貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子

文字の大きさ
45 / 103
女神様がやってきた

聖剣、創るよね

しおりを挟む
女神様からまたしてもとんでもない爆弾が投下された。各方面から驚きの視線がこれでもかというほど注がれて、隠れたい、逃げたい、帰りたい。冷や汗が流れる。聖剣保持者のガル、りーぱぱ、ざらぱぱは、視線を合わせようとしない。

くそぅ。
巻き込んでやる!

「ガルとりーぱぱとざらぱぱが持ってます!」

視線が3人に移った。ちょっとだけ、ホッとした。あれ?これって、創りましたって、白状したようなもの? りーぱぱが呆れたように見下ろしているのに気づいて、やらかしたと悟ったが、もう遅い。どのみち、女神様相手に誤魔化せる筈もないんだよ!

女神様め!
なんでこっそりと聞かんのだ!

「残念ながら、3人が持っている聖剣は、この者達にしか扱えません。ですから、各国に1本ずつ、聖剣を創ってください。龍人の国には剣を、エルフの国には杖を、獣人の国には短剣を、ドワーフの国には槍を、巨人の国には大剣を。条件は、・・・・・・・・です。材料は、これを使ってください。出来ますね?」

女神様が取り出したのは、魔鉱石、光水晶、世界樹の枝、魔石、千年亀の甲羅、各種宝石類。

「「「「「おー!!!」」」」」

材料を見て全員が興奮しだした。もう存在しないと云われている物や希少品ばかりだったからだ。わたし、普通に持ってますけどね。たまたま、少しだけ見つけて、複製で増やしたから、結構ある。3人の聖剣もそれで創った。

出来ません、って言いたい。

ちろっと女神様を見たら、笑顔が、さっさと創れ!って言っている。

女神様の条件は要するに、全属性の勇者タイプの人しか扱えないようにってこと。清く正しく正義のために!挫折を知り、人を導ける人格者、みたいな?しかもこの世界で産まれた者限定。これは、たぶん異世界から召喚をさせないためかな。

こんな条件をクリアーできる人っている?

しかも、その人が適用条件を外れたり、亡くなったりしたら、自動で元の場所に帰るようにしろって。つまり、それまでは、その人しか扱えないってことでしょ?本人が、もう無理って思ったら、自分で返せるようにしておこう。よぼよぼのじいさんが持ってても意味ないよ!



仕方ない、創るか。

「では、今からシャナに複合スキルを使って、聖剣を錬成してもらいます。よく見ててください」

おい!複合スキルのお手本とか、人遣い荒い!

諦めて、さっさと結界を創り、その中のぽいぽいと材料を入れていく。

「複合スキル 鍛冶!」

一瞬の光のあと、1本の聖剣が出来上がった。

「「「「「おー!!!」」」」」

そこから、女神様が複合スキルについて説明を始めた。

わたしは同じように杖、短剣、槍、大剣を錬成していく。出来上がったものは、一度女神様に渡した。あとは、どうしようと、わたしの知るところではない。

「これは、素晴らしい魔法だ!」

「大変便利な魔法ですね!」

「使うのが楽しみだ」

「これを来月の運用までに、全国民に使い方も含めて、周知しなさい。やり方は任せます」

「「「「「承知いたしました」」」」」

「分からないことは、そこの4人に聞けばよいでしょう。これを初めに創ったのは、シャナですから。他の3人も既に使いこなしています」

「「「「「!!!」」」」」

「「「「ハァ・・・・」」」」

おい!ここでまた爆弾投下とか止めてよ!

「女神様に質問をよろしいですか?」

りーぱぱが珍しく笑顔だ。胡散臭くない。

「ええ」

「シャナのスキルには、レベルがありませんが、それは何故でしょう」

ああ。そう言えば、そうだった。日常生活に関係なさ過ぎて、忘れてたよ。

「スキルや魔法のレベルは、承知の通り、一定の難易度をクリアするとあがります。その難易度であがっていくのは、レベル5まで。それ以上は、ほぼ難易度が同じ魔法やスキルが複数あるのですが、それらをすべて習得すれば、レベルの表記は無くなります」

「つまり、レベル5が最大値ではないと?」

「そういうことになりますね。余程のことが無い限り、レベルの表記がなくなることはあり得ませんから、気にしなくてもいいと思いますよ?」

魔術師団長たちがザワザワとし始めた。

「シャナーリエ嬢は、いったい何者なのですか?」

「ふふふ、かの地に魔法はありませんが、かの地の者は、その類い稀なる想像力を駆使して、私たち魔法が使える者よりも多彩な魔法を編み出し、それを物語にしているのです。技術力と知識も相まって、それを再現するのは容易なのですよ。ですから、シャナにレベルを表記することは不可能なのです」

