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2章:日本へ戻ってきました
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『魔法はイメージ力で、っていうのも合ってるし、科学っていうのも合ってる。なんならプログラム言語とかも行けるね。こっちに移動する魔法陣だって、あれ、あの世界…リュリュクスっていうんだけど、リュリュクスのどこそこに行きたい、っていうそれだけだよ』
うわぁ…そんな簡単なモノでいけちゃうって、どうなの…
『だから、あの世界の魔法がなんであそこまで発達しないかが分からなくてさ。何か認識違いなのかな』
「…聞かれましても」
『あー…そうだね。一応、キルギスさんから聞いたと思うけど、異世界人の魔力が暴走して、っていうやつも多分そんな簡単なモノだと思うんだよね。怒りとか』
…大丈夫なのかそれ。いつでも暴発できるじゃないか。
『ま、何かあったら逃げる為に使えるように教えておくだけだから』
「あっちに行かなければいいだけなのでは」
『確かにね~でも、あっちはあっちで楽しいし。キャンプするんでしょ。獲れたてのジビエ肉とかどう?』
…えーと…それはそれで難易度高いんだけど。捌けないんだけど。というか、そこまでキャンプに求めてない。
『本格的なキャンプが手軽に出来るよ。どう?』
「そこまでしてキャンプしたい訳ではないので」
『駄目?でもほら、こっちで生活するより安泰だよ?』
安泰って…そもそも、私が捌くのは勿論だけど、倒したりとか出来るとは思えないし。
『キルギスさんから果物とか屋台とか楽しんだと聞いたんだけど、こっちではあそこまで強烈な果物とかないよー食べに行こうよ』
くっ…それを言われるとちょっとふらっとしてしまう。でも、あれは海外旅行!滅多に行けないから楽しいのであって!
「あれは夢だったと思う事にしてます」
『うーん、しょうがないかぁ。もし気が変わったら連絡して。手助け出来るし』
と、そう言われたのだけれど…後日、松田さんから謝罪された。偽装結婚の話をキルギスさんに言ったら、失礼な事を言うなと物凄く怒られたのだとか。
それはともかくとして…あの世界の事を説明された。松田さんは、ハンターとして活動してるけど、山には獣の他に、魔力でおかしくなった魔物とかもいて、それを狩るのがハンターなのだとか。
あと、魔物にまではなってないけど、強い個体が生まれて食物連鎖を崩したり、強い個体から逃げ出した獣による被害があった場合に対処したり。頻度はこっちとは比べ物にならない程…それで生活が成り立つ程らしい。
『一応、自警団っぽい事もするらしいんだけどね。対人は無理って言って、断ってる』
商人の護衛とかもあるらしいけど、盗賊とかね…なくはないのだとか。本当はえり好み出来ないらしいけど、そこは機関、というか、キルギスさんの実家の権力がモノを言うらしい…
異世界から来た、という理由もあるらしいけど。異世界人だというと、優しくされたり、飲食店なんかだとサービスしてくれたりするのだという。
『きっと世界規模での囲い込みの一環だと思うんだけど』
ぽつりとそんな怖い事を言わないで欲しい。ただの善意だと思ってるとも言うけど…善意であって欲しい。
『だからさぁ、キルギスさんの実家もすっごい力になってくれるし、その末っ子だよ~めっちゃくっちゃ家族からも可愛がられてるっぽいんだよね~』
「いえ、あの…行きませんし、そもそもキルギスさんの気持ちとか」
他にも勘違いしないようにとか、釘刺されたりしまくった事を言えば、あらら。と結構軽い反応。
『まーあそこら辺の人だとそうなるよねぇ。だからかな、キルギスさんはご実家からは離れたいらしいんだよね』
どういう事だろうと聞いてみれば。
『ご実家の権力とか、あとはあの見た目とかで良い思いしてないらしくてさ。そうはいっても、国の重鎮だから、国から離れない限りはついて回るんだけど、そういう色眼鏡で見ない人の方がいいんじゃないかなって』
「色眼鏡、ですか」
『うん。だからさ、異世界から来た女性が来たら、おすすめしようと思ってたんだよね~』
同じ日本人で良かった、といって笑うけど…おい、それって…
『恩人には幸せになって欲しいでしょ』
友達に女の子紹介するような、そんな手口じゃないか!
