貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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皇都

出発

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たくさんのわたしの両親を名乗る人たちがいたが、もう、これ以上はないだろうということで、やっと家に帰った。そして、りーぱぱから今日のことを説明された。

うん、そういうのは予め教えてほしい。
突然、両親登場とか怖いよ!
そう言うと、謝られた。次からは、ちゃんと教えてくれることも約束した。

そして、レイモンドという人について。
隷属の魔法やおかしな魔法を掛けられた人は、最初の男女だけだった。

「レイモンド、という名前だけでは決定打に欠けますが、皇都の神官長が、同じ名前です。シャナがガルドの番と知って、手に入れようとした可能性は大きいですね」

厳しい表情で、りーぱぱが教えてくれた。

「隷属の魔法って呪いのひとつで、禁術だよね?神官が呪いを掛けるの?解く側じゃないの?」

「本来は、そうですね。光魔法の中でも浄化と解呪の出来る者が神殿に入りますから」

「じゃあさ、なんでレイモンドは神官長になれるの?」

偉い人なんだから、審査とかないのかな?あー、でも・・・・。

「「「!!!!」」」

3人が驚きに目を見開いていた。

「では、やはり主は神官長ではないということか?」

「そうなりますね。誓約がありますから」

「ああ」

どういうこと?

「神官になるには、女神に誓約を立てなければなりません。それによって、光魔法が強化され、闇魔法の一部や光魔法を邪魔する魔法は制約をうけます。もちろん、精神操作の魔法や禁術も含まれます」

「そうなんだ。じゃあさ、その誓約を解除したりは出来ないの?」

「解除ですか?出来ないわけではありませんよ。ただし、女神様よりも強い魔力が必要に・・・・。シャナのような例外が居るのですから、居ないとは言い切れませんね・・・・」

「これは、ヤバいな」

「不味いですね。誓約が解除されていることも視野にいれた方が良さそうです」

「丸腰では行けんぞ」

?????

「後見人の審査には、神殿長と神官長も立ち会います」

!!!それは、不味いんじゃない!

「疑いがある以上、対策は立てた方がいいでしょう。時間がありませんね。シャナ、手伝っていただけますか?」

「うん!」





あっという間に日は過ぎて、皇都へと出発する日になった。

タルから皇都の街壁まで・・・・は半日もあれば着くそうだが、近くに入り口はない。マレビの森があるために、森を迂回するように街道が作られているため、門まで4日はかかる。森を突っ切れば、2日で着くのだが・・・・。


今回は、街道を行く。
危険地帯に子供を連れて突っ切るのは、印象としては、最悪だからね。


何事もなく、2日後の夕方には門に着いた。
そう2日後だ。
身体能力が凄いというか・・・・。
交代でわたしを抱いて、休憩以外はずっと走り通し。それで、息も切らしてないなんて、ほんと、驚異的だ。


門から続く列の一番後ろへ並ぶと、降ろしてくれた。

「シャナ、検門までここからなら2時間ほどかかります。この辺りは、そんなに危険ではありませんから、遠くに行かなければ、採集してもいいですよ」

流石にりーぱぱは、分かっている!
移動中もちょこちょこと採集したいものが目に入ったが、出来なかったのだ。

「ありがと、りーぱぱ♪」

やったー!とばかりに、横に広がる草原に突っ込もうとして、ガルに阻まれた。ムッとして、振り向くと、呆れ顔で言われてしまった。

「ないと、迷子になるだろ」

ため息をついて、腰に迷子紐を付けられた。周りに並んでいる大人たちから微笑ましそうに見られている。

今度こそ、草原へと駆けていく。


「何であんなに、採集が好きなんだ?」

「さあ?こちらは助かりますよ」

「ああしてると、子供だな」

なんとなく、シャナを見守る。
少しずつ奥へ奥へ、遠くへと移動している。

小さいから、座り込むとどこにいるのかわからない。時折、草がガサガサと揺れるので、いる場所がわかるくらいだ。




そろそろ呼び戻そうと思った矢先、珍しくシャナの方から戻ってきた。少し遠くからシャナの声がした。

「ねぇ、こんなの落ちてた~」

ガサガサともどってきたシャナの腕には、シャナが抱えるくらいの大きさの卵が・・・・。

「落ちてたのではなくて、巣に置いてあったのではないですか?母鳥が探しますから、戻してらっしゃい」

「違うよ。巣なんて無かった。草の間にうもれてたの」

「「「・・・・」」」

俺たちは、どうしたもんかと顔を見合わせた。普通の子供なら、無理にでも返してこさせるのだが、シャナははっきりと普通じゃないと言える。巣から取ってきたとは考えられない。

「鑑定!」

リールが卵の状態を確認している。

こそっとシャナが教えてくれた。

「これね、フェニックスの卵だよ」

俺とザラムは、ぎょっとしてリールを見たが、そのリールは首を横に振った。

「種族のところが、隠蔽されてますね」

シャナにだけ見えるということか?

「・・・・、シャナ、この卵、どうしたいですか」

「育てるよ、もちろん♪」

やっぱりかぁ。

「フム、そうですね。では、暖めるために、ガルドのお腹に入れますか」

「はあ!?」

「冗談ですよ。そんなに嫌がらなくても。シャナのマントの中に入れて、ガルドと一緒に暖めましょうか」

りーぱぱは、にっこりとそう提案してきた。

うーん、・・・・、少し考えてガルを見る。眉を下げて、仕方ないなぁ、という顔だ。そして、卵を抱えたワタシを抱えるガルが出来上がった。


それから、すぐに検門だった。卵のことはなにも言われず、冒険者カードを提示したらすぐに通された。門番さんが、ざらぱぱを見て、ギョッとして何か言いかけたが、何も言えず、最敬礼で見送っていた。

そうだよね、突然、副団長さんが現れたらビックリするよね。お城に伝令とか走っただろうなぁ。


さて、どこに行くのかと思ったら、宿だった。皇都へ着たときの常宿だそうだ。それはそれは立派な宿だ。一応、体面なんかもあるらしい。安全面も安宿とは比べるべくもない。その日は、もう遅いこともあり、宿でゆっくりと過ごすことにした。

例の両親を名乗る人たちのこともあり、わたしの安全面を考慮して、皇都では、全員で1部屋になった。いや、ワンフロアーに1室しかない。ちゃんとそれぞれに個室があり、リビングダイニング付きだ。ミニキッチンまである。スイートルームってやつだね。

りーぱぱが部屋に不審なものがないか隅々までチェックし、安全を確認したのち結界を張った。これで余程の事がない限り、誰も侵入できない。食事もつけていないため、掃除を頼まなければ、わたしたちの滞在中は宿のスタッフもここには入らない。もちろん、頼むつもりはない。

何事もないといいな。
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