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16 遺体
「遺体が見つかった!?」
公爵領から戻ってきたアーロンが、戻ってくるなり、そんな世迷言を口にした。
床に膝を突いて、顔を上げることなく、ラシェルの訃報を知らせてくる。
めまいがいしそうになって、足元がふらついた。
「クリストフ様!?」
真っ暗闇に入り込んだようだ。世界が暗がりに入り、視界が闇に覆われていく。
名前を呼んで駆け寄ったアーロンが、ぐっと肩を掴んだ。
「大丈夫ですか!?」
「……たいは。遺体はどこに?」
「神殿に運んでおります」
「案内しろ」
「その、とても見られるものでは」
「いいから案内しろ!!」
有り得ない。
何度も口にして、アーロンの跡を付いていく。
どうして、ラシェルの遺体があるのか。なぜ、そんなことになるのか。
彼女は特別だ。普通の女性とは違う。だから、遺体などは見つかるはずがない。
それなのに、
「どうぞ、こちらです」
アーロンが冷えた部屋の一室に促した。
鼻につく匂いが、吐き気を感じさせる。生臭いような、腐ったような。それから、汚泥のような匂いが混ざったような、なんとも言い難い匂いが、部屋の中を包んでいた。その奥。女神像の前に棺が置かれ、蓋が閉められていた。
「クリストフ様。水で膨れて、ひどい状態ですから」
「開けろ。いいから、開けろ!!」
アーロンがその蓋をずらせば、強烈な異臭が放たれた。吐き気どころか、目が回って頭痛でも起こしそうな匂いだ。
蓋がずれて棺の中があらわになる。しかし、そこにはふやけて、なんだかわからないものが、横たわっていた。
暗い茶色の髪なのか、乾いた海藻のようにいくつかの束が固まって白い粉をつけている。額は広く、ぶよぶよとした頭部は、ところどころ膿んだように、なにかが吹き出ていた。
瞳の色など、直視できない。鼻や唇はかろうじて形を残しているが、膨らんで、死んだ魚のようにむくんでいた。
「う、ぐっ」
吐きそうになって、部屋の外へ駆け出した。
「はっ、げほっ、ごほっ」
一体、何が横たわっていたのか。判別などできるはずがない。着ていた衣装の色がかろうじてわかるくらい。髪色は珍しい色ではないし、瞳を見れば、すぐにラシェルだとわかるだろう。
しかし、そのまぶたを開かせる勇気はなかった。触れるだけで、脆く崩れてしまいそうな皮膚。何かに食われていたか、蝕まれた跡もあった。
部屋から出たのに、髪や肌に異臭がこびりついているようだ。
手足がガタガタと震え出し、体が揺れた。血の気が引いたように寒気がして、背筋が凍ったようになる。
「どうして、ラシェル」
ポロポロと、涙が溢れて、廊下に水滴が落ちた。
嗚咽が込み上げて、ただそれを吐き出すしかなかった。
「ラシェル、髪に何かついているよ」
呼びかければ、淡い青紫色の瞳がこちらをとらえて、長いまつ毛がそれを遮る。一度瞬きすると、髪を見ようと瞳が上向きに移動する。そんなとぼけた表情をするのに、どこか愛らしい。
適当に頭の上を払って、ラシェルは髪についたものを取ろうとする。それがどこにあるのかわかっていないのに。
「そこじゃないよ。こちらに」
一つにまとめたラシェルの髪は癖がなく、まっすぐで、絡まることがなさそうなほど美しく艶がある。その結んだ部分に、どこで付けたのか、黄色の花びらが乗っていた。それを取ってやると、ラシェルは下弦の月のように、くったくなく笑った。
「今度、君の髪に似合う、髪留めを贈るよ」
「くれると言うなら、ありがたくいただくけれど、小さいものじゃないと落としてしまうわ。私の髪は、引っかかりにくいから」
「小さいと、落とした時に気付かないのではないのかい?」
「気付くわよ。髪留めが取れれば、すぐに髪の毛が、ほら、落ちてきてしまうから」
髪紐を取れば、ラシェルのチョコレート色の髪の毛が、するりと肩に下りる。触れれば、錦糸のように触り心地が良く、指の隙間からこぼれ落ちた。
「僕が結んでいいかい?」
「結べるの?」
「やってみたいんだ」
「いいわ。じゃあ、やってみて」
ラシェルは無防備に背中を見せた。首元から髪の毛に触れると、シャンプーの香りか、ラシェルに似合う柑橘系の匂いがした。
簡単な編み込みならできるだろうと、軽く触れただけで、心臓が早鐘を打ったようにどくどくいう。ラシェルは気付いていないが、首筋に触れると、指先が熱くなる気さえした。
どうして彼女にここまで惹かれるのか、よくわからない。王宮の女性たちとは違い、彼女は取り繕うという真似をしないからだろうか。
