夜の守人

ATSUSHI

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邂逅

平和な日常②

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「ただいま」「ただいまっ!」

「あっ!おかえりなさいっ!連ちゃん、晴ちゃん!お昼ご飯出来てるから手洗ってきてねっ」

「あいよー」「うん!」
「ふふっ。じゃあみんなー!二人が帰ってきたから席についてー!」

洗面所に向かう背中越しでも聞こえる声はいつ聞いても安心する。

しかしまぁ、いつ見てもうちの義母こと咲良千歳は若く見える。それこそ俺と同い年くらいに。

町内会でも美人な女主人なんて呼ばれてるくらいなんだ。うちの千歳は。


「連兄ぃ」

「どうした、晴太?」

晴太が困ったように声を掛けてきた。

「さっきテーブルの上見たらトマトがあった……」

ははーん?

「食べてやらないからな」
「まだ一言も言ってないのに!!」

考えてることくらいお見通しだ。


「晴太、トマトってのはな、食えたら大人の証なんだ。それにな、残したら千歳が怒る。」


「う。。わかってるけどさ~嫌なもんは嫌なんだもん。お母さんに怒られるのはもっとヤだけど。」

「じゃあこうしよう。トマトを残さず食べられたら1つだけ願い事を叶えてあげよう。俺ができる範囲で、だけどな。」

「ほんとっ?」

「ああ、さっきも言ったけど、男に二言はない!」

「わかった!じゃあ我慢して食べる!」

やれやれ。ま、昔は俺も人の事は言えなかったからな。

ーー昔、か。


「連兄ぃ?どうしたの?変な顔して」

「いやなんでもないよ。さ、手も洗ったことだし早く飯食いに行くぞ」

あー、またやっちまった。それも晴太の前で。
とにかく、メシだメシ。


ーーーーーーーーーー

「「「いただきまーす!」」」


やっぱりたくさん子供達がいるってなると食卓は騒がしくなるよな。
でも千歳の教育が行き届いてるせいか行儀は良いんだよな。。。


あ、こら晴太、俺のサンドイッチ取んな。
つーか、トマト食え。


ん?

「どうしたのさ?千歳?」

「千歳じゃなくておかあさんって呼んでって言ってるでしょー?」

「千歳がちゃん付けしなくなったらな。それで、どうしたの浮かない顔して」

「もーまた言ったー!この子は私をなんだと思ってるのかしら!」

「わかったから。ともかくどうかした?」

「へ?ああ、ちょっと眠いだけよ!気にすることはありませんっ!」

「ならいいけどさ」

なんか怪しいけど、千歳が大丈夫って言ってるなら大丈夫か。


「ほら、食べ終わったならお皿とか洗うの手伝って!連ちゃん!」

だから連ちゃん呼ぶなって。


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