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街道を進んでいる四宮達だが、やはり時折見かける人々は野営の準備をしており、誰一人として移動している者はいなかった。
嫌でも高まる緊張感。
周囲を確認して誰の目にも止まっていない事、そして目の前にはあまり先を見通す事が出来ない深い森の中に、見た感じで危険が無い事を確認すると、決心する。
「お前ら、ここが正念場だ。一気に行くぞ。ダンジョンを生成後の召喚にどれくらい時間が必要かは分からねーが、可能な限り奥に進む。もし誰かが襲われた場合は、その瞬間にダンジョンの生成と召喚をする。良いな?」
一応リーダー格の金髪四宮の言葉には首肯するが、緊張のあまりか声は出ない。
「行くぞ」
そのままの勢いで、四人は一気に街道から森の中に入り込む。
四宮の作戦で日が落ちる前に森に入ったのは大正解であり、夜行性の魔物は危険度が高いと言われている。
そもそも街道近辺では危険な魔物は出てこない様に冒険者や騎士達によって定期的に巡回・駆除されていので、少し前に四宮達が見た巨大なネズミの魔物はレベル2であり、成り立て冒険者でも倒せる魔物だったりするのだが、この世界に来たばかりの永遠のレベル1では対処する事が出来なかった。
「はぁ、はぁ……」
少しでも街道から距離を取るために、必死で足を動かしている四人。
周囲の警戒など方法も分からないので出来るわけもなく、道なき道をひたすら移動している。
全力疾走できる様な道ではないので、現時点でどれ程街道から距離を取れたかもわからない。
浮かれていた所から一瞬で恐怖の谷底に落とされた感覚の四人だが、その恐怖から逃れるためにひたすら進む。
その内、かろうじて差し込んでいた光もなくなると移動する事は困難になるのだが、幸か不幸か、ここまでに魔物に襲われる事は無かった。
丁度夜行性の魔物は起き始める時であり、昼行性の魔物は身の安全を確保するべく隠れている時だったのだ。
この世界の人々はその辺りの知識が有るので、魔物に襲われる可能性が極めて低いこの時間に、安全に野営の準備をしていたのだ。
当然早朝にも同じ事が言えるのだが、そのおかげで相当距離を安全に稼ぐ事が出来ている四人。
「はぁ、はぁ、これ以上は進めねー。いつ襲われるか分からねーから、直ぐやるぞ!出でよコア!」
四宮の声と共に、胸から出て来る丸い物体。
残りの三人も同時にコアを出してダンジョンを生成する。
「「「「ダンジョン生成」」」」
すると、各自の頭の中に地上型か地下型かを選ぶようなメッセージが出る。
「出流君。地上と地下、どうするの?」
「全員同じじゃ芸がねーだろ。リスク分散のために俺と辰巳は地上、春香と岡島は地下を選択しろ!」
男が地上型、女が地下型のダンジョンを選択するように指示すると、四宮の指示通りに各自が選択してダンジョンが生成された。
確かに神が言っていた通り、地上型はぼろい小屋の様な者であり、地下型は少し開けた洞窟。
それも、二つのぼろい小屋の直ぐ横に穴があると言う形で、どう見ても怪しい場所になっている。
「チッ、本当にボロ屋じゃねーかよ。だが、これからだ。俺は四天王を選択するぜ。お前らも好きに呼び出しておけ」
各自が、自らの命とも言えるコアが保管されているダンジョンに入って眷属を召喚する。
他の三人を放っておき急ぎ取り敢えず状況を確認しようとする四宮は、かろうじて小屋のように見える空間に入る。
少し広めの部屋の奥に、壁に溶け込むようによく見なければ見つけられそうにない壊れそうな扉が一つだけ。
何故かこの小屋の中の状況は全て理解できている四宮は迷う事なくその扉を開けると、その小さな部屋には先ほどまで自らの体内に保管していたコアが設置されている。
「で、眷属召喚!」
そう唱えると、頭の中に情報が出てくる。
<四天王><三傑>
「なんだよ、これじゃあ獣に襲われていたら、眷属を呼ぶ前に死んでるじゃねーかよ!」
即座に呼び出せない状況になっている事に腹を立てつつも、<四天王>を選択する四宮。
<男><女>
次に性別の選択が表示され、<女>×4を選択するのだが、その後の表示に一瞬眉を顰める。
<保有レベル30>
と言う表示が、頭の中に浮かんできた。
嫌でも高まる緊張感。
周囲を確認して誰の目にも止まっていない事、そして目の前にはあまり先を見通す事が出来ない深い森の中に、見た感じで危険が無い事を確認すると、決心する。
「お前ら、ここが正念場だ。一気に行くぞ。ダンジョンを生成後の召喚にどれくらい時間が必要かは分からねーが、可能な限り奥に進む。もし誰かが襲われた場合は、その瞬間にダンジョンの生成と召喚をする。良いな?」
一応リーダー格の金髪四宮の言葉には首肯するが、緊張のあまりか声は出ない。
「行くぞ」
そのままの勢いで、四人は一気に街道から森の中に入り込む。
四宮の作戦で日が落ちる前に森に入ったのは大正解であり、夜行性の魔物は危険度が高いと言われている。
そもそも街道近辺では危険な魔物は出てこない様に冒険者や騎士達によって定期的に巡回・駆除されていので、少し前に四宮達が見た巨大なネズミの魔物はレベル2であり、成り立て冒険者でも倒せる魔物だったりするのだが、この世界に来たばかりの永遠のレベル1では対処する事が出来なかった。
「はぁ、はぁ……」
少しでも街道から距離を取るために、必死で足を動かしている四人。
周囲の警戒など方法も分からないので出来るわけもなく、道なき道をひたすら移動している。
全力疾走できる様な道ではないので、現時点でどれ程街道から距離を取れたかもわからない。
浮かれていた所から一瞬で恐怖の谷底に落とされた感覚の四人だが、その恐怖から逃れるためにひたすら進む。
その内、かろうじて差し込んでいた光もなくなると移動する事は困難になるのだが、幸か不幸か、ここまでに魔物に襲われる事は無かった。
丁度夜行性の魔物は起き始める時であり、昼行性の魔物は身の安全を確保するべく隠れている時だったのだ。
この世界の人々はその辺りの知識が有るので、魔物に襲われる可能性が極めて低いこの時間に、安全に野営の準備をしていたのだ。
当然早朝にも同じ事が言えるのだが、そのおかげで相当距離を安全に稼ぐ事が出来ている四人。
「はぁ、はぁ、これ以上は進めねー。いつ襲われるか分からねーから、直ぐやるぞ!出でよコア!」
四宮の声と共に、胸から出て来る丸い物体。
残りの三人も同時にコアを出してダンジョンを生成する。
「「「「ダンジョン生成」」」」
すると、各自の頭の中に地上型か地下型かを選ぶようなメッセージが出る。
「出流君。地上と地下、どうするの?」
「全員同じじゃ芸がねーだろ。リスク分散のために俺と辰巳は地上、春香と岡島は地下を選択しろ!」
男が地上型、女が地下型のダンジョンを選択するように指示すると、四宮の指示通りに各自が選択してダンジョンが生成された。
確かに神が言っていた通り、地上型はぼろい小屋の様な者であり、地下型は少し開けた洞窟。
それも、二つのぼろい小屋の直ぐ横に穴があると言う形で、どう見ても怪しい場所になっている。
「チッ、本当にボロ屋じゃねーかよ。だが、これからだ。俺は四天王を選択するぜ。お前らも好きに呼び出しておけ」
各自が、自らの命とも言えるコアが保管されているダンジョンに入って眷属を召喚する。
他の三人を放っておき急ぎ取り敢えず状況を確認しようとする四宮は、かろうじて小屋のように見える空間に入る。
少し広めの部屋の奥に、壁に溶け込むようによく見なければ見つけられそうにない壊れそうな扉が一つだけ。
何故かこの小屋の中の状況は全て理解できている四宮は迷う事なくその扉を開けると、その小さな部屋には先ほどまで自らの体内に保管していたコアが設置されている。
「で、眷属召喚!」
そう唱えると、頭の中に情報が出てくる。
<四天王><三傑>
「なんだよ、これじゃあ獣に襲われていたら、眷属を呼ぶ前に死んでるじゃねーかよ!」
即座に呼び出せない状況になっている事に腹を立てつつも、<四天王>を選択する四宮。
<男><女>
次に性別の選択が表示され、<女>×4を選択するのだが、その後の表示に一瞬眉を顰める。
<保有レベル30>
と言う表示が、頭の中に浮かんできた。
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楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
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