貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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皇都

知識の価値

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そんなことをしているうちに、りーぱぱが部屋から出てきた。顔色も良くなっていてホッとした。

「りーぱぱ!もう、いいの?」

「ああ、シャナ。心配をかけてしまいましたね。しっかりと休息できたので、もう、大丈夫ですよ」

にっこりと笑ってくれた。

良かった。

「昼食は陛下たちと摂ることになっていますから、少し話をしてから向かいましょうか。ん?どうかしましたか?」

「いや、・・・・。シャナがまたやらかした」

やらかしたって、酷いなぁ。まあ、そうなんだけど・・・・。

「はぁ、今度は何をしたんですか?」

「これ」

ガルは、りーぱぱに例のマジックバックを手渡した。


「鑑定!」

その結果を見たりーぱぱは、というと・・・・。

「このくらい、たいしたことありませんよ。今更です。ザラムが使う分には、私が創ったことにすれば問題ないでしょう。ガルドも使いたければ、創ってもらうといい。私にもお願いしますね。要領は特大で」

「「「えっ!!!」」」

りーぱぱ、どうしちゃったの?
これくらいなら、やらかしに入らないって思っていいの?

「リール、どうしたんだ?今朝もおかしかったが、ネジが外れたか?」

ゴキン!

りーぱぱは、ガルの頭を思いっきり躊躇なく、グーでぶん殴った。

「!テーッ!」

「何を失礼なことを言っているんですか?シャナがやらかすのは、今更でしょう。他人にバレなければ、問題ありません。全て、私たちの誰かがやったことにするんですから。それよりも、大切な話・・・・がありますから、座ってください」

りーぱぱの雰囲気が真剣なものへと変わり、わたしたちは、息を呑んだ。

「あ、ああ」

りーぱぱは、お茶を淹れたあと、おもむろに切り出した。

「シャナ、昨日、不思議な夢を見ませんでしたか?」

「え、何で知ってるの?」

「見たんですね?」

「・・・・うん。真っ白な空間にいて、声が聞こえないのに聞こえる気がして、情報だけ頭の中に流れ込んでくるの」

「どんな情報でしたか?」

「えっとね、複合スキルの魔法と特許の使用許可ください」

「「は?」」

だよね。ガルとざらぱぱの反応が正しいと思う。わたしも、は?、て思ったもん。

「許可したのですね?」

「うん。夢だからいいかなって」

「そうですか・・・・」

「「「?」」」

「どういうことだ、リール?」

りーぱぱは、私たちを見回すと慎重に話し始めた。

「私のところにも昨日の夜、女神様が来ました。シャナが許可したそのふたつについてと・・・・、シャナの識っていることについて、です」

ガルとざらぱぱは、よく分からない???という顔をしている。

わたしの識っていること・・・・
前にいたところでの知識と情報。
これって、危ないものもあるんだよね。

「わたしのところには女神様、来なかったよ?」

「女神様がおっしゃるには、あなたの身体と魂はまだ、完全には繋がっておらず、不安定なんだそうです。今、魂だけが女神様の魔力に触れると弾き飛ばされる恐れがあるそうですよ。意味が解りますか?」

「うん、解る」

「どういうことだ?説明してくれ!」

「ああ、全く理解できない」

ガルとざらぱぱが、りーぱぱに詰め寄る。

「私にも意味が解りません。シャナは説明できますか?」

「ちょっと考えさせて。説明は、難しいんだよね」

「分かりました・・・・。それについては、このあと伺いますから、考えておいてください。時間がありませんから、私と女神様の話し合いのことを伝えます。まず、複合スキルの魔法と特許については、報酬のことです。シャナのインベントリーに入っていますから、確認してください」

りーぱぱは、さあ、見ろ!と促してくる。
インベントリーを確認したわたしは、・・・・。

「えっ!・・・・えっ!・・・・ええ~!」

何度もその数字を見直してしまった。
だって、白金貨1000枚。あり得ないでしょう?顔色がサーッと青くなったのが自分でも分かった。

「りーぱぱ、これ、冗談でしょう?白金貨1000枚とか・・・・」

ガルとざらぱぱは、ぎょっと目を見開いていた。わたしもなんの冗談かと思うもん。

「いいえ。それでも零をひとつ減らしてもらったんですよ。今までにない画期的なもので、ずっと停滞していたところに新しい可能性ができたんです。女神様も張り切ってらっしゃいましたよ」

笑顔で告げるりーぱぱだが、疲れが見えるのは気のせいではないと思う。

ガルとざらぱぱは、もう、何というか、どうしていいか分からずに、遠い眼をしてこちらを見てくれない。

「正当な報酬ですから、貰っておきなさい。断れば、もっと厄介な報酬になりますから」

コクン。

きっと、厄介な報酬を提示されたんだろうと推測される。頷くしかない。

「シャナの識っていること、ですが・・・・」

一旦、言葉を切り、ガルとざらぱぱに目配せをした。ふたりは、意識をこちらに戻して、りーぱぱの言葉を待つ。

「ここでは、そのほぼ全てが貴重な財産になります。・・・・例えば、人体図。描けますね?」

コクン。

「女神様がおっしゃるには、あなたは、わたしたちのからだの構造を識っていると。それは、前に私も聞きました。あなたのいたところとここでは、多少の違いはあっても、からだの構造を識るあたなは、正確にそれを視ることが出来るそうです。何と言っていましたか・・・・。ス、スケ・・・・」

「スキャン」

「!・・・・そうです。スキャンとおっしゃっていましたね。女神様のおっしゃった意味が解りますか?これも私には、さっぱりでしたが・・・・」

「解るよ・・・・」

しかし、りーぱぱの記憶力は凄い!理解できないのになんでこんなに正確に覚えてるんだろう?

「これは、あくまでも一例です。他にも経済の仕組み、政治のこと、薬草のこと、・・・・それに兵器についても識っていると」

「うん、識ってる。ここなら魔法があるから、わたしの識ってることと合わせれば、7日くらいで世界を滅ぼせる兵器も創れるよ・・・・。創らないけど」

これには、流石のりーぱぱも目を剥いていた。ざらぱぱは、何か言いたそうに、でも何を言っていいか分からないのだろう。複雑な顔をしている。ガルに至っては、机に伏してしまった。

だって、核兵器を応用すれば簡単なんだよ。

「だから、シャナには、全てに耐性があり、解呪できるそうです」

わたしがチートな理由は、自分のことは自分で!だからかぁ。納得!

「ならさ、不要な知識は消してくれればよかったのに。自分のことは全部忘れてるんだから、出来たはず」

3人は、憐れみの籠った目でわたしを見ていたが、俯いていた為に、それには気づかなかった。

「それで、身体と魂が繋がっていないとはどういうことですか?」

「うんと、わたしたちは、身体っていう器に魂が入って生きてるの。普通、魂は母体に子供が出来たらすぐに宿るのね。だから、母体にいて身体を形成する間に身体と魂が深く繋がりあって産まれてくるの。だけど、わたしの場合は、たぶんね、この身体は、母体から産まれたのと違うんだと思うの。だから、まだ魂と身体の繋がりが薄くて、ちょっとした干渉で身体から魂が離れるってことだと思う」

「離れるとどうなるのですか?」

「えっと、死んじゃうってことかな?」

3人とも目を見開いてフリーズしたまま動かない。

どうしよう?

「女神様くらい力のある存在なんていないから、心配ないと思うよ。女神様も魂の状態のわたしに会いには来ないし、たぶん」

「そ、そうですね」

やっとほっとしたみたいだ。

よかったよかった。
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