貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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皇都

ご挨拶

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ガルに連れられて、温室の出入り口ではなく、扉から元の部屋に戻った。


抱っこされていたけれど、扉の前で降ろしてもらった。スノウは、インベントリーの部屋にいる。ガルが扉を開いて、中に入るのだが・・・・。ガルの後ろからそぉーと中を伺う。みんながこちらを見ていて、思わず、サッとガルの後ろに隠れてしまった。

みんなに心配と迷惑をかけていたのがわかって、気まずい。ガルもそれが分かっているから、中には入らず扉を開けたまま、待ってくれている。

「シャナ?入れるか?」

後ろを振り向いて聞いてくる。

「うん・・・・」

「よし!じゃ、入ろう」

コクン。 

スカートを握りしめて俯いたまま、おずおずと中に入った。そして、・・・・。

「ごめんなさい・・・・」

俯いたまま、りーぱぱとざらぱぱに謝った。ふたりは一瞬固まったが、下を向いているわたしは気づかなかった。ざらぱぱがぽんぽんと頭を撫でてくれる。

「なんで逃げ出したんだ?」

その問いに、コテンと首を傾げた。
なんでだろう?

後ろで、「「「グフゥ・・」」」と変な音が聴こえる。

「わかんない。なんかね、独りがよかったの」

「独りで何してたんだ?」

「独りだったけどね、スノウが産まれたんだよ」

「スノウ?」

「あっ、拾った卵。孵ったんだ!スノウって名前をつけたんだよ」

「シャナ、名前を付けたと言いましたが、それは、・・・・。いえ、帰ってからにしましょう。反省しているようですし、卵のことに気づけなかった私たちの責任でもあります。ですが、これからは、黙って居なくならないでください」

りーぱぱは、少し困惑気味に話しに入ってきたが、スノウのことはここでは話さないほうがいいようだ。

「うん。気をつける・・・・」

りーぱぱは、満足そうに頷いた。


「うおほん」

咳払いがした方へ顔を向けたが、そこには皇族とおぼしき人たちがいた。わ、忘れてた・・・・。

「あー、シャナ、紹介する。俺の母、システィーナ。この国の皇妃だ。で、父のアルフレッドと弟のランスロットだ。皇帝陛下と皇太子だな」

「初めして、皇帝陛下、皇妃様、皇太子様。シャナと申します。本日は、わたくしの行動のせいでご迷惑をお掛けし「そんな堅苦しい挨拶は不要よ」」

「あっ、はい」

「わたくしは、ガルドラムの母、システィーナ。よろしくね、シャナちゃん。ところで、シャナが本当の名前なのかしら?」

「えっと・・・・」

チラッとりーぱぱを見ると頷いている。

「シャナーリエが本当の名前です。街では、シャナと名乗っています」

皇妃様は、満足げに頷き、「わたくしのことは、ママと呼んでちょうだい」とにこやかにおっしゃった。

「「「「えっ!」」」」

「何か言うことがありまして?あなた、ランスロット」

皇妃様は陛下と皇太子をみて、優雅に微笑んだ。
当のふたりは、それは懸命に首を横に振って否定する。力関係がよくわかる。困った私は、ガルを見るが横を向いてあからさまに関わりを拒否され、りーぱぱ、ざらぱぱも目を合わせてくれない・・・・。

裏切り者め!

「あの、お義母様と「ママと」」

「・・・・。では、皇妃ママとお呼びしてもいいでしょうか」

「えぇ、いいでしょう。皇妃ママ。これからは、ここにも遊びにいらしてね。楽しみにしていますわ」

一同がほっと息をついたのがわかった。
なんとか、及第点だったようだ。

「私はガルドラムの父、アルフレッド。パパと呼んでくれてよいぞ」

「ぱぱは、たくさんおりますので、陛下・・と呼ばせていただきますね」

にっこりと笑って、拒否を示すと、あからさまにがっかりした顔になった。でも、負けない!ここで負けると、また恥ずかしいことになる!

