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お披露目
討伐しましょ
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パーティー会場から薔薇の生い茂る庭に避難したわたしたちは、少しの時間休憩をかねてバラを堪能し、皇帝陛下に暇の挨拶を済ませた。本当に今はパーティーどころではないのだ。各国の王様たちは既にいないし、皇帝陛下もこの後少ししたら退出する予定だ。
離宮に戻ろうと会場の王族専用の出入り口に向かっているところで、。獣人の国の第3王女パトリシアと名乗った女性に捕まった、りーぱぱが。
「リーランス様、もうご退出ですか?後見人としてのお勤めも分かりますが、番のガルドラム様がいらっしゃるのですから、少しくらいパーティーを楽しまれては如何ですか?」
親切そうな振りで言っているけど、要するに、自分といてほしいのだろう。だが、既にパーティーの主催者である皇帝陛下に暇の挨拶をしたのだから、これはマナー違反だ。笑顔のりーぱぱの目だけが冷たい。
「フフ。パトリシア様は可愛らしくていらっしゃる。私では役不足ですよ。どうぞ、あなたにふさわしい方と楽しまれてください」
パトリシア様は、その笑顔にポッと顔を赤らめているけど、騙されてはいけない。つまり、礼儀も知らないお子ちゃまと自分が釣り合うわけないだろう。同じ程度のやつと仲良くしたらいい、と言っているのだ。辛辣すぎる。思わずパトリシア様に同情の目を向けたわたしに、パトリシア様の横をすり抜けて近づいてきたりーぱぱは、「良くできました」とにっこり笑って、ガルからわたしを受け取った。
パトリシア様の顔が怖いからやめて!
「失礼します」
りーぱぱの冷めた声が耳に入った。
パトリシア様を放置して離宮へと戻ったわたしたちは、パパ、騎士団長の叔父様と合流し、まずニンフの森に転移した。近くにはパパの指揮する騎士団のみんなと冒険者たちが配置についており、その周りだけポッカリと空間が広がっている。戦いやすいように木を間引いたようだ。みんな、この森の異常な様子に緊張している。
「総帥、団長。お待ちしておりました!準備万端です!」
「やれやれ、やっときおったか」
わたしたちを認めたら隊長のひとりがわたしたちの到着を告げた。それよりも早く、らいじいがこちらに来ている。
「待たせたな。では、始めるとしよう」
「こっちはいつでもいいぞ」
「全員、配置につけ!これより核を消滅する!魔獣の数は一万。一度に出てくるわけではない!怯むなよ!」
魔力の濃いところにはランクの高い冒険者や騎士たち、そこから森の外に広がるように散らばっている。野営場所には結界がはられ、待機している騎士や冒険者もたくさんいる。まさに決戦だ。
(シャナ、いきますよ)
「消滅!」
わたしはりーぱぱの声に合わせて、破壊神の魔力を消した。魔獣の発生規模も速度もタカラの森の比ではなかった。が、こちらも人数を揃えている。なんとかなるかな?ざらぱぱが戦いたそうにしていたけど、わたしたちにはまだやることがある。後をパパに任せて、わたしたちは次の森に飛んだ。
ここもニンフの森と同様に木が切り倒され、空間が出来上がっていた。
「お待ちしておりました、リーランス殿」
ドワーフの国の総帥と巨人の国の総帥が揃ってわたしたちを迎えてくれた。ここは、キライの森。ドワーフの国と巨人の国の国境近くにある。ここは2番目に規模が大きい。ニンフの森の一万を上回り、二千ほど多い。それにドワーフの国にはもうひとつ魔力溜まりがあるため、ドワーフの国だけでは対応が難しい。打ち漏らした魔獣が巨人の国に入り込む可能性を考えて共闘となった。
「よお!シャナ。戦うのか?」
能天気な声に呼ばれた。声の主はジャイだ。
「そんなわけないでしょ!ジャイはしっかり戦ってね?島の魔獣よりずっと弱いよ」
「シアンがいないんだが知ってるか?」
「シアンならマジョの森にいますよ。あちらは、ここほど規模が大きくないので、冒険者だけで対応してもらっています。ギルマスに指揮を任せました。昨日、核を消滅させましたから、2、3日中に片がつくでしょう」
「ここ以外にもあったのか?!」
「全部で5ヶ所。ここは、結構でかいな。俺たちは一番規模のでかいイナイの森に参戦する。クレーもいるはずだ」
「規模は?」
「ここが一万二千。イナイが二万。ニンフが一万、マジョが五千、一番小さいタカラの250はほぼ殲滅した」
ヒユッと他の騎士や冒険者の喉が鳴った。今までには考えられない数だからだろう。
「数は多いが、何が出るか知ってるか?まっ、島より弱いならたいしたことないな」
「サラマンダー、ケルベロス、コカトリス、ジャイアントアント、ワイバーンは空で発生するから気を付けろよ。あとは雑魚ばっかりだ」
魔獣の名前を聞いた一部の人たちは顔を青ざめさせたけど、ここでも脳筋たちは殺る気に満ちている。青くなったのはランクのそれほど高くない人たちだ。そういう人は、打ち漏らした魔獣を相手にすればいい。それも重要な任務だ。
「ジャイ、おしゃべりはそこまでだ。核を消滅させるぞ。全員、配置につけ!」
キライの森の核を消滅させて、戦闘が始まった音を聞きつつ、昨日戻った場所に飛んだ。ここから、3つ目の魔力溜まりまでは3日くらいだ。魔力溜まりが飽和状態になるギリギリに着くことになる。だから、二万なのだ。
「さあ、進みましょう」
相変わらず3人はすごいスピードで走った。いつもより速い。ふと思ったけど、馬より速いよね?これで3日なんて、どんだけ遠いんだ!わたしは邪魔にならないように、結界を強化し、しっかりとガルに張り付いた。
離宮に戻ろうと会場の王族専用の出入り口に向かっているところで、。獣人の国の第3王女パトリシアと名乗った女性に捕まった、りーぱぱが。
「リーランス様、もうご退出ですか?後見人としてのお勤めも分かりますが、番のガルドラム様がいらっしゃるのですから、少しくらいパーティーを楽しまれては如何ですか?」
親切そうな振りで言っているけど、要するに、自分といてほしいのだろう。だが、既にパーティーの主催者である皇帝陛下に暇の挨拶をしたのだから、これはマナー違反だ。笑顔のりーぱぱの目だけが冷たい。
「フフ。パトリシア様は可愛らしくていらっしゃる。私では役不足ですよ。どうぞ、あなたにふさわしい方と楽しまれてください」
パトリシア様は、その笑顔にポッと顔を赤らめているけど、騙されてはいけない。つまり、礼儀も知らないお子ちゃまと自分が釣り合うわけないだろう。同じ程度のやつと仲良くしたらいい、と言っているのだ。辛辣すぎる。思わずパトリシア様に同情の目を向けたわたしに、パトリシア様の横をすり抜けて近づいてきたりーぱぱは、「良くできました」とにっこり笑って、ガルからわたしを受け取った。
パトリシア様の顔が怖いからやめて!