王宮の女性はいつでもクリストフの表情を気にしている。表情だけではなく、仕草や、話し方。歩む速さでもなんでも、クリストフの全てを見つめ、話の先を考えては、言葉を口にする。思い付きで話すような真似はしない。それは貴族として当然だとしても、厚い壁をわざわざ作り出し、偽物のなにかを演じてまで、話しかけてくる。
片や、王妃の手前。クリストフの前以上に緊張して、相手の思う通りの言葉を紡ぐ。
堅苦しく、決められた動きと言葉。それにうんざりする。
けれど、ラシェルは違う。子爵令嬢ながら、平民と同じような真似をしているのは驚きだが、それでも子爵令嬢らしい仕草をする時がある。働いている間はそれは潜められているが、クリストフの前では、子爵令嬢らしい姿勢をする。けれど、そこに演じる部分はなく、むしろ平民の前でこそ、その貴族らしい仕草を消していた。
器用な真似は貴族たちの好むところだが、ラシェルは嗜好が違う。
貴族らしい仕草でも、そこに演技はないのだ。
ラシェルは、王宮の女性たちとは一線を画す。
それは、手を伸ばそうとすると、その手から離れようとするからかもしれない。
自分が手を伸ばせば、彼女たちは遠慮するように見せかけて、食いつくように手を取るだろう。だが、ラシェルは違う。そんな真似はせず、常に自然ながら、一定の距離をあけようとした。
(僕のことを、僕が思う以上に想ってくれていないからだ)
それはわかる。クリストフが想うほど、ラシェルはクリストフのことを想っていない。けれど、そこがまた面白かった。ラシェルの心は、まだクリストフのものではなく、餌を与えればすぐに食いつくような、王宮の女性たちとは違うのだ。
だから、クリストフがラシェルを追いかけなければならない。ラシェルが望むことをして、ラシェルの心を得なければならない。
気づかれないように、髪に口付ける。
「あ、」
「できた?」
「ちょっと、失敗を」
「どれどれ。あら、綺麗にできているわ。頑張ったわね。私の髪の毛は、まとめるのがとても難しいの。うん。ちゃんとまとめられているから、平気よ」
「でも、ボサボサに見えてしまうよ」
「大丈夫よ。たまには良くない? むしろ私の髪の毛で、こんなにふんわりな編み方できるのね。今日はこの髪型で過ごすわ」
ラシェルは笑いながら、川に顔をうつしては、髪型を眺める。すぐにほつれてしまいそうな編み方でも、気に入ったと、髪に触れないようにしつつ、川で何度も確認した。
「ありがとう。アーロン」
名前を呼ばれるたびに、胃の中が重くなる気がする。どうしてアーロンの名前を使ったのか。どうして、そんなことを言ったのか。ずっと後悔していた。
ラシェルに名前を呼んでほしい。彼女の口から、自分の名前を、聞きたかった。
ずっとだ。
それなのに、ラシェルはもう、クリストフの名前を、呼ぶことはない。
公爵領から戻ってきたアーロンが、戻ってくるなり、そんな世迷言を口にした。
床に膝を突いて、顔を上げることなく、ラシェルの訃報を知らせてくる。
めまいがいしそうになって、足元がふらついた。
「クリストフ様!?」
真っ暗闇に入り込んだようだ。世界が暗がりに入り、視界が闇に覆われていく。
名前を呼んで駆け寄ったアーロンが、ぐっと肩を掴んだ。
「大丈夫ですか!?」
「……たいは。遺体はどこに?」
「神殿に運んでおります」
「案内しろ」
「その、とても見られるものでは」
「いいから案内しろ!!」
有り得ない。
何度も口にして、アーロンの跡を付いていく。
どうして、ラシェルの遺体があるのか。なぜ、そんなことになるのか。
彼女は特別だ。普通の女性とは違う。だから、遺体などは見つかるはずがない。
それなのに、
「どうぞ、こちらです」
アーロンが冷えた部屋の一室に促した。
鼻につく匂いが、吐き気を感じさせる。生臭いような、腐ったような。それから、汚泥のような匂いが混ざったような、なんとも言い難い匂いが、部屋の中を包んでいた。その奥。女神像の前に棺が置かれ、蓋が閉められていた。
「クリストフ様。水で膨れて、ひどい状態ですから」
「開けろ。いいから、開けろ!!」
アーロンがその蓋をずらせば、強烈な異臭が放たれた。吐き気どころか、目が回って頭痛でも起こしそうな匂いだ。
蓋がずれて棺の中があらわになる。しかし、そこにはふやけて、なんだかわからないものが、横たわっていた。
暗い茶色の髪なのか、乾いた海藻のようにいくつかの束が固まって白い粉をつけている。額は広く、ぶよぶよとした頭部は、ところどころ膿んだように、なにかが吹き出ていた。
瞳の色など、直視できない。鼻や唇はかろうじて形を残しているが、膨らんで、死んだ魚のようにむくんでいた。
「う、ぐっ」
吐きそうになって、部屋の外へ駆け出した。
