恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ!!

杏仁豆腐

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同棲生活

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「さ、ここです。どれでも気に入ったモノがあれば言ってください」
「……ここって、有名ブランドの直営店じゃ……」
「そうです。お気に召しませんか?」
「そういうわけじゃ……」

彼に連れてこられた場所、それは女性雑誌で今話題のブランド直営店だった。
何処に連れていかれるのか分からなかった私は普通にスカートと無地のトレーナーを着て来てしまい私だけがお店で浮いていた。

「こんなところ、来たことないです」
「そうなんですか? 茜さん結構綺麗なのでこういう場所で洋服を選ぶんだと思ってました」

はぁ?
今なんつった?
綺麗……だと?
ば、ばっかじゃいのっ。
散々私に色気のない女扱いしていた癖に、こういう所へ女を連れて来ると彼氏面しちゃってさっ!!
私は騙されなんだから、ねっ!!

「茜さん? どうしました?」
「あ、い、いや、何でも無いです……ちょっと見てきます」
「どうぞ、どうぞ」

私が店の奥へ向かい彼は私の後ろ姿を見ながら店に置いてあった椅子に腰かけた。
彼氏なら彼女と一緒に洋服見るのくらい手伝ってもいいじゃんっ!!
イケメンだからって何様なのよ。
ああ、こんな男と同棲生活してる私って……本物のおバカ者だわ。

店員に勧められて何着か試着をした。
私は選ぶのが面倒になり彼の所へ行き店員が選んだ服を全部欲しいと無茶振りして彼の困った顔を見ようと思った。

「いいですよ。それじゃお会計済ませてきますのでちょっと行きましょうか」
「はい……? これ、全部買うんですか?」
「はい。茜さんが欲しいですよね? これ」
「ま、まぁ……でも結構高いんじゃ…」
「問題ないです」


彼は笑顔でそう答えてレジ向かった。
私は彼の後ろを歩きながら、金持ちってすげぇ~、と心の中で叫んでいた。
レジで彼がブラックカードを財布から抜き取り、一括で、と店員に言う仕草に私の心臓が反応してしまった。
カッコいい……しかもブラックカードって……なんてイケメンで金持ち……流石社長だわ。

「それじゃ、次行きましょうか」
「まだどこかに行くおつもりで?」
「お腹が空いたのでちょっと軽く食事でもしませんか?」
「はぁ……私はいいですけど」
「よかった。それじゃ、車に戻りましょう。美味しいパスタのお店があるです。僕のお気に入りな店なんですよ」

うーん、なんだかこれじゃ本当にデートじゃないか。
それに女嫌いとか言っておきながら女慣れしてないか、このイケメン童貞のくせに。
ふふふ、でも私の頭の中ではあんたはホモでしかも受けなんだ。
ぐちょぐちょに喘ぐ姿を想像しながらこの後も付き合ってあげるわ。





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