「私はランスロット。ランスとでも呼んでくれ」

「いえ、皇太子様とお呼び致します」

ここでもにっこり笑顔だ。

「・・・・」

皇太子様が何か言いおうとしたところを皇妃ママによって、遮られた。

「さっ、皆さま、お座りになって」

今回はソファに座ろうとしたが、サッと抱き上げられてあっという間に膝の上だ。ガルではない。なんと、皇妃様の膝の上・・・だ。

「えっ!」

顔をあげて見上げると、そこには、にっこりと微笑んだ皇妃様が・・・・。正面には、なんとも言い難い顔のガル。

わかりました、ここにいればいいんですね。
長いものには巻かれますよ。

「リーランスもアルトザラムも久し振りですわね」

「大変ご無沙汰致しております、皇妃様」

「お気にかけていただき、・・・・」

皇妃様、背中ポンポンは止めて。眠くなってきちゃう。

うぅ~Zzzzzzz・・・・。





結局、寝てしまった。
起きたときには、ガルの膝の上だった。そして、新しく知らない人がいる。

「ん?起きたか?」

「おはにょー・・ごじゃます、ムニャムニャ」

皇妃さまと初めましてのお姉さまがふたり、口許に手をあてて、こちらをじっと見てくる。なんだろう?と首をコテンと傾げると・・・・。

「「「か、かわいい!!!」」」

「お義母様、あの赤いお洋服なんかよく似合うと思いますわ!!!」

皇太子様の隣のお姉さまが皇妃様に向かって食いつきぎみに捲し立てた。

「そうね!わたくしもそう思うわ!」

「あら、楽しそうなお話ね!わたくしも混ぜてくださいな」

「「ええ、勿論ですわ!」」

なんか、よく分からない話で盛り上がっている。

「シャナ、紹介しておくな。あちらが、エルフの国の国王オスカルロ様。隣が奥方のエカテリーナ様。リールの兄上と義姉上だ。母上の隣に居るのが、ランスロットの番、ニルヴァーナ嬢だ」

な、名前がいっぱいで覚えられるかな?

「お初にお目にかかります、可愛らしいお嬢さん。私は、エルフの国王オスカルロ。弟と仲良くしてくれてありがとう」

オスカルロ様はにっこりと優しい笑みを浮かべて自己紹介してくださった。うん、りーぱぱによく似てる。ものすっごく、美しい。見惚れてしまう。

ガルが膝から下ろしてくれたので、挨拶する。

「シャナーリエです。りーぱぱには、たくさんお世話になってます」

「・・・・、りーぱぱ、・・・・」

オスカルロ様が、びっくり顔でポツリと溢すと、みんな一斉にこっちを見た。

えっ、なんかダメなところあった?
ちょっと不安になって、ガルを見上げたが、頭をぽんぽんされただけだった。りーぱぱ、ざらぱぱを見ても、何食わぬ顔をしている。

「シャナちゃん、ガルドラムやアルトザラムのことは何と呼んでいるのかしら?」

皇妃様がにっこりと微笑んで尋ねてきた。
ふたりを交互に見たあと、それぞれを見て、

「ガル」

「ざらぱぱ」

「ずるいぞ!!!なぜ、お前たちがパパと呼ばれて、私は、陛下なのだ!」

ちょっと困った顔でりーぱぱとざらぱぱを見ると、勝ち誇ったような顔をしている。皇妃様もちょっとだけ、いやかなり嬉しそうな顔だ。

そんなところで張り合わないで。
面倒臭いなぁ・・・・。

「リーランス、子供が欲しいなら、結婚すればいいだろう?」

オスカルロ様が、どこかで聞いたようなことを言う。

「子供が欲しいわけではありません。まして、妻など煩わしいだけ。私は、シャナの・・・ぱぱが良かったのですよ」

「そうだな。他の子供に呼ばれても嬉しくないが、シャナにぱぱと呼ばれるのは、嬉しいな」

それを聞いて、頬がニヨニヨと緩んでしまう。

「フフフ、随分と気に入っているようね」

「お初にお目にかかります。わたくしはランスロット様の番、ニルヴァーナ。ニル姉様と呼んでくださいな」

「初めまして、ニル姉様。シャナーリエです」

「初めまして、シャナちゃん。わたくしは、エルフの国の王妃、エカテリーナ。リーランス様の娘ならわたくしは、伯母かしら?でも、リーナ姉様と呼んでね」

「初めまして、リーナ姉様。シャナーリエです」

「さあ、皆さま。シャナちゃんも目を覚ましたことですし、お食事にいたしましょう」

皇妃様の鶴の一声で、全員が食堂へと移動し、和やかな?晩餐となったのだった。
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