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本編
36 贈り物の意味
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帝国の中心に近付くにつれ、大きな建物が目立つようになった。
大陸を一つに統一した力が垣間見えるようだ。
今の皇帝は高齢ではなかったはずだけど、アースノルト大陸のことは不要だと言われ、情報を得る機会はなかった。
だから、あまり知っている事は少ない。
ダイアナに連れて行かれた場所は、帝都で一番大きな聖堂がある場所だった。
教会が管理する建物が併設されていて、そこにはダイアナの居住区もあるそうで、同じ建物内に私の部屋も用意されることになった。
ダイアナの指示でみるみるうちに私の生活環境が整えられる。
陽当たりの良い部屋は何よりも使い勝手が良く、続き部屋を一人で使って良いと言われ、贅沢すぎて驚くばかりだ。
こちらでは何の役に立たない私を、どれほどの待遇で迎えてくれているのか。
「シャーロットさんの職能訓練の先生もすぐに決めますので、それまではごゆっくりお過ごし下さい。レオンに町を案内してもらうのもいいですね」
最後までニコニコしたまま、ダイアナは自分の仕事をこなしに行った。
残されたレオンを見ると、生活に必要な物をアレコレと部屋に揃えている。
「ここでは俺かレインが必ずシャーロットの声が届く所にいるから、安心して」
「それだと、レオン達の任務ができなくなりませんか?」
「俺の任務がシャーロットの護衛になった」
「護衛って、何から守るつもりですか」
苦笑しか出てこない。
その辺はダイアナの指示もあるようで、私が何を言ったところで覆るものではないようだ。
もう、この状況を素直に受け入れることにした。
最初はどうなるのか不安が大きかった帝都での暮らしは、勿体ないほどの厚遇もあって、楽しいことばかりだった。
今までが修道会の狭い範囲でしか過ごすことができなかったから、レオン達の案内のもと自由に町を歩けることも、何をしても、何を見ても初めてのことばかりで楽しいと言えた。
ダイアナも何がいいのか、ちょこちょこと私の所に来ては、内容のない会話をしてニコニコしながら戻って行く。
時々お茶の時間に呼ばれて、一緒に過ごすこともあるほどだ。
それから、ダイアナが手配してくれた仕立て屋の先生はとても優秀な方のようで、私にもわかりやすく、それでいて何でも教えてくれた。
刺繍を教えてもらいながら、数日かけて出来あがったものは、職人さんが作る物ほどの傑作ではなかったけど、先生に褒めてもらえるほどには、見栄えは悪くない物だった。
ハンカチを広げて、最後の確認をする。
最初に作ったそれは、レオンに渡そうと決めていた。
ほんの御礼のつもりで、他意はない。
これを受け取ってどんな顔をするのか、それを想像しかけた途端に急速に不安が広がった。
こんな拙い物を渡したって、レオンは喜ぶはずがない。
やっぱり、やめよう。
こんな物がお世話になってるお礼とか、むしろ失礼だ。
先生に今日のお礼を伝えて作業部屋を出ると、真っ直ぐに部屋に向かう。
聖堂の敷地内だから、レオン達が迎えに来る前に先に戻って、誰にも見られないように机の奥底にしまうつもりだった。
急ぎ足で回廊を歩いていた途中、隅で話している騎士達の声が思いがけず聞こえてきた。
「ディールの二人、ダイアナ様の客人の正式な護衛を任されたらしい」
「だが、レオンとダイアナ様は婚約内定していただろう?他の女性のそばに四六時中いて、余計な誤解が生じないか?」
「問題ないから任されたんだろ。誰なんだろうな、あの子」
それを聞いて、動揺している自分に戸惑った。
レオンもダイアナも、そんな素振りは全く見られなかったのに。
二人が婚約しているとは、思いもしなかった。
気が動転して、どこをどうやって歩いて帰ったのか分からない。
気付いた時には部屋の扉の前に立って、手の中のハンカチを見つめていた。
一人で舞い上がって、バカみたいだ。
やっぱりこれは、誰にも見せずにもう捨てるべきだ。
そう決めた瞬間、
「お、何だ?もーらいっ」
そんな声と共に、私の手の中から、するりとハンカチが消えた。
振り向くと、背後を塞ぐようにレインさんが立ってて、頭上でハンカチがヒラヒラと揺れている。
