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第25章 成長する子供達と主人公
夫婦の隠れた趣味
しおりを挟む「アド。今日はパパが絵本を読んであげよう」
「パーパ!」
絵本を読んであげる、そういうと上機嫌になる息子に笑みを零しながら絵本を読み始める。アミィール様もセラに難しい本を読み聞かせ始める。小さくて穏やかな………先程の嫌な気持ちなど浄化されていくように心地いい雰囲気になった頃には子供達はすやすや夢の中に行ってしまった。
アミィールとセオドアは一応置いてある小さなベッドに子供達を移して、見つめ合う。
「セオ様…………いいえ、セオ、セオはお兄様が部屋を取るのが嫌だと言いますが、わたくしは実は楽しみなのです。
わたくしははしたなく___危険で甘く営むのが、好きなのです」
「っ、………俺もだよ、アミィ。音を立てずに、甘い声を聞けないというのに………醜くアミィを求めたくなる。
俺こそ変態だ。…………変態の俺を、受け入れてくれるかい?」
「勿論です。…………子供達にも聞かせられない、甘い時間を共にすごしましょう?」
「___っ、アミィ」
「んっ…………ふ、は…………」
セオドアはアミィールの唇を奪う。
甘い唾液を全て舐めとるように舌を動かしながら身体に触れる。
音を立てない甘く蕩ける時間は、やっぱり昂り過ぎてしまうふたりでした。
* * *
「……………う」
「む………?」
早朝、未だ空が暗く、月がほんのり浮かんでいる時間に双子達は起きた。いつものベットより狭くて硬い。2人は互いに顔を合わせて意思疎通する。
『アド、おはよう、今日も早いね』
『セラも早いじゃないか。珍しいね。………っていうか、なんで俺たちパパとママと寝てないんだ?』
アドラオテルはそう言って最近覚えた掴まり立ちでいつも寝ているベッドを見る。ベッドには____上半身裸の両親が。アドラオテルはまじまじ見ながら言う。
『また裸だよ?なんで裸なのだろう?裸の日はなんで俺達は一緒に寝れないんだ?』
『わかんない。ママもパパも教えてくれないもの。…………わたくし達の寝相が悪いからかしら?』
セラフィールはじわり、と涙を滲ませる。アドラオテルはげ、と顔をひきつらせる。セラフィールが泣くと面倒臭い。グチグチネチネチと父親のようにぐずり始める。
こういう時は話を変えよう。
『そんなことよりさ、遊ぼうぜ』
『まだ夜よ?うるさくしたら怒られるじゃない。ママもまだ居るし』
『ピアノじゃなければ大丈夫だよ、どうせここでパパとママの布団に入っても寝れないだろう?』
『寝れないけど………』
子供達は1度目が覚めるとなかなか寝れないのだ。普段からお昼寝を欠かさない優良赤子である。アドラオテルは悪戯っぽく笑って言う。
『静かに遊ぼうぜ?バレないようにパパの部屋でさ!』
『パパの部屋にはパパの兄弟の人がいるよ?』
『居ても知らないもん。俺は剣で遊びたいんだ』
そう言って両手で剣を構えるポーズを取って振り回す素振りを見せるアドラオテル。セラフィールははあ、と溜息をついた。
『もう、勝手なんだから』
『じゃあ、セラだけここにいろよ、赤ちゃんらしく寝てれば~?』
『………』
何ともムカつく言い方である。
かちん、ときたセラフィールはふわり、紅銀の光を纏ってベビーベットから降りた。
『ほら、遊ぶなら行きましょう。それともアドが寝るの?』
『はは、ちょろいやつ。寝ないよ、行こうぜ』
アドラオテルもけたけたと笑ってセラフィールの元へ降り立つ。そして双子はセフィア達が泊まる部屋に向かった。
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