナ。俺たちは遺跡都市に……うお!?」
通路の白い壁の一部が、まるで窓のように透明になっていく。
そこから見える光景。
それを見て俺は思わず言葉を失った。
(嘘……だろ!? 何だこれ!!)
感想 665
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部 2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisanバーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界にクラス転移したので俺はスローライフを満喫する事にしようかな
美鈴ホットランキング一位本当にありがとうございます!
【※毎日18時更新中】
タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です!
間が空いてしまったので書き直しました。もう一度この物語を少しでも楽しんでいただければと思います。
※カクヨム様にも投稿しております
※イラストはAIアートイラストを使用