貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

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女神様がやってきた

わたしに振らないでください

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女神様の発言にその場の全員がわたしを凝視してくる。もともと、龍人の国とエルフの国以外の国の人たちは、なんでこの場にこんな子供が?と疑問を持っていたから尚更だね。しかも頭の上にはスノウを乗せてるし。

「女神様、それは、シャナの過去を明かしてくれるということですか?」

黒い笑顔でりーぱぱが尋ねている。
怒ってるね。

女神様は、りーぱぱをじっと見据えたあと魔力を乗せた声でこう告げた。

《今後、この場に居る者は、如何なる理由があっても、後見人、ガルドラム、リーランス、アルトザラムの3人の同意無くして、シャナーリエに近づくことを禁ずる。他者に依頼することも出来ない。禁を犯した者は、天罰を受けるものと心得よ。また、明かされたシャナーリエに関することは、この場に居る者以外との情報の共有は出来ないものとする》

「これでいいかしら?」

りーぱぱは、満足そうに頷いた。

「りーぱぱ、ありがとう♪」

あの会話からどうしてそうなったのかは分からないけど、りーぱぱがわたしを心配してくれたのには変わりない。いい後見人を持ったなぁ。

「リーランス、どういうことだ?」

黒い笑顔のエルフの国王から、まだ隠し事があるのか!説明しろ!と圧力がきた。

うん、兄弟だね。黒さが同じだよ。

「昨日、ここに居なかった方のためにこれまでの経緯からお伝えします」

りーぱぱは、わたしが保護されたところから淡々と事実だけを述べていった。漸く、女神様の言わんとしていることの背景がわかり、各国の首脳陣は驚きと不安の色を隠せずにいる。

ここでもりーぱぱは、わたしの特殊性については一切触れなかった。何処まで明かすかは、女神様の采配に任せたんだと思う。

「それで、その黒い靄や禍々しいものに気づいたのは、誰なのだ?シャナーリエで間違いないのか」

なかなかそこに触れないりーぱぱにイラッとしたのか、皇帝陛下が誤魔化すなと言わんばかりにりーぱぱをねめつけている。

りーぱぱは、無言で女神様に視線を送った。それを受けて、女神様が私の過去を含めて語ったことは、衝撃的だった。

「シャナは、もともと、ガルドラムの番として180年前に生を受けていたのです。しかし、産まれる直前、何者かによって母体と共に葬られました。一緒にいた母体の伴侶もそのときに亡くなっています」

「シャナの元々の両親は誰なのです?」

「当時のエルフの国の宰相と言えば分かりますか?」

「!!そんな・・・・。叔父上たちが・・・・」

それを聞いたエルフの国の人たちは、悔しそうに身体を震わせている。

「続けます。その者らは、輪廻の輪に戻ってきたために、当時は破壊神との関わりが見えませんでした。ですが、破壊神は、ガルドラムの身体を狙っていたのだと思います。番のいない竜人ほど厄介な者はいません。あなたの身体ならば、この世界の破壊は簡単でしょう?」

「・・・・」

女神様の視線を受けたガルは、何も言わず拳を握りしめている。そっとその手をなでなでして、ぎうっとしがみついた。

「ガルのせいじゃないもん」

「ええ。あなたのせいではありません」

女神様は視線を元に戻すと話を続ける。

「シャナの両親だった魂は、揃ってここではない地へと転生しました。シャナの魂は、この地に再び転生するはずでしたが、両親の魂を追って、その母体に飛び込んでしまい、連れ戻せなくなったのです」

えっと、それってわたしのせいじゃない? 