「失礼します」
りーぱぱの冷めた声が耳に入った。
パトリシア様を放置して離宮へと戻ったわたしたちは、パパ、騎士団長の叔父様と合流し、まずニンフの森に転移した。近くにはパパの指揮する騎士団のみんなと冒険者たちが配置についており、その周りだけポッカリと空間が広がっている。戦いやすいように木を間引いたようだ。みんな、この森の異常な様子に緊張している。
「総帥、団長。お待ちしておりました!準備万端です!」
「やれやれ、やっときおったか」
わたしたちを認めたら隊長のひとりがわたしたちの到着を告げた。それよりも早く、らいじいがこちらに来ている。
「待たせたな。では、始めるとしよう」
「こっちはいつでもいいぞ」
「全員、配置につけ!これより核を消滅する!魔獣の数は一万。一度に出てくるわけではない!怯むなよ!」
魔力の濃いところにはランクの高い冒険者や騎士たち、そこから森の外に広がるように散らばっている。野営場所には結界がはられ、待機している騎士や冒険者もたくさんいる。まさに決戦だ。
(シャナ、いきますよ)
「消滅!」
わたしはりーぱぱの声に合わせて、破壊神の魔力を消した。魔獣の発生規模も速度もタカラの森の比ではなかった。が、こちらも人数を揃えている。なんとかなるかな?ざらぱぱが戦いたそうにしていたけど、わたしたちにはまだやることがある。後をパパに任せて、わたしたちは次の森に飛んだ。
ここもニンフの森と同様に木が切り倒され、空間が出来上がっていた。
「お待ちしておりました、リーランス殿」
ドワーフの国の総帥と巨人の国の総帥が揃ってわたしたちを迎えてくれた。ここは、キライの森。ドワーフの国と巨人の国の国境近くにある。ここは2番目に規模が大きい。ニンフの森の一万を上回り、二千ほど多い。それにドワーフの国にはもうひとつ魔力溜まりがあるため、ドワーフの国だけでは対応が難しい。打ち漏らした魔獣が巨人の国に入り込む可能性を考えて共闘となった。
「よお!シャナ。戦うのか?」
能天気な声に呼ばれた。声の主はジャイだ。
「そんなわけないでしょ!ジャイはしっかり戦ってね?島の魔獣よりずっと弱いよ」
「シアンがいないんだが知ってるか?」
「シアンならマジョの森にいますよ。あちらは、ここほど規模が大きくないので、冒険者だけで対応してもらっています。ギルマスに指揮を任せました。昨日、核を消滅させましたから、2、3日中に片がつくでしょう」
「ここ以外にもあったのか?!」
「全部で5ヶ所。ここは、結構でかいな。俺たちは一番規模のでかいイナイの森に参戦する。クレーもいるはずだ」
「規模は?」
「ここが一万二千。イナイが二万。ニンフが一万、マジョが五千、一番小さいタカラの250はほぼ殲滅した」
ヒユッと他の騎士や冒険者の喉が鳴った。今までには考えられない数だからだろう。
「数は多いが、何が出るか知ってるか?まっ、島より弱いならたいしたことないな」
「サラマンダー、ケルベロス、コカトリス、ジャイアントアント、ワイバーンは空で発生するから気を付けろよ。あとは雑魚ばっかりだ」
魔獣の名前を聞いた一部の人たちは顔を青ざめさせたけど、ここでも脳筋たちは殺る気に満ちている。青くなったのはランクのそれほど高くない人たちだ。そういう人は、打ち漏らした魔獣を相手にすればいい。それも重要な任務だ。
「ジャイ、おしゃべりはそこまでだ。核を消滅させるぞ。全員、配置につけ!」
キライの森の核を消滅させて、戦闘が始まった音を聞きつつ、昨日戻った場所に飛んだ。ここから、3つ目の魔力溜まりまでは3日くらいだ。魔力溜まりが飽和状態になるギリギリに着くことになる。だから、二万なのだ。
「さあ、進みましょう」
相変わらず3人はすごいスピードで走った。いつもより速い。ふと思ったけど、馬より速いよね?これで3日なんて、どんだけ遠いんだ!わたしは邪魔にならないように、結界を強化し、しっかりとガルに張り付いた。
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