貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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皇都

審査、始まる

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りーぱぱと女神様の話し合いの結果を共有し、わたしたちは連れだって、皇城へと向かった。

何で朝、あんなに疲れていたのかりーぱぱに聞いたところ、本来、女神様の信託というのは、神殿の神官が受けとるものであり、一方通行。今回のように会話をする接触はとてもとても疲れるし、魔力の消耗が激しいらしい。

わたしが受け取ったように、情報が脳の中にインプットされるものは、負担がないんだって。

今回は、女神様との話し合いだったから、りーぱぱくらいの魔力量がないと魔力枯渇で回復まで何日も寝込んでしまうそうだ。最悪、永眠みたいな。

なにそれ、怖い!

ともあれ、皇城に着き、昼餐の部屋へと案内された。



昼餐は、昨日の晩餐とは違う部屋だった。時間に合わせて、一番美味しく見える部屋で食べるそうだ。

面倒くさいね。

皇宮だけあって、供される料理の見た目は素晴らしくいい。でもね、味は・・・・。流石に下町の大衆食堂とは比べ物にならないけど、なんか、物足りないんだよ。ひと味足りないというか・・・・。まあ、岩のようなパンや噛みきれない肉が出ないだけ有り難いけど。

昨日も帰宅した後、ガルたちは、旅の間の保存庫がわりのマジックバッグから好きなものを取り出して、2度見する程、食べていた。



そして、昨日に引き続き、龍人の国の皇帝と皇妃、皇太子と皇太子妃、エルフの国の国王と王妃という高貴な方々との昼餐を終始和やかなまま終え、わたしたち4人は会議室へと騎士たちにより、誘われた。

いよいよ、審査が始まる。





会議室は、上座に相対するように椅子が4つ。正面には皇族・王族が座るんだろうなぁという、豪華な椅子が2つ、一段高いところの中央にある。その斜め横に同じく豪華な椅子が2つ。こちらも一段高い。側面には、それぞれ2つの椅子。そして、4つ並んだ椅子の斜め後ろの左側に椅子が2つと反対の右側に3つ・・・・。


会議室に入ったわたしたちは、下座にある4つ並んだ椅子に座った。まあ、わたしは、ガルの膝の上だけどね。


程なくして、らいじいともう3人入ってきた。念話でりーぱぱにこっそり2人のことを聞いてみたところ、らいじいの横にいるのが商業ギルドの総帥。正面が神殿長でその隣が神官長とのことだった。意外なことに、神官長はまだ、30代前半くらいの若い人だった。最後にりーぱぱは、(鑑定すればいいのでは?)と尤もなことを教えてくれた。

そうだった!魔法があるんだった!
人には滅多にしないし、個人情報とか考えちゃって。なかなか使い馴れないんだよね。

早速、ガルに隠れるようにこっそりと神官長を鑑定!してみた。が、弾かれたような感覚がして、鑑定できない。

えっ!弾かれた?

ガルに隠れていて正解だった。今のわたしは、目を見開いて、ビックリ顔をしている自覚がある。その隣の神殿長を鑑定してみたが、こちらは弾かれることなく鑑定できた。見つからないようにこっそりと、でもじっとそちらを見続けていると、神官長の周りに黒い靄がかかっているのが視える。そして、その靄は、触手のようにその場にいる人たちへと伸びて包み込もうとしていた。

なんか、あの靄、嫌な感じがする。
何とか祓えないかな?
物語だと聖魔法なんかが有効なんだよね。
所謂、神聖結界。
あったよねー。
聖女とかが良く使ってるやつ。
実は、聖魔法も使えるようになったんだ。

んー、とりあえずやってみるか。

(神聖結界!)


ここにいる人、みんなに掛けた。結果は、・・・・・・・・、うまくいったようだ。みんなの周りから黒い靄が消えて、触手のようだった靄は、結界に触れると消えていく。でもまだ、元凶の神官長からは、黒い靄は消えていない。りーぱぱは、ハッとしたように、わたしを見た。何が起こった?という顔だ。

(りーぱぱ、神官長からね、黒い靄が出てて、みんなに触手のように伸びて包み込もうとしてたの)

(黒い靄・・・・。私には見えませんが・・・・)

(俺にも見えねぇな)

(ああ、俺にも見えない)

(わたしにも初めは見えなかったよ。でもね、神官長を鑑定したらね、鑑定が弾かれたからおかしいなって、良く視たら見えたの。なんか、嫌な感じがするから、神聖結界をみんなに掛けてみたの。そしたら、みんなの周りの黒い靄が消えて、神官長のは消えてないの)

(((神聖結界?)))

(なんですか、それは?)

(えっと。聖魔法なんだけど、普通の結界じゃなくて、えっと、良くないものを消しちゃう浄化付きみたいな?)

(((・・・・)))

そこまで話したところで、タルで両親を名乗った男女とその仲間たち(?)3人が入ってきた。

「ああ、シャナちゃん、会いたかったわ」

女の人はガルの膝の上にいる私に手を伸ばしてくる。それが怖くてぎゅっとガルにしがみつきながら、思わず言ってしまった。

「触らないで!」

女の人は、一瞬、ほんの一瞬だけ、わたしを睨み付けたが、すぐに悲しそうな表情になり手で顔を覆ってしまった。

「妻が、失礼しました。しかし、シャナ、お母さんに向かってそれはひどくないかい?」

は?何言ってるの。

もう、両親だと認定されたような口振りに、わたしは顔を歪めた。腹が立つから話しかけないでほしい。もし、親がいるとしても、こんな奴ら嫌だ!そう思いながら、ガルの胸に顔を埋めた。

「もう、家に帰りたいよ、ガル」

意図せず、涙声になってしまった。ガルは優しく頭を撫でてくれる。

「おい、シャナが嫌がっている。さっさと自分達の席に行ってくれ。これ以上、シャナを怯えさせるな!」

ガルが少しだけ威圧したのが分かった。それにビビったのか、ふたりはすごすごと2つ並んだ席へと移動したようだ。仲間とおぼしき3人は、反対の席にいる。その人たち黒い靄が包もうとしているが、あの両親を名乗る2人には伸びていない。そのことをりーぱぱたちに念話で伝えていると、皇帝陛下と皇妃ならびにエルフの国の国王と王妃の入室が告げられた。

さあ、後見人審査の始まりだ。
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