「はっ、げほっ、ごほっ」
一体、何が横たわっていたのか。判別などできるはずがない。着ていた衣装の色がかろうじてわかるくらい。髪色は珍しい色ではないし、瞳を見れば、すぐにラシェルだとわかるだろう。
しかし、そのまぶたを開かせる勇気はなかった。触れるだけで、脆く崩れてしまいそうな皮膚。何かに食われていたか、蝕まれた跡もあった。
部屋から出たのに、髪や肌に異臭がこびりついているようだ。
手足がガタガタと震え出し、体が揺れた。血の気が引いたように寒気がして、背筋が凍ったようになる。
「どうして、ラシェル」
ポロポロと、涙が溢れて、廊下に水滴が落ちた。
嗚咽が込み上げて、ただそれを吐き出すしかなかった。
「ラシェル、髪に何かついているよ」
呼びかければ、淡い青紫色の瞳がこちらをとらえて、長いまつ毛がそれを遮る。一度瞬きすると、髪を見ようと瞳が上向きに移動する。そんなとぼけた表情をするのに、どこか愛らしい。
適当に頭の上を払って、ラシェルは髪についたものを取ろうとする。それがどこにあるのかわかっていないのに。
「そこじゃないよ。こちらに」
一つにまとめたラシェルの髪は癖がなく、まっすぐで、絡まることがなさそうなほど美しく艶がある。その結んだ部分に、どこで付けたのか、黄色の花びらが乗っていた。それを取ってやると、ラシェルは下弦の月のように、くったくなく笑った。
「今度、君の髪に似合う、髪留めを贈るよ」
「くれると言うなら、ありがたくいただくけれど、小さいものじゃないと落としてしまうわ。私の髪は、引っかかりにくいから」
「小さいと、落とした時に気付かないのではないのかい?」
「気付くわよ。髪留めが取れれば、すぐに髪の毛が、ほら、落ちてきてしまうから」
髪紐を取れば、ラシェルのチョコレート色の髪の毛が、するりと肩に下りる。触れれば、錦糸のように触り心地が良く、指の隙間からこぼれ落ちた。
「僕が結んでいいかい?」
「結べるの?」
「やってみたいんだ」
「いいわ。じゃあ、やってみて」
ラシェルは無防備に背中を見せた。首元から髪の毛に触れると、シャンプーの香りか、ラシェルに似合う柑橘系の匂いがした。
簡単な編み込みならできるだろうと、軽く触れただけで、心臓が早鐘を打ったようにどくどくいう。ラシェルは気付いていないが、首筋に触れると、指先が熱くなる気さえした。
どうして彼女にここまで惹かれるのか、よくわからない。王宮の女性たちとは違い、彼女は取り繕うという真似をしないからだろうか。
王宮の女性はいつでもクリストフの表情を気にしている。表情だけではなく、仕草や、話し方。歩む速さでもなんでも、クリストフの全てを見つめ、話の先を考えては、言葉を口にする。思い付きで話すような真似はしない。それは貴族として当然だとしても、厚い壁をわざわざ作り出し、偽物のなにかを演じてまで、話しかけてくる。
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けれど、ラシェルは違う。子爵令嬢ながら、平民と同じような真似をしているのは驚きだが、それでも子爵令嬢らしい仕草をする時がある。働いている間はそれは潜められているが、クリストフの前では、子爵令嬢らしい姿勢をする。けれど、そこに演じる部分はなく、むしろ平民の前でこそ、その貴族らしい仕草を消していた。
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それはわかる。クリストフが想うほど、ラシェルはクリストフのことを想っていない。けれど、そこがまた面白かった。ラシェルの心は、まだクリストフのものではなく、餌を与えればすぐに食いつくような、王宮の女性たちとは違うのだ。
だから、クリストフがラシェルを追いかけなければならない。ラシェルが望むことをして、ラシェルの心を得なければならない。
気づかれないように、髪に口付ける。
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「できた?」
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名前を呼ばれるたびに、胃の中が重くなる気がする。どうしてアーロンの名前を使ったのか。どうして、そんなことを言ったのか。ずっと後悔していた。
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ずっとだ。
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