美食倶楽部クーラウ ～秘密は甘い罠～

第２章 愉快な仲間たち

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「いえ、別に私は拗ねているわけではありません。お気遣いなく。それより、柚木さんの料理です。絶品です」

拳を握り力強く言うと、また忍び笑いが起こった。

「うん、サンキュー。寧々ッチって正直者だから素直に受け取っておくね」

寧々ッチ？　空耳？

「でもさぁ、寧々ッチって、若干天然？　サゲサゲだけどアゲアゲなとこあるね」
「あっ、柚木ッチ、それ分かるぅ！」

柚木君に合わせるようにマミさんがパチパチと手を叩くが……私は呆気に取られた。

マミさんはついていけてるようだが、二歳しか違わないのに……ジェネレーションギャップ？　私は全く意味が分からなかった。

でも……それは樫野チーフも同じみたいだ。苦笑いを浮かべている。だから思わず訊ねてしまった。

「彼、いつもあんなですか？」
「まあね。宇宙人みたいだけど、ちゃんと人間だから」

それはそうだろうと、フォローになっていないフォローに突っ込んでいると、「じゃあ、今日の賄いの評価は？」と樫野チーフが声を上げた。そして、結果は……『次回に期待』だった。

「えっ、どうしてですか？　こんなに美味しいのに」

マミさんだって雲泥の差だと言ったのに……。
思わぬ結果に声を上げると樫野チーフがフッと笑みを浮かべた。

「そうだね、それも学びだね。じゃあ『次回に期待』と言った人、寧々ちゃんに理由を教えてあげて」

真っ先に口を開いたのはマミさんだった。

「料理に『愛』が感じられなかったからでーす」
「えっ、マミさんも五味の他に愛を感じられるんですか？」