2 / 7
あ、スライムだ。
しおりを挟む多少は持ち合わせている前世の知識、広く浅くは知ってるけどラノベに出てくるような専門的な知識は持ち合わせてない。
なので私はきっかけ作りだけをして後は職人などの適任者に任せようと思っている、特に兄は研究者気質なので喜んで調べてくれる。
そこで一つ見つけたいものがあるため図鑑片手に護衛騎士を2人ほど連れて森に入っている、お転婆な令嬢でごめんなさいね?あるのかどうかは不安なんだけどね…本来なら南の地域の木だから四季のあるこの土地にあるのかどうか、似た木でいいから見つけたい。図鑑を見る限り近いのは"パラテの木"あるかしらね?
そして歩き回ること2時間、とても綺麗な水場が現れたのだけどその水場に沢山の透明なスライム。
うわー!ゼリーみたい!
護衛に触っても可能かを聞くと、スライムには色によって属性がわかれるようでここに居るような透明な個体は浄化を得意とする聖属性の子だから触れても大丈夫とのこと。
近寄ってきた子に触れるとゼリーと言うよりスクイーズのような感触…連れて帰りたい。護衛に「連れて帰りたいのだけど…」と伝えると困った顔をしていたので父には私から許可を取るからと言い含めて、スライムに「あなた私と一緒に行きませんか?」と伝えると手にスリスリと寄ってくれたので抱き上げる。
嫌がらないということは大丈夫ということなのかしら?そのまま歩いていても嫌がることなくぷるぷるしてるからそのまま帰宅し、父に「面倒見たいので許可してください」と伝えると顔を引き攣らせながらも許可をしてくれた。
どうも父はスライムが苦手なようである(笑)
浄化が得意…もしかしてあの水場って元々汚れてたのかしら?水場の浄化をしてくれるならトイレも?と思い連れていくとしばらくぷるぷるとした後ポワっと発光し見事に綺麗に…すごっ
楽しくなって他にも汚水の溜まっている瓶や池に連れて行くとポワっと発光し綺麗になっていく、優秀過ぎるわスライム!!
そして翌朝スライムが増えていて驚いたのよね。なるほど、浄化することで分裂し増殖すると…寿命はどのくらいなのかしら?ちょっと調べてみましょう。
昨日浄化した瓶の周りに使用人が集まっていたので何事かと声をかけると汚水が綺麗になっていることに驚いていたので、スライムが綺麗にしてくれたと説明をすると「是非、私達も浄化スライム確保したいですね」と本気で言っていた…今までその発想なかったのね。
これを執事が父に話してくれたことで渋々ではあるが庭で浄化スライムを放し飼いする許可も降りることになりました(笑)
来客時、お客様の目につかないようにだけ気を付けるよう使用人に口酸っぱく言われていた。そのことで対策を考えていた執事へ「時間を決めてみては?」と言うと何やら閃いたようで感謝の言葉とともにパタパタと動き出していた。
この浄化スライムが来てからというもの邸がとても綺麗で以前はどうしても臭っていた汚水臭もなくなり過ごしやすくなった。
父はスライムが苦手だったのに今では苦手でもとても感謝しているようで、他の属性スライムにも活用方法があるのではないかと研究機関を設けて色々と実験・研究を始めているそうだ。
ちなみに私はあれから無属性スライムにハーブを食べさせていて、進化しないか見守っている。芳香スライムとかに進化してくれたら部屋がいい匂いになるかもと思っていたりする。スライムって無害な子が多いからペット向きだし触り心地最高だからね?
話は変わりますが、あれからも森にはよく出掛けていて図鑑に載っている草花以外にも気になる草木が幾つかあった。どうも前世の植物に似たものも自生していて気になるのよね…何で鑑定とか持ってないのかしら私
ピロンッ
え?
鑑定…出来てる?
もしかして、一定数の草花をみて調べてたから生えてきたの?鑑定が出来る…うわっ、感激。
これって人物鑑定も出来そうじゃない?と思って2人の護衛を見て鑑定してみる。
…出来ちゃった。
しかも、セクシャリティまで見れるわ。これって私に適したものなのかしら?今の所、鑑定で見れる内容が少ない所を鑑みるとレベル1の状態なのかしら、これからはたくさん鑑定していけば見れる内容も増えていくのでしょうね。
しかし、セクシャリティか…私を見守っておられている神様はオネェ様なのかしらね?ふふっ、私らしくていい神様だわ(笑)
この世界で主に信仰されているのは男神ミーウェット、慈愛の神として崇められているのだけど…まさかね。
気を取り直して森の中を鑑定しながら散策していると見つけました"パラテの木"森に入って2週間でやっと見つけたわ。この木に傷をつけると…出てきた樹液が!
この樹液を持ち歩いていた木製バケツに溜まるように設置し、翌日回収出来るように目印を付けながら帰宅。
これが思ってた通りのものならアレが作れるのです、アレが。
タイミング良く週末で兄が帰ってきているので明日は一緒に来てもらいましょうね、実験手伝ってもらいますわ!
そして、夕食を家族揃って摂っている時に鑑定スキルが生えた話しをすると皆ビックリ。仮説として一定数の植物や人物などを調べていると生えてくるかもしれないと言うと、父は数人に試しに鑑定スキルが取得できるかを試みることにしていた。上手くいくと魔法省へ報告し他のスキル取得への足掛かりになるかもしれないと少し興奮気味に話してくれた。
こういうときの父は子供っぽくなるのでとても可愛いと思ってしまう、母もそんな父の姿を暖かい目で見ているところをみると同意見なんだと思うなぁ(笑)
兄に一緒に樹液回収をして欲しいと頼むと少しソワっとした顔で「何を作るの?」と聞いてきたので、失敗するかもしれないけどと前置きをしてから鑑定で調べた結果を伝えるとこれまた父によく似た顔で「楽しみだ!」とはしゃいでいた。私もワクワクしてる時こんな顔してるのかしら?
翌朝、早めに出ることにしたので朝食は料理長へ外で食べられるようにサンドイッチをお願いしておいた。
兄からどんな物を作りたいのかを聞かれていたので私の部屋に招きスケッチしてあるものを見せるとこれが出来たら色んなものが出来ると言い何かをメモしていた。既に兄の頭の中で色々と作りたいものがあるのだろう、話しかけても聞こえていない…
「…さま……兄様!」
「はっ!ご、ごめん!」
「もう、今夜はこの辺で寝ましょ?明日は朝早く出るのだから」
「あぁそうだね、そろそろ寝なきゃ」
「考えるのは明日に持ち越してくださいましね?」
「うん、じゃあおやすみ」
私も人の事は言えないけど、兄も考え始めると周りの声が聞こえなくなるのよね…今日は早く寝ましょ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる