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4章:偽装結婚を提案されました

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 なんかもう松田さんの考え方がぶっとびすぎてどうしようかと。いや、まあ…事務所構えてそこにわざわざ私が出向いて話をするより、よっぽど変じゃないんだけどね。ただのお付き合いとかだと、どうしてもデートになるだろうし、そうするとレストランやらカフェやらになるから、結局結界を張るにしても色々大変なんだろうなとは思う。

「あと、問題としてはご両親に挨拶するのに、出会いは~とか俺の仕事とかを偽装しないといけないことなんだけど、とりあえずそこらへんは家借りてからかな。ちなみにいきなり会社やめられないよね?」
「それはもちろん、っていうか…仕事辞める前提ですか」
「やめる前提というか辞めないとでしょ。これまで通り土日だけ向こうに行く気だった?」

 …そこらへんもまだよく考えてなかったなぁ。でも今いきなりやめるとか言いませんでした?

「向こうで仕事探すとか考えてたみたいだからさぁ。仕事考えるより先にやめる事考えた方がいいかなって。まあ、やめる理由として結婚するからっていう理由は使えるけど」
「ああ…なるほどそれは使える」
「彼の家が北海道なので、っていう理由も使えるね。ただ距離離れすぎてて出会いはとか色々聞かれるよねやっぱ」

 うわぁ…すっごく理由を考えるの大変だ…友人からの紹介っていうのも…いや、特にどの友達からっていう必要ないか。意外といけるかも??全部言わなくても濁せばいける…?
 と、ぐるぐる考え始めてしまったけど、まだまだ話は続く訳で。

「とりあえず仕事いつ辞めるか考えておいて。一応向こうに生活の主体が変わるだろうからこっちの生活資金は俺が持つよ」
「え、でも…」
「隙間時間で稼げる何かを探してもいいけどねぇ。こっちにはどうせいないだろうし。海外の家賃位じゃないかな。でも俺もそれ使うわけだし気にしないで」

 先輩にまかせなさい!と言われてその言葉に甘える事にした。異世界との二重生活は、松田さんの方が長いしね…しっかし、ほんとこんなことになるなんて思ってなかったな。そもそも向こうに行く気なかったしね…ああ、そう考えたら向こうへ引き込んだ責任として資金提供はありなのか。
 と、開き直って図々しく行くことにしたけども。



 松田さんが用意した部屋は2LDKの小さな部屋で。私の部屋は大き目の15畳だけど、松田さんの部屋は6畳という謎な部屋だった。普通どっちも同じような大きさになると思うんだけどよくこんな部屋あったな!?リビングも10畳なので小さなテーブルを置くと話をするのにちょうどいい。
 一応結婚に向けて6畳の部屋は子供が出来たら~という考えの元で借りたらしい。松田さんの部屋は、一応ちょっとした荷物置きで使うし、主に私がこちらでの生活の為に使えばいいということだった。

「インベントリあるから引っ越しは楽でしょ。まあ、それも偽装する必要はあるけど…深く考えないで箱詰めしていいよ」

 そういえばそうだった。インベントリというか、アイテムボックスというか…便利すぎるでしょう。重たい物とか楽できるわこれ。
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