君の声が好き!
中学入学直前の春休み、公園であたし佐倉遥香を助けてくれた、顔も名前もわからない男の子は、あたしの好みどストライクな声の持ち主だったの!
中学の入学式でその声の持ち主――逢坂祐樹先輩を見つけたあたしは、お近づきになるために生徒会に入ることにしたんだ。
「あのさあ遥香ちゃん……よかったら僕と付き合ってほしいんだけど」
生徒会活動初日の帰り道、あたしにそう言ってくれたのは、逢坂先輩――ではなく、彼の弟の爽太くん。
会ったばかりなのに、どうして?
不愛想な逢坂先輩とは対照的に、明るく誰にでもフレンドリーな爽太くん。
誰かを好きになるっていう気持ちがまだわからなくて、ちゃんと断ったのに、「僕がわからせてみせる」なんて言われちゃって。
本当は、爽太くんのことを好きになれれば幸せになれるのかもしれない。
そう思うのに、なぜか逢坂先輩のことが気になってしまう自分がいる。
あたしが好きなのは、先輩の『声』だけ。
好きとかそんなんじゃない。
ずっとそう思っていたのに、いつしか彼自身に惹かれる自分に気づいて――。
声からはじまる初恋のおはなしです。
「第1回きずな児童書大賞」応募作です。
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