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第6章 再就職
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「だから、ここは寧々ちゃんの方から折れて頭を下げてくれないかな?」
「それは、頭を下げてでもクーラウに戻れ、と仰っているのでしょうか?」
「そう」と樫野チーフが頷いた。
「どうしてそこまで? 私は単なる皿洗いですよ?」
私が戻ったところで店の役に立てるとは思わない。
「そう思うのも当然だ。二人がこういう状態になった訳を聞いていないから理由は分からないが、君をクビにしたことを綾時は後悔しているように見えるんだ。だったら、軌道修正してやりたい」
「こいつとオーナーは幼馴染で親友だ。妬けるほど二人は思いやっている」
「やだ、純也ったら」と言いながら樫野チーフが右手を振り上げた。その手が振り下ろされる前に、白戸さんはその手首を掴んだ。
「お前、その癖止めろ!」
コクコクと同意する私をチラリと見て、バツが悪そうに樫野チーフは咳払いをすると顔を引き締めた。
「綾時と僕は長い付き合いだが、奴が女性に興味を示すことは今まで一度もなかった」
当然だ。彼の目はずっと富美乃様を追っていたのだから。
「だから思春期の頃、僕と同じ性的指向の持ち主なのだろうかと勘違いしたこともあったが、奴はノンケだった」
ノンケとは、異性愛者。同性愛の“ケ”(その気)がない人を指す隠語らしい。最近話題だったドラマでそう説明していた。
「そんな奴が寧々ちゃんには興味を示したんだ。まぁ、ゲイの僕でも君の不思議な行動には興味引かれるけどね」
チラリと白戸さんに視線をやると、「だろ?」と樫野チーフが同意を求める。白戸さんもその意見にコクンと頷いた。
「それは、頭を下げてでもクーラウに戻れ、と仰っているのでしょうか?」
「そう」と樫野チーフが頷いた。
「どうしてそこまで? 私は単なる皿洗いですよ?」
私が戻ったところで店の役に立てるとは思わない。
「そう思うのも当然だ。二人がこういう状態になった訳を聞いていないから理由は分からないが、君をクビにしたことを綾時は後悔しているように見えるんだ。だったら、軌道修正してやりたい」
「こいつとオーナーは幼馴染で親友だ。妬けるほど二人は思いやっている」
「やだ、純也ったら」と言いながら樫野チーフが右手を振り上げた。その手が振り下ろされる前に、白戸さんはその手首を掴んだ。
「お前、その癖止めろ!」
コクコクと同意する私をチラリと見て、バツが悪そうに樫野チーフは咳払いをすると顔を引き締めた。
「綾時と僕は長い付き合いだが、奴が女性に興味を示すことは今まで一度もなかった」
当然だ。彼の目はずっと富美乃様を追っていたのだから。
「だから思春期の頃、僕と同じ性的指向の持ち主なのだろうかと勘違いしたこともあったが、奴はノンケだった」
ノンケとは、異性愛者。同性愛の“ケ”(その気)がない人を指す隠語らしい。最近話題だったドラマでそう説明していた。
「そんな奴が寧々ちゃんには興味を示したんだ。まぁ、ゲイの僕でも君の不思議な行動には興味引かれるけどね」
チラリと白戸さんに視線をやると、「だろ?」と樫野チーフが同意を求める。白戸さんもその意見にコクンと頷いた。
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