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連載
212、白い髭の魔道士
俺はフローラさんに尋ねた。
「フローラさん、あの人は誰ですか? 学者みたいに見えるけど」
「ああ、あの方でしたら遺跡の調査団で団長を務めていらっしゃるファルトラース子爵様ですわ。かつては都の魔法学院の校長をされておられた程の魔道士で、魔法科学の研究では第一人者です。レオンリート陛下からの信頼もとても厚いと聞いていますわ」
「へえ! 凄い人なんですね」
俺は改めて白髭の老人を眺める。
(魔法学院の校長か、まさにそんな感じだな)
ファンタジー映画に出てくる大魔道士って感じだ。
ジーナさんは俺に言う。
「調査団の殆どは気位の高い貴族かその子弟だからね。陛下が一般の国民にも遺跡の研究をするのを認めたとはいえ、それが気に入らない連中もいる。ファルトラース子爵が団長を務めてなかったら、ここまでの成果はとても出せなかっただろうさ」
「ええ、研究者としても魔道士としても人望がある方ですから。貴族以外の研究者が肩身が狭い思いをしなくてすむのは、ファルトラース様のお蔭だと聞きますもの」
ミーナは、左右に尻尾を揺らしながら俺に言う。
「白いお髭のおじいちゃんです」
「もう、ミーナったら。駄目よ、偉い方なんだからそんな呼び方をしては」
(はは、白い髭のおじいちゃんか。ミーナからしたら、そんな感じだろうな)
でも、団長であるファルトラース子爵の隣にいる若い男は誰なんだろう?
年齢は二十代後半だ、他の学者とは違う服を着ている。
住民たちの挨拶に気軽に返事をする子爵とは対照的に、その表情を変えることは無い。
「隣を歩いている人は、誰なんです?」
俺の問いにフローラさんは答えてくれた。
「ガドレウス男爵ですわ。子爵の弟子で、とても優れた学者だとは聞いてますけど……」
何故か口ごもるフローラさんに俺は尋ねた。
「どうかしたんですか?」
「いいえ、エイジさん。何でもありませんわ」
どうしたんだろう?
一行は広場に入ると、俺たちが降りたゴンドラとは別のゴンドラに乗り込んだ。
調査団は優先権があるのだろう。
行列に並ぶこともなく彼らが乗り込んだゴンドラは、直ぐに柱を上昇し始めた。
地上に用があるようだ。
ジーナさんはそれを眺めた後、俺たちに言う。
「さて、そろそろ行くとしようか!」
その言葉に俺たちは頷いた。
初めての遺跡都市で圧倒されっぱなしだけど、リカルドさんに挨拶をしに行ったら早速迷宮でレベル上げをしなきゃな。
(よし、頑張るぞ!)
そんな中、しょんぼりしているミーナに気が付いた。
フローラさんはミーナの頭を撫でながら。
「ミーナ、みなさんにお礼とお別れを言わないとね」
「……はいです」
別れが寂しいのだろう、ミーナの大きな狐耳と尻尾がしょんぼりと項垂れている。
それでも母親に促されて、チョコチョコと歩み出て俺たちを見上げた。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんありがとです! ミーナとっても楽しかったです!」
エリスとリアナが、ミーナをギュッと抱き締める。
「こちらこそ、楽しかったわ!」
「ええ、本当に。ありがとうね、ミーナ!」
アンジェもミーナの頭を撫でる。
「楽しかったわよ、ミーナ」
三人への挨拶が終わると、ミーナは俺の前に立つ。
「エイジお兄ちゃん、ありがとです……ミーナ楽しかったです」
しょんぼりとするミーナに、俺は言った。
「ありがとな、ミーナ。そんな顔するなよ、これでお別れじゃないさ。遺跡見学をする時は、絶対にフローラさんとミーナに会いに行くからさ」
それを聞いて、ようやく笑顔になるミーナ。
「はいです! ミーナ待ってるです!」
俺はフローラさんにも改めてお礼を言った。
フローラさんは、彼女の家への簡単な地図を描いて俺に渡してくれる。
俺もテルームドの鍛冶屋のことと、ルイーナではリカルドさんのところに世話になる旨を伝えた。
フローラさんは、ミーナの手を握って俺たちに微笑えむと。
「エイジさん、みなさん、いつでもいらして下さい。歓迎いたしますわ」
「フローラさん、あの人は誰ですか? 学者みたいに見えるけど」
「ああ、あの方でしたら遺跡の調査団で団長を務めていらっしゃるファルトラース子爵様ですわ。かつては都の魔法学院の校長をされておられた程の魔道士で、魔法科学の研究では第一人者です。レオンリート陛下からの信頼もとても厚いと聞いていますわ」
「へえ! 凄い人なんですね」
俺は改めて白髭の老人を眺める。
(魔法学院の校長か、まさにそんな感じだな)
ファンタジー映画に出てくる大魔道士って感じだ。
ジーナさんは俺に言う。
「調査団の殆どは気位の高い貴族かその子弟だからね。陛下が一般の国民にも遺跡の研究をするのを認めたとはいえ、それが気に入らない連中もいる。ファルトラース子爵が団長を務めてなかったら、ここまでの成果はとても出せなかっただろうさ」
「ええ、研究者としても魔道士としても人望がある方ですから。貴族以外の研究者が肩身が狭い思いをしなくてすむのは、ファルトラース様のお蔭だと聞きますもの」
ミーナは、左右に尻尾を揺らしながら俺に言う。
「白いお髭のおじいちゃんです」
「もう、ミーナったら。駄目よ、偉い方なんだからそんな呼び方をしては」
(はは、白い髭のおじいちゃんか。ミーナからしたら、そんな感じだろうな)
でも、団長であるファルトラース子爵の隣にいる若い男は誰なんだろう?
年齢は二十代後半だ、他の学者とは違う服を着ている。
住民たちの挨拶に気軽に返事をする子爵とは対照的に、その表情を変えることは無い。
「隣を歩いている人は、誰なんです?」
俺の問いにフローラさんは答えてくれた。
「ガドレウス男爵ですわ。子爵の弟子で、とても優れた学者だとは聞いてますけど……」
何故か口ごもるフローラさんに俺は尋ねた。
「どうかしたんですか?」
「いいえ、エイジさん。何でもありませんわ」
どうしたんだろう?
一行は広場に入ると、俺たちが降りたゴンドラとは別のゴンドラに乗り込んだ。
調査団は優先権があるのだろう。
行列に並ぶこともなく彼らが乗り込んだゴンドラは、直ぐに柱を上昇し始めた。
地上に用があるようだ。
ジーナさんはそれを眺めた後、俺たちに言う。
「さて、そろそろ行くとしようか!」
その言葉に俺たちは頷いた。
初めての遺跡都市で圧倒されっぱなしだけど、リカルドさんに挨拶をしに行ったら早速迷宮でレベル上げをしなきゃな。
(よし、頑張るぞ!)
そんな中、しょんぼりしているミーナに気が付いた。
フローラさんはミーナの頭を撫でながら。
「ミーナ、みなさんにお礼とお別れを言わないとね」
「……はいです」
別れが寂しいのだろう、ミーナの大きな狐耳と尻尾がしょんぼりと項垂れている。
それでも母親に促されて、チョコチョコと歩み出て俺たちを見上げた。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんありがとです! ミーナとっても楽しかったです!」
エリスとリアナが、ミーナをギュッと抱き締める。
「こちらこそ、楽しかったわ!」
「ええ、本当に。ありがとうね、ミーナ!」
アンジェもミーナの頭を撫でる。
「楽しかったわよ、ミーナ」
三人への挨拶が終わると、ミーナは俺の前に立つ。
「エイジお兄ちゃん、ありがとです……ミーナ楽しかったです」
しょんぼりとするミーナに、俺は言った。
「ありがとな、ミーナ。そんな顔するなよ、これでお別れじゃないさ。遺跡見学をする時は、絶対にフローラさんとミーナに会いに行くからさ」
それを聞いて、ようやく笑顔になるミーナ。
「はいです! ミーナ待ってるです!」
俺はフローラさんにも改めてお礼を言った。
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俺もテルームドの鍛冶屋のことと、ルイーナではリカルドさんのところに世話になる旨を伝えた。
フローラさんは、ミーナの手を握って俺たちに微笑えむと。
「エイジさん、みなさん、いつでもいらして下さい。歓迎いたしますわ」
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