なんか、魔術師団長たちが目をキラッキラッさせてこっちを見てるんだけど。嫌な予感しかしない。

「ところで、シャナ。聖剣の報酬は何がいいですか?宝石でも希少鉱石でもかまいませんよ」

「え、い、要らないです。これ以上迷惑かけられなければ、それで・・・・」

「シャナ、はっきり言いすぎだ・・・・」

「もっと、遠回しに言え!」

「本音を言ってはいけません!」

フォローはないんだ。3人も相当だと思うよ。ほら、王様たちあんぐり口開けて、青い顔をしている。

「そういうわけにはいきません。さあ、報酬を言ってください」

それは、これからも面倒事を持ち込むってこと?

「むぅーん。・・・・、あっ、なら、島をひとつください。ダンジョンとかあるわたしの理想の島」

「分かりました。それだけでいいのですか?」

「うん。転移でしか行けなくて、わたしとガルとりーぱぱとざらぱぱのための島。転移陣は、3人の聖剣に組み込んでね。わたしは、ステータスに付け加えるよ。ダンジョンには、アンデッドなんかも出るようにしてね。魔獣もいて、いろんな植物が生えてるの♪おうちは、コテージみたいなやつ。エリア毎にいろんな季節があるの。うわー、楽しくなってきた!」

「それは、我々も招待してもらえるのかな?」

ニコニコ顔の皇帝陛下が招待しろと言わんばかりに聞いてくる。

なんで?
嫌だよ。しないよ、招待なんて。

「えっと、島の全貌がわかってから、気が向いたらね?」

「うむ、楽しみにしておるぞ」

いや、遠回しなお断りなんだけど・・・・。
気が向かなきゃいいかな。

「そろそろ、時間切れです。では、皆さん、くれぐれも破壊神のこと気を付けてください。この世界の存続を・・・・」

女神様は像に戻ってしまった。

いつの間にか5本の聖剣うち4本は消えて、この国の聖剣1本だけが、女神像の前に出現した光水晶のクラスターに埋まっていた。この先、これを抜ける者が、破壊神と対峙することになるんだろう。

「場所を移し、先程の女神様の話と今後の方針についての話し合いをする。各自昼餐後、1の鐘でよいな?各国は、聖剣の確認もしておくように。以上だ」

「「「「はっ!」」」」

皇帝陛下により、その場は一時解散となった。



やったぁ!お昼お昼♪ラーンチ♪♪

等と浮かれていたら、皇帝陛下からお昼のお誘いが・・・・。それを阻止するかのように、他の国からも。

「我らとて、シャナーリエ嬢とは話がしたい。お主たちは、初めてではないのだろう。遠慮してもらおうか」

「そうだな。龍人の国とエルフの国は、ここ何日かはご一緒しているのだろう。我らに譲るのが筋だ」

そのうち、取っ組み合いの喧嘩になりそうな勢いだ。

(宿に帰りたい。そして、わたしの料理を食べたい。それがわたしの望み)

りーぱぱに念話でそれを伝える。

「私たちは、宿に戻りますよ。シャナがそれを望んでいますから。では、1の鐘で」

3人は、シーンとしたその場からわたしを抱えてさっと離脱した。遠くで「待たんかー!」という声が聞こえたが、誰も追い付いてこれなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

【完結】愛しくない、あなた

野村にれ
恋愛
結婚式を八日後に控えたアイルーンは、婚約者に番が見付かり、 結婚式はおろか、婚約も白紙になった。 行き場のなくした思いを抱えたまま、 今度はアイルーンが竜帝国のディオエル皇帝の番だと言われ、 妃になって欲しいと願われることに。 周りは落ち込むアイルーンを愛してくれる人が見付かった、 これが運命だったのだと喜んでいたが、 竜帝国にアイルーンの居場所などなかった。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

数多の想いを乗せて、運命の輪は廻る

紅子
恋愛
愛する者を失った咲李亜は、50歳にして異世界へ転移させられた。寝耳に水だ。しかも、転移した先の家で、訪ねてくる者を待て、との伝言付き。いったい、いつになったら来るんですか? 旅に出ようにも、家の外には見たこともないような生き物がうじゃうじゃいる。無理無理。ここから出たら死んじゃうよ。 一緒に召喚されたらしい女の子とは、別ルートってどうしたらいいの? これは、齢50の女が、異世界へ転移したら若返り、番とラブラブになるまでのお話。 16話完結済み 毎日00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付きで書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

処理中です...