うわぁ…そんな簡単なモノでいけちゃうって、どうなの…
『だから、あの世界の魔法がなんであそこまで発達しないかが分からなくてさ。何か認識違いなのかな』
「…聞かれましても」
『あー…そうだね。一応、キルギスさんから聞いたと思うけど、異世界人の魔力が暴走して、っていうやつも多分そんな簡単なモノだと思うんだよね。怒りとか』
…大丈夫なのかそれ。いつでも暴発できるじゃないか。
『ま、何かあったら逃げる為に使えるように教えておくだけだから』
「あっちに行かなければいいだけなのでは」
『確かにね~でも、あっちはあっちで楽しいし。キャンプするんでしょ。獲れたてのジビエ肉とかどう?』
…えーと…それはそれで難易度高いんだけど。捌けないんだけど。というか、そこまでキャンプに求めてない。
『本格的なキャンプが手軽に出来るよ。どう?』
「そこまでしてキャンプしたい訳ではないので」
『駄目?でもほら、こっちで生活するより安泰だよ?』
安泰って…そもそも、私が捌くのは勿論だけど、倒したりとか出来るとは思えないし。
『キルギスさんから果物とか屋台とか楽しんだと聞いたんだけど、こっちではあそこまで強烈な果物とかないよー食べに行こうよ』
くっ…それを言われるとちょっとふらっとしてしまう。でも、あれは海外旅行!滅多に行けないから楽しいのであって!
「あれは夢だったと思う事にしてます」
『うーん、しょうがないかぁ。もし気が変わったら連絡して。手助け出来るし』
と、そう言われたのだけれど…後日、松田さんから謝罪された。偽装結婚の話をキルギスさんに言ったら、失礼な事を言うなと物凄く怒られたのだとか。
それはともかくとして…あの世界の事を説明された。松田さんは、ハンターとして活動してるけど、山には獣の他に、魔力でおかしくなった魔物とかもいて、それを狩るのがハンターなのだとか。
あと、魔物にまではなってないけど、強い個体が生まれて食物連鎖を崩したり、強い個体から逃げ出した獣による被害があった場合に対処したり。頻度はこっちとは比べ物にならない程…それで生活が成り立つ程らしい。
『一応、自警団っぽい事もするらしいんだけどね。対人は無理って言って、断ってる』
商人の護衛とかもあるらしいけど、盗賊とかね…なくはないのだとか。本当はえり好み出来ないらしいけど、そこは機関、というか、キルギスさんの実家の権力がモノを言うらしい…
異世界から来た、という理由もあるらしいけど。異世界人だというと、優しくされたり、飲食店なんかだとサービスしてくれたりするのだという。
『きっと世界規模での囲い込みの一環だと思うんだけど』
ぽつりとそんな怖い事を言わないで欲しい。ただの善意だと思ってるとも言うけど…善意であって欲しい。
『だからさぁ、キルギスさんの実家もすっごい力になってくれるし、その末っ子だよ~めっちゃくっちゃ家族からも可愛がられてるっぽいんだよね~』
「いえ、あの…行きませんし、そもそもキルギスさんの気持ちとか」
他にも勘違いしないようにとか、釘刺されたりしまくった事を言えば、あらら。と結構軽い反応。
『まーあそこら辺の人だとそうなるよねぇ。だからかな、キルギスさんはご実家からは離れたいらしいんだよね』
どういう事だろうと聞いてみれば。
『ご実家の権力とか、あとはあの見た目とかで良い思いしてないらしくてさ。そうはいっても、国の重鎮だから、国から離れない限りはついて回るんだけど、そういう色眼鏡で見ない人の方がいいんじゃないかなって』
「色眼鏡、ですか」
『うん。だからさ、異世界から来た女性が来たら、おすすめしようと思ってたんだよね~』
同じ日本人で良かった、といって笑うけど…おい、それって…
『恩人には幸せになって欲しいでしょ』
友達に女の子紹介するような、そんな手口じゃないか!
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