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第1章 発端
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もしそうなら、ここで働くのは無理かもしれないと弱腰になるが、鼻先に漂う美味な香りに気持ちが持ち直す。
ガンバ! 自分! 自分で自分にエールを送り店内に意識を戻す。
ネットの情報では席数は82席ということだったが、スペースの使い方が上手いのか、広さの割にはゆったりしているように見える。おそらくテーブルとテーブルの間隔が広々と取られているからだろう。
――これなら、吹き出しを視ることもないだろうと思ったのだが……私はまだまだあの力を舐めていた。
「こちらのお席にどうぞ」と案内されたのは、観葉植物に仕切られた二人席だった。
「ただいまお冷やとお絞りをお持ちします。しばらくお待ち下さい」
可愛い系のイケメンウエーター君が席を離れたと思ったら、今度はワイルド系のイケメン君が現われた。
普段、イケメンに眼福を覚え幸せを感じることなどないが、こうも立て続けに現われると、妙にウキウキしてしまう。
「お待たせ致しました」
テーブルにクラッシュされた氷入りお冷が置かれ、ほんわかと温かいタオル地のお絞りが手渡された。
「すぐに前菜をお持ち致します」
注文は取らない。ランチは“シェフのお任せ”一種だからだ。
予約を入れたときにアレルギーや好き嫌いを聞かれた。おそらくそれに基づき調理されるのだろう。気配りのある店だ。
料理は『無国籍の創作料理』ということだから何が出てくるか分からない。
ワクワクしながらお絞りで手を拭いていると、早々に、長細い竹を縦に二つに割った器にカラフルな料理が三種載って現われた。
「左から安納芋のレモン煮、富有柿とカマンベールのサーモン巻き、三種のきのこのおろし和えです。秋の味覚をお楽しみ下さい」
丁寧な説明を聞きながら、どうやらワイルド系イケメン君がこの席の担当らしいと思い、彼を“ワイルド君”と呼ぶことにした。
ガンバ! 自分! 自分で自分にエールを送り店内に意識を戻す。
ネットの情報では席数は82席ということだったが、スペースの使い方が上手いのか、広さの割にはゆったりしているように見える。おそらくテーブルとテーブルの間隔が広々と取られているからだろう。
――これなら、吹き出しを視ることもないだろうと思ったのだが……私はまだまだあの力を舐めていた。
「こちらのお席にどうぞ」と案内されたのは、観葉植物に仕切られた二人席だった。
「ただいまお冷やとお絞りをお持ちします。しばらくお待ち下さい」
可愛い系のイケメンウエーター君が席を離れたと思ったら、今度はワイルド系のイケメン君が現われた。
普段、イケメンに眼福を覚え幸せを感じることなどないが、こうも立て続けに現われると、妙にウキウキしてしまう。
「お待たせ致しました」
テーブルにクラッシュされた氷入りお冷が置かれ、ほんわかと温かいタオル地のお絞りが手渡された。
「すぐに前菜をお持ち致します」
注文は取らない。ランチは“シェフのお任せ”一種だからだ。
予約を入れたときにアレルギーや好き嫌いを聞かれた。おそらくそれに基づき調理されるのだろう。気配りのある店だ。
料理は『無国籍の創作料理』ということだから何が出てくるか分からない。
ワクワクしながらお絞りで手を拭いていると、早々に、長細い竹を縦に二つに割った器にカラフルな料理が三種載って現われた。
「左から安納芋のレモン煮、富有柿とカマンベールのサーモン巻き、三種のきのこのおろし和えです。秋の味覚をお楽しみ下さい」
丁寧な説明を聞きながら、どうやらワイルド系イケメン君がこの席の担当らしいと思い、彼を“ワイルド君”と呼ぶことにした。
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