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第三章 魔法学園
イライザのピンチ?
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部活で汗を流しルルもスッキリした顔になり安心して寮へ戻る途中。図書館と道を挟んで反対側には大きな湖がある。いくつかのボートが楽しそうな笑い声と共に湖面をすべっていくその湖のほとり、木々が立ち並び日陰になった場所にひっそりと置かれたベンチにイライザがこちらに背中を向けて座っていた。
隣には見知らぬ女性が座っている。ミルクティー色の髪をお団子にしていて、何かイライザに話しかけているらしい。
そっとしておくべきかとは思ったけど何だか胸騒ぎがする。
それにあの女の人どこかで…
急に足を止めた私を不思議に思ってルルたちが引き返してきた。
「どうかしました?あら、あれはイライザさん。」
セーラが不思議そうにつぶやく。
「隣の黒髪の方はどなたかの侍女でしょうか?イライザさん…お知り合いなのかしら?」
えっ?黒髪?と驚いているとルルが険しい顔で彼女をにらんでいる。
「すごく嫌な感じ。イライザ危ない。」
その言葉を最後まで聞かずに私は走り出していた。
イライザの隣の女性はすぐに立ち上がりイライザに頭を下げてからベンチを立ち去ってしまう。
少し迷ってから私は女性を追わずにイライザの前にまわり込んだ。
「イライザ。大丈夫?」
ぽんっと肩に手を置く。
ボンヤリと遠くを見つめていたイライザはゆっくりとどこからか戻ってくるようにこちらを向きジッと私を見つめ返す。
「マリー……
えっ、マリー?!いつの間にっ!
ど、どうやって急にこんな側まで来たんですの?」
慌てふためく姿は珍しいけど、どうやらいつものイライザみたい。
皆んなを振り返るとルルとカストルが何か話していてセーラが困った顔で止めるようなそぶりをしている。
「イライザ、今話してた人知り合い?」
あちらが気になりつつ声をかけるけどイライザはまだ動揺が収まらないらしい。
おまけに意識がボンヤリしたままらしく頭を抱えている。
「ちょっと待ってね。」
私はイライザに手をかざし細心の注意をはらってごく軽い浄化魔法をかける。
イライザは目をつぶってそれを受けていたけど急にガクッと力が抜けたようにベンチに倒れ込んでしまった。
「えっ!何で?どうしよう。強すぎた?」
今度は私が慌てていると三人が急いでこちらにやって来る。
「マリーイライザを一撃で倒した?」
「やめてよルル。倒してなんかいないよ。軽く。軽~く浄化魔法をかけただけだから。」
セーラが身につけていたスカーフを外して畳みそっとイライザの頭の下に差し込む。
「顔色があまり良くないようですしきっと昨夜あまり眠れなかったのでしょう。
浄化魔法で張り詰めていたものが解けて眠っていらっしゃるようです。」
「そっか、良かった~」
ホッとする私をルルが横目でジッと見ている。
だから違うってば!!
カストルにイライザを運んでもらおうと頼むと何故か困った顔をされる。
「さっきからそう。カストル融通効かない。」
ルルの言葉にセーラが事情を説明してくれる。
「そんなことを言っては失礼ですわルル。
先ほどイライザさんの隣にいらした女性が立ち去るのを見てルルがカストル様に追いかけてくれるようお願いしたのですが…」
「自分は本日レディ・ルルシアの護衛を任されている身。お側を離れるわけにはまいりません。
イライザ様をお運びする際も、もし敵に襲われた場合、イライザ様を放り出してでも任務を遂行しなければならないので…」
「なるほど、確かにそれじゃ良くないよね。
」
困ったな~と思って皆んなで眠るイライザを囲んで悩んでいた時、
「お、こんな所にいた。ルル。迎賓館に戻ってくれ城から使者が…ってイライザ?どうしたんだ?」
ナイスなタイミングで現れたのはリークだった。
隣には見知らぬ女性が座っている。ミルクティー色の髪をお団子にしていて、何かイライザに話しかけているらしい。
そっとしておくべきかとは思ったけど何だか胸騒ぎがする。
それにあの女の人どこかで…
急に足を止めた私を不思議に思ってルルたちが引き返してきた。
「どうかしました?あら、あれはイライザさん。」
セーラが不思議そうにつぶやく。
「隣の黒髪の方はどなたかの侍女でしょうか?イライザさん…お知り合いなのかしら?」
えっ?黒髪?と驚いているとルルが険しい顔で彼女をにらんでいる。
「すごく嫌な感じ。イライザ危ない。」
その言葉を最後まで聞かずに私は走り出していた。
イライザの隣の女性はすぐに立ち上がりイライザに頭を下げてからベンチを立ち去ってしまう。
少し迷ってから私は女性を追わずにイライザの前にまわり込んだ。
「イライザ。大丈夫?」
ぽんっと肩に手を置く。
ボンヤリと遠くを見つめていたイライザはゆっくりとどこからか戻ってくるようにこちらを向きジッと私を見つめ返す。
「マリー……
えっ、マリー?!いつの間にっ!
ど、どうやって急にこんな側まで来たんですの?」
慌てふためく姿は珍しいけど、どうやらいつものイライザみたい。
皆んなを振り返るとルルとカストルが何か話していてセーラが困った顔で止めるようなそぶりをしている。
「イライザ、今話してた人知り合い?」
あちらが気になりつつ声をかけるけどイライザはまだ動揺が収まらないらしい。
おまけに意識がボンヤリしたままらしく頭を抱えている。
「ちょっと待ってね。」
私はイライザに手をかざし細心の注意をはらってごく軽い浄化魔法をかける。
イライザは目をつぶってそれを受けていたけど急にガクッと力が抜けたようにベンチに倒れ込んでしまった。
「えっ!何で?どうしよう。強すぎた?」
今度は私が慌てていると三人が急いでこちらにやって来る。
「マリーイライザを一撃で倒した?」
「やめてよルル。倒してなんかいないよ。軽く。軽~く浄化魔法をかけただけだから。」
セーラが身につけていたスカーフを外して畳みそっとイライザの頭の下に差し込む。
「顔色があまり良くないようですしきっと昨夜あまり眠れなかったのでしょう。
浄化魔法で張り詰めていたものが解けて眠っていらっしゃるようです。」
「そっか、良かった~」
ホッとする私をルルが横目でジッと見ている。
だから違うってば!!
カストルにイライザを運んでもらおうと頼むと何故か困った顔をされる。
「さっきからそう。カストル融通効かない。」
ルルの言葉にセーラが事情を説明してくれる。
「そんなことを言っては失礼ですわルル。
先ほどイライザさんの隣にいらした女性が立ち去るのを見てルルがカストル様に追いかけてくれるようお願いしたのですが…」
「自分は本日レディ・ルルシアの護衛を任されている身。お側を離れるわけにはまいりません。
イライザ様をお運びする際も、もし敵に襲われた場合、イライザ様を放り出してでも任務を遂行しなければならないので…」
「なるほど、確かにそれじゃ良くないよね。
」
困ったな~と思って皆んなで眠るイライザを囲んで悩んでいた時、
「お、こんな所にいた。ルル。迎賓館に戻ってくれ城から使者が…ってイライザ?どうしたんだ?」
ナイスなタイミングで現れたのはリークだった。
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