【悲報】マッチ売りの少女♂とあるモノを売ってしまう

――本当はエロい、マッチ売りの少女♂

 スラム街で生まれ育った少年ノアは、悪友達にそそのかされてとある悪事に手を染めていた。

 美人局。

 女装して幸薄い美少女になりきり、マッチ片手に道行く紳士たちにこう声をかける。

『マッチいりませんか』

 これは隠語。
 同時にチラリと上目遣いでもして見せれば、汚らしい欲望の虜になった男どもは頬をだらしなくゆるませるだろう。

 そして誘われるがまま路地裏へ。

 待ち構えていたスラム街育ち半グレ悪ガキ共に脅されて、金目のものを巻き上げられるのだ。
 ああ恐ろしや。

 さて今日も今日とてアコギな金稼ぎ。

 ノアが獲物を物色していると、一人の男が彼の元に立った。

 それは息を飲む程に美しく。どこぞの軍神かその彫刻かと思うかのような肉体美の紳士であった。

「マッチ、もらおうか……すべて」

 少年の受難が始まる。
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