167 / 246
第三章 魔法学園
ホープは食欲旺盛です
しおりを挟む
王家の影、初めて聞くけど私たちが聞いていい話だったのかな?
「ネズミが姿を隠したせいで学園でおきたマリーさんに対する揉め事の全ての責任がハフス家に向かいそうなんです。カディナの結婚話が立ち消えになるのは結構ですが、ハフス家の爵位を取り上げ国外追放にするのがよいのではと話が出ていてるようなんですわ。」
えっ、すごい速さで処分が決められている。
「でも、王弟殿下には偽ニリーナさんのことを話しましたよ?」
オロオロしつつ話してもアスターさんは悲しそうに首を横に振る。
「それでも現学園長が学園側に非が向くのを恐れて全ての非がハフス家に向くよう発表して彼女を退学処分にする手続きを早急に行おうとしているんですわ。
現学園長の縁者に国政で力を持っている者もおりますし。」
「学園側としては王族も預かっているこの場所で自分たちの不手際が露見するのを恐れているということでしょうか?」
イライザの言葉にソリーさんが頷く。
「早急にロベリア・ハフスたちを見つけ出さなければ。」
その時、ホープの声が私の内側から聞こえてきた。
(ロベリアって呼ばれてた子知ってるよ。冷え冷えに連れて行かれたよ。)
「本当?ホープ。冷え冷えって?」
思わず声に出してしまったら皆んながこちらに目を向ける。
「マリーさん」
少しぎこちない言い方でアスターさんが話しかけてくる。
「もしかして話している相手は…。あの、よろしければ。会わせていただけるかしら?その…聖獣…様?に」
恐る恐る口にしてるけど目は期待でキラキラ輝いている。
「はい。大丈夫だと思いますが、ちょっと聞いてみてから。」
(出てもいいの?)
聞くまでもなく私の返事も待たずにホープが強い光をまとって現れた。光は徐々におさまって物珍しそうにキョロキョロする真っ白いホープの姿だけが残る。
アスターさんはというと両手を握りしめて大きく目を見開き顔を輝かせてホープを見つめている。
「素晴らしいですわ。まさか生きているあいだに聖獣様にお目にかかれるなんて考えてもみませんでした。」
「ホープせいじゅじゃないよ。」
ガチャ、カタン、パリン。
驚いた何人かがカップを取り落としたり椅子から立ち上がったりする。
あれ、今のホープの声が皆んなにも聞こえてるってこと?
「ホープ、あなた喋れるの?」
するとホープは耳を伏せ気まずそうに後ずさりした。
「ホープ、マリーの魔力に隠れてる間退屈で…ちょっとお腹減ったな~と思って勝手に食べちゃったの。ごめんなさい。」
食べちゃったって何を?
「もしかしてマリーの魔力を食べたということでしょうか?」
セーラが恐る恐る聞いてくれる。
「そうなのでもほんのひとくちふたくちだよ。
あぁ~三口四口くらいかも…」
怒った?
叱られると思ったのか悲しそうな目を向けてくるホープ。何この生き物、かわいい。
「私は大丈夫だけどホープお腹壊したりしないの?そんなもの食べて。」
「しないよー今まで食べた中で1番おいしいあったかくて甘くてほわほわしてる。」
そんなに褒められるとなんだか照れるなぁ。
私たちが、うふふっと笑い合っていると困った顔をしたセーラが隣に立った。
「マリー、私も文献でしか読んでいませんが魔力を糧に生きるものを側に置く場合はきちんとルールを決めておいたほうがいいです。
例えば食べたくなったら必ず声をかけてもらうとか。さもないと急激に魔力を失ってマリーが倒れることになります。」
「そもそも自分の魔力を食べられているのにマリーは気づかなかったんですの?」
え?普通気づくものなの?
うなずく私にイライザは呆れたような顔をする。
「マリー倒れれる?」
ホープが心配そうにセーラに尋ねる。
「う~ん、今のマリーの様子を見ていたらそんな事はなさそうですけれどもやはり一声かけたほうがよろしいと思いますよ。」
セーラはホープの目を覗き込みながら優しく言ってくれた。
「分かった。こっそり食べない。ちゃんと言うよ。マリーもう一口食べていい?」
うなずくとホープは私の側でパクッと口を動かした。
やっぱり何も感じないけど?