「返してください。それは、レオンに渡そうと」
それに手を伸ばそうと、ぴょんぴょん、飛び跳ねる。
「らしいぞ、レオン」
「えっ」
顔を向けると、レインさんの後ろにはレオンもいた。
レインさんは、私の手の中にハンカチを戻すと、よく分からない鼻歌を歌いながら、立ち去って行く。
「ごめん、レインが……俺が、受け取ってもいい?」
ほんの少しの気まずさがあり、今さら違うとも言えずにおずおずとハンカチを渡すと、レオンはじっとそれを見つめていた。
「あまり、見ないで下さい……失敗している部分もあるから、恥ずかしいです」
「そんな事はない。誰が見たって、素晴らしい出来だと言うはずだ。誰よりも、俺がそう思っているから」
レオンがそう言ってくれるのなら、その言葉通りに受け取ろうとは思うけど……
「帝都での、自分が刺繍したものを相手に贈る意味を知ってるか?」
「?」
先生も特に何も言わなかったから、何か意味があるとは知らなかった。
ロズワンドでも聞いたことがないし、帝都で特別な風習があるのなら無知と言っていい。
「あ、いや、今のは忘れて。ありがとう。大事にするよ」
レオンは私の顔を見ると嬉しそうに笑ってくれて、その話題はそこで終わりとなった。
私は他の、大切なことを聞かなければならなかった。
「迷惑ではないかと」
「どうして?」
「レオンが、ダイアナさんの婚約者だと……」
「ああそれは、候補として歳の近い俺の名前が挙がっていただけで、決めるのはダイアナ様だから。ここでは、聖女の意思が尊重される」
あっさりと否定したレオンに拍子抜けするけど、私の意思が何一つ聞かれないあの国との違いに、複雑な思いだ。
それはレオンも同じ事を思ったようだ。
「選ぶ選ばないって話なら、ダイアナ様は俺を結婚相手にはしない」
「そう言い切るのは、どうしてですか?」
「強いて言えば、ダイアナ様は他に心に決めた相手がいるから。シャーロットになら、話してくれるんじゃないかな」
誰と、不躾な質問をするつもりはなかったけど、暗にダイアナに尋ねるといいとレオンは言った。
そんな、人の私事に立ち入るような事を簡単に聞く事はできないと思っていたけど、意外な人からそれとなく知ることができるのは、翌日のことだった。
大陸を一つに統一した力が垣間見えるようだ。
今の皇帝は高齢ではなかったはずだけど、アースノルト大陸のことは不要だと言われ、情報を得る機会はなかった。
だから、あまり知っている事は少ない。
ダイアナに連れて行かれた場所は、帝都で一番大きな聖堂がある場所だった。
教会が管理する建物が併設されていて、そこにはダイアナの居住区もあるそうで、同じ建物内に私の部屋も用意されることになった。
ダイアナの指示でみるみるうちに私の生活環境が整えられる。
陽当たりの良い部屋は何よりも使い勝手が良く、続き部屋を一人で使って良いと言われ、贅沢すぎて驚くばかりだ。
こちらでは何の役に立たない私を、どれほどの待遇で迎えてくれているのか。
「シャーロットさんの職能訓練の先生もすぐに決めますので、それまではごゆっくりお過ごし下さい。レオンに町を案内してもらうのもいいですね」
最後までニコニコしたまま、ダイアナは自分の仕事をこなしに行った。
残されたレオンを見ると、生活に必要な物をアレコレと部屋に揃えている。
「ここでは俺かレインが必ずシャーロットの声が届く所にいるから、安心して」
「それだと、レオン達の任務ができなくなりませんか?」
「俺の任務がシャーロットの護衛になった」
「護衛って、何から守るつもりですか」
苦笑しか出てこない。
その辺はダイアナの指示もあるようで、私が何を言ったところで覆るものではないようだ。
もう、この状況を素直に受け入れることにした。
最初はどうなるのか不安が大きかった帝都での暮らしは、勿体ないほどの厚遇もあって、楽しいことばかりだった。
今までが修道会の狭い範囲でしか過ごすことができなかったから、レオン達の案内のもと自由に町を歩けることも、何をしても、何を見ても初めてのことばかりで楽しいと言えた。
ダイアナも何がいいのか、ちょこちょこと私の所に来ては、内容のない会話をしてニコニコしながら戻って行く。
時々お茶の時間に呼ばれて、一緒に過ごすこともあるほどだ。
それから、ダイアナが手配してくれた仕立て屋の先生はとても優秀な方のようで、私にもわかりやすく、それでいて何でも教えてくれた。
刺繍を教えてもらいながら、数日かけて出来あがったものは、職人さんが作る物ほどの傑作ではなかったけど、先生に褒めてもらえるほどには、見栄えは悪くない物だった。
ハンカチを広げて、最後の確認をする。
最初に作ったそれは、レオンに渡そうと決めていた。
ほんの御礼のつもりで、他意はない。
これを受け取ってどんな顔をするのか、それを想像しかけた途端に急速に不安が広がった。
こんな拙い物を渡したって、レオンは喜ぶはずがない。
やっぱり、やめよう。
こんな物がお世話になってるお礼とか、むしろ失礼だ。
先生に今日のお礼を伝えて作業部屋を出ると、真っ直ぐに部屋に向かう。
聖堂の敷地内だから、レオン達が迎えに来る前に先に戻って、誰にも見られないように机の奥底にしまうつもりだった。
急ぎ足で回廊を歩いていた途中、隅で話している騎士達の声が思いがけず聞こえてきた。
「ディールの二人、ダイアナ様の客人の正式な護衛を任されたらしい」
「だが、レオンとダイアナ様は婚約内定していただろう?他の女性のそばに四六時中いて、余計な誤解が生じないか?」
「問題ないから任されたんだろ。誰なんだろうな、あの子」
それを聞いて、動揺している自分に戸惑った。
レオンもダイアナも、そんな素振りは全く見られなかったのに。
二人が婚約しているとは、思いもしなかった。
気が動転して、どこをどうやって歩いて帰ったのか分からない。
気付いた時には部屋の扉の前に立って、手の中のハンカチを見つめていた。
一人で舞い上がって、バカみたいだ。
やっぱりこれは、誰にも見せずにもう捨てるべきだ。
そう決めた瞬間、
「お、何だ?もーらいっ」
そんな声と共に、私の手の中から、するりとハンカチが消えた。
振り向くと、背後を塞ぐようにレインさんが立ってて、頭上でハンカチがヒラヒラと揺れている。
「返してください。それは、レオンに渡そうと」
それに手を伸ばそうと、ぴょんぴょん、飛び跳ねる。
「らしいぞ、レオン」
「えっ」
顔を向けると、レインさんの後ろにはレオンもいた。
レインさんは、私の手の中にハンカチを戻すと、よく分からない鼻歌を歌いながら、立ち去って行く。
「ごめん、レインが……俺が、受け取ってもいい?」
ほんの少しの気まずさがあり、今さら違うとも言えずにおずおずとハンカチを渡すと、レオンはじっとそれを見つめていた。
「あまり、見ないで下さい……失敗している部分もあるから、恥ずかしいです」
「そんな事はない。誰が見たって、素晴らしい出来だと言うはずだ。誰よりも、俺がそう思っているから」
レオンがそう言ってくれるのなら、その言葉通りに受け取ろうとは思うけど……
「帝都での、自分が刺繍したものを相手に贈る意味を知ってるか?」
「?」
先生も特に何も言わなかったから、何か意味があるとは知らなかった。
ロズワンドでも聞いたことがないし、帝都で特別な風習があるのなら無知と言っていい。
「あ、いや、今のは忘れて。ありがとう。大事にするよ」
レオンは私の顔を見ると嬉しそうに笑ってくれて、その話題はそこで終わりとなった。
私は他の、大切なことを聞かなければならなかった。
「迷惑ではないかと」
「どうして?」
「レオンが、ダイアナさんの婚約者だと……」
「ああそれは、候補として歳の近い俺の名前が挙がっていただけで、決めるのはダイアナ様だから。ここでは、聖女の意思が尊重される」
あっさりと否定したレオンに拍子抜けするけど、私の意思が何一つ聞かれないあの国との違いに、複雑な思いだ。
それはレオンも同じ事を思ったようだ。
「選ぶ選ばないって話なら、ダイアナ様は俺を結婚相手にはしない」
「そう言い切るのは、どうしてですか?」
「強いて言えば、ダイアナ様は他に心に決めた相手がいるから。シャーロットになら、話してくれるんじゃないかな」
誰と、不躾な質問をするつもりはなかったけど、暗にダイアナに尋ねるといいとレオンは言った。
そんな、人の私事に立ち入るような事を簡単に聞く事はできないと思っていたけど、意外な人からそれとなく知ることができるのは、翌日のことだった。
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