「新たな身体は融合したふたつの魂を宿しました。わたしたちは、シャナの魂が新しい身体から離れるのを待ちました。そして、彼の地で40年が経ち、やっとこの地へ戻すことができたのです。ですが、今から生まれ直していたのでは、ガルドラムの200歳には間に合わない。仕方なく、この地の40歳の身体を創り与えたのです」

「この地の40歳ということは、シャナの産まれた地の40歳とは異なるということですか?」

りーぱぱが今までの疑問を問う。

「彼の地は、こことは時間の流れが異なります。こちらの1年はあちらの5年くらいです」

「シャナの身体はこの地の者より弱いということはありませんか?」

「何故です?この地の身体を基準にかの地でシャナであった者と産まれるはずだった赤子の特徴を参考にしました」

「いえ、シャナはこの地の食べ物が噛みきれないものですから・・・・」

「それは・・・・。かの地の影響を受けているのでしょう。身体の潜在能力は高いはずです。まだ暫くはかの地の影響を濃く残しているため、時間をかけて鍛えるしかありません。それがなくとも、この地の食事には満足できなかったと思いますよ?それもあって、今回、特許を取り入れたのです。頑張って広めてくださいね?私へのお供えも待っていますよ?」

あれ?なんか催促された?
女神様もこの地の食事には満足してなかったんだね。

「お供えはどうすればいいですか?」

お供えするのは吝かではない。神殿に持っていくとか面倒臭くなければ・・・・。

「私へのお供えだと心の中で教えてくれれば、何処に置いてあっても戴けます」

いい笑顔だ。
了解しました♪

「それはさておき、なぜ、シャナの記憶は曖昧なのでしょう?」

「それは、彼の地の神との約定だからです。本当なら全てをまっ更にするのですが、約定により、シャナ個人の記憶以外は消すことが出来ません。ですが、それでよかったのです。シャナ、あなたは彼の地が2度も破壊されたことを知っていますね?」

「・・・・、はい」

「話してください」

「その前に教えて下さい。あちらの世界でわたしはどうなっているのでしょう?」

「貴女の魂と共に居た魂が、ひとりで頑張っていますよ。大丈夫。ちゃんと幸せをつかんでいます」

わたしを安心させるように暖かな微笑みを称えている。

「さあ、知っていることを話してください」

りーぱぱも頷いている。

そう言われても、文献とかもなかったし、そんな文明があった、としか言えないよね。

「えっと、今の文明の前にふたつの卓越した文明があったとしか分かりません。痕跡がないに等しいんです。海底とかに遺されたほんの僅かなオーパーツからそうではないかと云われているだけなんです」

女神様は何を示したいんだろう?

「つまり、どういうことだ?」

皇帝陛下の疑問はもっともだ。
殆どの人が話についてきてない。

女神様がわたしのあとを引き受けてくれた。

「つまり、破壊神の現れた後は、何も残らないということです」 

はっ、どういうこと?

周りのざわめきも一段大きくなった。

「彼の地も嘗ては、魔法が使える世界ところでした。ですが、文明が花開き高度に安定した地を造り出すとほどなくして安定を嫌う破壊神によってズタズタにされてしまった。2度も。そこで、彼の地の神は、3度目の世界かのちを魔法のない世界にしたのです。人間だけなのも命の長さもその影響です」

ここまでは、わたしへの説明のようだ。

そうか、だから魔法がないのか。
寿命のことも納得。

「破壊神によって壊された地は、地形が変わり、生命は一時、姿を消します。1から全てを築きあげるように無にされるのです。唯一、彼の者を認識できるのは、聖魔法を持つ者だけ。彼の者をこの地から追い出せるのは、聖剣を携えし者だけ。ですから、他の地では、聖魔法も聖剣も存在するのです。まだ若いこの地にはそれを習得し、創り出せる者がいなかったのですが・・・・」

壮大な話しに輪をかけるように、更に壮大になっていく話しにみんな処理が追い付いていない。この手の話は、よくファンタジーに出てきたから、わたしにとっては、よりファンタジー感が増しただけだ。

でもね、女神様、ちょっと、とばしすぎだよ!
みんな、ついてきてないよ!
りーぱぱもフリーズぎみ?

「シャナ、あなたは、彼の地の知識によって、聖魔法を習得し、聖剣を創り出しましたね?3本も」

「・・・・」

ハイ、ツクッテシマイマシタ。
セイマホウヲ シュウトクシタノハ タマタマデス。
フカコウリョクデス。
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