首をかしげる私にみんなはあきれているみたいだ。
「まぁこの魔力量の多さもあってこその聖女ということかもしれませんわね。」
「だから、聖女じゃないってば。」
「ホープもせいじゅじゃないよ。ホープ冷え冷えたちにあれこれ足されたりしてこうなったから。」
尻尾をぶんっと振ってホープは言う。
「ネズミが姿を隠したせいで学園でおきたマリーさんに対する揉め事の全ての責任がハフス家に向かいそうなんです。カディナの結婚話が立ち消えになるのは結構ですが、ハフス家の爵位を取り上げ国外追放にするのがよいのではと話が出ていてるようなんですわ。」
えっ、すごい速さで処分が決められている。
「でも、王弟殿下には偽ニリーナさんのことを話しましたよ?」
オロオロしつつ話してもアスターさんは悲しそうに首を横に振る。
「それでも現学園長が学園側に非が向くのを恐れて全ての非がハフス家に向くよう発表して彼女を退学処分にする手続きを早急に行おうとしているんですわ。
現学園長の縁者に国政で力を持っている者もおりますし。」
「学園側としては王族も預かっているこの場所で自分たちの不手際が露見するのを恐れているということでしょうか?」
イライザの言葉にソリーさんが頷く。
「早急にロベリア・ハフスたちを見つけ出さなければ。」
その時、ホープの声が私の内側から聞こえてきた。
(ロベリアって呼ばれてた子知ってるよ。冷え冷えに連れて行かれたよ。)
「本当?ホープ。冷え冷えって?」
思わず声に出してしまったら皆んながこちらに目を向ける。
「マリーさん」
少しぎこちない言い方でアスターさんが話しかけてくる。
「もしかして話している相手は…。あの、よろしければ。会わせていただけるかしら?その…聖獣…様?に」
恐る恐る口にしてるけど目は期待でキラキラ輝いている。
「はい。大丈夫だと思いますが、ちょっと聞いてみてから。」
(出てもいいの?)
聞くまでもなく私の返事も待たずにホープが強い光をまとって現れた。光は徐々におさまって物珍しそうにキョロキョロする真っ白いホープの姿だけが残る。
アスターさんはというと両手を握りしめて大きく目を見開き顔を輝かせてホープを見つめている。
「素晴らしいですわ。まさか生きているあいだに聖獣様にお目にかかれるなんて考えてもみませんでした。」
「ホープせいじゅじゃないよ。」
ガチャ、カタン、パリン。
驚いた何人かがカップを取り落としたり椅子から立ち上がったりする。
あれ、今のホープの声が皆んなにも聞こえてるってこと?
「ホープ、あなた喋れるの?」
するとホープは耳を伏せ気まずそうに後ずさりした。
「ホープ、マリーの魔力に隠れてる間退屈で…ちょっとお腹減ったな~と思って勝手に食べちゃったの。ごめんなさい。」
食べちゃったって何を?
「もしかしてマリーの魔力を食べたということでしょうか?」
セーラが恐る恐る聞いてくれる。
「そうなのでもほんのひとくちふたくちだよ。
あぁ~三口四口くらいかも…」
怒った?
叱られると思ったのか悲しそうな目を向けてくるホープ。何この生き物、かわいい。
「私は大丈夫だけどホープお腹壊したりしないの?そんなもの食べて。」
「しないよー今まで食べた中で1番おいしいあったかくて甘くてほわほわしてる。」
そんなに褒められるとなんだか照れるなぁ。
私たちが、うふふっと笑い合っていると困った顔をしたセーラが隣に立った。
「マリー、私も文献でしか読んでいませんが魔力を糧に生きるものを側に置く場合はきちんとルールを決めておいたほうがいいです。
例えば食べたくなったら必ず声をかけてもらうとか。さもないと急激に魔力を失ってマリーが倒れることになります。」
「そもそも自分の魔力を食べられているのにマリーは気づかなかったんですの?」
え?普通気づくものなの?
うなずく私にイライザは呆れたような顔をする。
「マリー倒れれる?」
ホープが心配そうにセーラに尋ねる。
「う~ん、今のマリーの様子を見ていたらそんな事はなさそうですけれどもやはり一声かけたほうがよろしいと思いますよ。」
セーラはホープの目を覗き込みながら優しく言ってくれた。
「分かった。こっそり食べない。ちゃんと言うよ。マリーもう一口食べていい?」
うなずくとホープは私の側でパクッと口を動かした。
やっぱり何も感じないけど?
首をかしげる私にみんなはあきれているみたいだ。
「まぁこの魔力量の多さもあってこその聖女ということかもしれませんわね。」
「だから、聖女じゃないってば。」
「ホープもせいじゅじゃないよ。ホープ冷え冷えたちにあれこれ足されたりしてこうなったから。」
尻尾をぶんっと振ってホープは言う。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
106
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる