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大好きな色(ヒロイン54と連動)
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うーん。守る為、と言ったら、何故かっこいいと言われるのでしょうか。血なまぐさい事ばかりですし、我が君は吐きますが。実態を知らないって怖いですねぇ。何気にネルア嬢の方が実態を分かっているような気がしますね…
段々と子供達がさわぎだしますが…院長が大きい声で、読み聞かせを始めるという。
「楽しみです」
「み、見えない所でとお願いしましたよね」
「遠くから、ですよ」
ネルア嬢に言われたことを訂正すれば、何やら焦っている様子ですが…ごまかそうと思っても駄目ですよ。見えない所なんて了承する訳がないでしょう?
まあ、遠くといっても…馬車から降りた時にぱっと見た感じでは、そこまで広い庭でもないですし…これ位の範囲であれば、支障ありませんね。視覚も、聴覚も、どちらも問題ありません。
「椅子はどうしましょう。その服ですと…」
と、そんな考えを巡らせていると、院長がそう聞いてくる。椅子?
「椅子?運ぶのですか?」
「い、いえ…その、いつもは…木箱とか、あの遊具とかに座りますの。ただ、今日の服装ですとひっかけたり汚れたり…」
運ぶのであれば運びますが。執事もいますしね。ですが、そういう問題ではなかったようで。汚れは魔術でなんとでもなりますが…ひっかける、となると…確かに困りますかね。私の上着は武装がありますし…ちらりと執事を見ますが…
「ああ……お前、武装、なんでしたっけ」
「無理ですよ」
ですよねぇ…武装だけではなく、薬とかそういうモノを持ってるでしょうし。私ももちろん持ってますよ。と、すると…馬車に私の騎士服があるはずですので…一応、何かの時用に、入れてあるんですよ。
「仕方ないですね。私のそれ、馬車に入れてありますよね?取ってきなさい」
「かしこまりました」
「えぇと…」
ネルア嬢が、茫然としてますが…にこりと笑って、
「では、あの遊具まで行きましょう。今敷物、持って来ますので」
言いながら、ネルア嬢の手を取って、外へと促し、遊具へと向かう。
遊具へとゆっくり向かうと、丁度執事が私の騎士服を持って来ましたね。それを遊具へと掛ければ、ネルア嬢の手がびくりと震える。
「これは…いけませんわ」
困ったような顔をして言われますが、何も問題ありませんので。
「大丈夫ですよ。しょっちゅう汚れますし、魔術で綺麗にできますので」
「いえ、ですが…」
「頑丈ですし、問題ありません。どうぞ?」
「あの、でも」
最近は流石に減りましたけれど…ああ、これは新調したばかりですから、まだ遭遇したことはないですが…血を浴びる事もありますのでね。
しかし、あまりに渋るのであれば…上着がいけないのでしょうか。
「これはあれですかね。マントの方がよかったでしょうか」
「儀礼用のですか?流石にあれは王都にありますので、無理ですよ」
「いえ、ルーヴェリア様からいただいた、」
「ありがとうございます、使わせていただきます」
あれ。もう少し渋ってくれれば、ルーヴェリア様から頂いた、ルーヴェリア様の色のマントに座っていただけたのに。仕方ないですね。
「ルーヴェリア様からいただいた、私の身分を示す青い色のマントの上にネルア嬢とか、もうご褒美以外のなにものでもないですよねぇ」
段々と子供達がさわぎだしますが…院長が大きい声で、読み聞かせを始めるという。
「楽しみです」
「み、見えない所でとお願いしましたよね」
「遠くから、ですよ」
ネルア嬢に言われたことを訂正すれば、何やら焦っている様子ですが…ごまかそうと思っても駄目ですよ。見えない所なんて了承する訳がないでしょう?
まあ、遠くといっても…馬車から降りた時にぱっと見た感じでは、そこまで広い庭でもないですし…これ位の範囲であれば、支障ありませんね。視覚も、聴覚も、どちらも問題ありません。
「椅子はどうしましょう。その服ですと…」
と、そんな考えを巡らせていると、院長がそう聞いてくる。椅子?
「椅子?運ぶのですか?」
「い、いえ…その、いつもは…木箱とか、あの遊具とかに座りますの。ただ、今日の服装ですとひっかけたり汚れたり…」
運ぶのであれば運びますが。執事もいますしね。ですが、そういう問題ではなかったようで。汚れは魔術でなんとでもなりますが…ひっかける、となると…確かに困りますかね。私の上着は武装がありますし…ちらりと執事を見ますが…
「ああ……お前、武装、なんでしたっけ」
「無理ですよ」
ですよねぇ…武装だけではなく、薬とかそういうモノを持ってるでしょうし。私ももちろん持ってますよ。と、すると…馬車に私の騎士服があるはずですので…一応、何かの時用に、入れてあるんですよ。
「仕方ないですね。私のそれ、馬車に入れてありますよね?取ってきなさい」
「かしこまりました」
「えぇと…」
ネルア嬢が、茫然としてますが…にこりと笑って、
「では、あの遊具まで行きましょう。今敷物、持って来ますので」
言いながら、ネルア嬢の手を取って、外へと促し、遊具へと向かう。
遊具へとゆっくり向かうと、丁度執事が私の騎士服を持って来ましたね。それを遊具へと掛ければ、ネルア嬢の手がびくりと震える。
「これは…いけませんわ」
困ったような顔をして言われますが、何も問題ありませんので。
「大丈夫ですよ。しょっちゅう汚れますし、魔術で綺麗にできますので」
「いえ、ですが…」
「頑丈ですし、問題ありません。どうぞ?」
「あの、でも」
最近は流石に減りましたけれど…ああ、これは新調したばかりですから、まだ遭遇したことはないですが…血を浴びる事もありますのでね。
しかし、あまりに渋るのであれば…上着がいけないのでしょうか。
「これはあれですかね。マントの方がよかったでしょうか」
「儀礼用のですか?流石にあれは王都にありますので、無理ですよ」
「いえ、ルーヴェリア様からいただいた、」
「ありがとうございます、使わせていただきます」
あれ。もう少し渋ってくれれば、ルーヴェリア様から頂いた、ルーヴェリア様の色のマントに座っていただけたのに。仕方ないですね。
「ルーヴェリア様からいただいた、私の身分を示す青い色のマントの上にネルア嬢とか、もうご褒美以外のなにものでもないですよねぇ」
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