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遠い国で
*2人だけのひととき_7
しおりを挟むそれは、お互いの覚悟だった。ハルトは方々に顔も売れている社長だ。若くてイケメンということもあり、雑誌のインタビューに答えることもある。なにかあればそのままスキャンダルになりかねない。恋人の存在が見つかったとしても、それはおめでたい話で片付くが、妊娠した相手と籍を入れないとなれば、どうころんでも上手く片付かない話になるだろう。
「……早めに、指輪付きのプロポーズしてくださいね?」
「わかってる。……良い、ってことかな?」
「うぅ……は、はい……」
「ありがとう。……じゃあ」
「――んっ、あっ、ひ、ぃっ……!」
「……どうしたの?」
「あっ、あぁっ、ぐ、うぅぅ……っ! はぁ、はぁ、はぁ……っ」
「気持ち良いよ、どんなに動いても、物足りなさそうにナカが絡みついてくる」
「んぅぅ、っ! そ、そん、な……っあっ……!」
「腰を引くと『まだダメ』って言うみたいに締め付けているからね。……もっと動いてほしいということかな?」
「いっ、あっ、ああああ――!!」
何度も何度も腰を強く打ち付けるように、ハルトはゆあのナカを蹂躙する。ハルトの顔に添えていたゆあの指はいつの間にか外れており、またシーツを握り締める位置へと戻っていた。前回と比べてより強く握られたシーツには、ゆあが手に掻いた汗が移って少しばかりしっとりとしている。何度も一生懸命握られたシーツにはしっかりとその跡が残されていた。
「いつもは控えめで、おっとりしていて、そんな君が今一生懸命シーツを握り締めて、瞳を潤ませている」
「んっ、あ、ひっ、いぃ……っ」
「本当に。閉じ込めてしまえれば良いのに。……ね?」
「ぐぅぅ……あぁ……っ」
「次は、こっち」
「あっ!」
奥までまた一気に突いたかと思うと、ハルトはゆあに身体を起こさせ仰向けへと身体を移動させた自分の上へ乗せた。ゆあはハルトの腰を左右に跨ぐよう座る形になっており、ハルトがゆあを見下ろすのではなく、ゆあがハルトを見下ろしていた。
「あ、あの」
「そのまま、私のをナカに挿れて。自分で」
「あ、え、あ……」
戸惑いながら、ゆあは自分の手でハルトのイチモツを、自分の濡れた秘部にあてがってゆっくりと腰を落とした。
「ん、んん」
恐る恐ると言ってもおかしくないその動きは、ハルトの心に火をつける。ゆあの太腿に両手を置いて、ハルトは一気に腰を下ろさせた。
「んんん!!」
「ほら、すぐに挿ったよ?」
「あぅ、うぅぅ、ふぅ、ふぅ」
「……動ける?」
ゆあは下を向いて、横に首を振った。ハルトの言う『動く』とはきっと上下に動けるかどうかで、自重含めハルトの力で腰を落としたとき広がった衝撃に、ゆあは動けなくなっていた。このまま動くということは、あの衝撃がいつ来るかもわからないということだ。痛くはない。気持ち悪くもない。ただ少しだけ苦しいような、喉の奥から勝手に音が漏れる感覚。
「手を貸して?」
言われるがまま、小手をハルトに差し出した。その手はしっかり握られ、ゆあはハルトの引っ張る力に引きずられ、上半身をハルトの上半身へと合わる形で倒れ込んだ。
「……落ち着くかも」
「それなら嬉しいね? 私もゆあとくっついているのは、とても落ち着く行為だから」
「嬉しい」
「だからこそ、よくも出てきてしまうんだろうけど。……このまま動いても良い?」
「うん」
ゆあの了承を得て、ハルトはそのまま腰を動かした。騎乗位で上へ突き上げる形だが、今ゆあはハルトにしがみついている。その状態で腰を動かすたび、ゆあは今まで感じたことのない感覚を覚えていた。
「んんん、んぐ……うぅぅ……」
「気持ち良い?」
首を縦に振る。そのあとすぐにハルトの首筋へ顔を埋めた。
「それなら、このまま続けようか」
なにか返事をする間もなく、ハルトは手加減をしながら腰を動かし続ける。
「んんっ、うぅ……うぅぅぅ」
「……」
「あっ、あっ。うっ、うう……」
「……」
「んんん! んっ! はぁ、はぁ、はぁ……あっ」
「……」
「んんん……く、ぅ……ふぅ……ふぅ……ぅ……」
「……」
ハルトの耳元でゆあは殺すように声をあげている。その声色が変わる瞬間が、一番ゆあが感じている瞬間だとハルトは認識していた。そのため、声色が変わるとハルトはより強くゆあを下から突いた。一度だけではなく、何度も何度も途絶えることなく。浅く深く位置を変えながら動くと、少しずつゆあの身体がまるでその刺激から逃れるように上へ上へと逃げるように動いている。それに気が付いたハルトは、ゆあの腰へと腕を回し逃れられないように抱き締めた。
「ここがイイの?」
「うぅぅ……」
「じゃあ、もっとしてあげる」
「んうぅ……っ!」
眉間に皴しわを寄せて、ゆあは襲い来る快感に耐えていた。どうしたらいいのかわからない。ただこのまま続けられたとしたら、またイってしまうだろうということだけ理解していた。ナカを今の角度で擦られるたびに、気持ちの良いところに当たって声が出る。動くつもりが無くても身体が勝手に動いていく。下から両腕で押さえつけられてしまっては逃げることもできない。かといって、ハルトが途中でやめそうな気配もない。――つまり今、与えられている快楽から逃れるすべはなく、このまま最後まで受け入れるほかなかった。
(うぅぅぅ……もうダメ……いっそのこと……イきたい……)
このままハルトが動き続けてくれれば、この気持ち良いところを擦り続けてくれれば、もうイくことができる。そう思ったゆあは逃れることよりも気持ち良くなり続けることを選んだ。そう思ったら身体が楽になり、ふと力が抜ける。
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