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23 雨の日に ルイスside1
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それから、僕の授業がない週に一度、僕たちは会って一緒に時を過ごした。フィーと初めて会った時に彼女が見上げていたつぼみは、やがて満開になって散っていった。舞い散る花びらに囲まれてはしゃぐフィーは、森の妖精ではなく今度は花の妖精のように見えた。
何回も会っているうちに、僕はフィーのことが好きなのだと、初めて会ったあの日に恋に落ちたのだと自覚した。
そんな僕の気持ちはジェームズにはお見通しだったようだ。
「僕はフィーに会えると嬉しくなって、フィーの笑顔を見るともっと笑顔が見たい、いつも笑っていてほしいと思うんだ。こんな気持ちは初めてだ。これが恋というものなのだろうか」
僕が悩んだ末にジェームズに打ち明けると、ジェームズはくすりと笑った。
「ルイス様はフィー様にお会いになっている時が一番生き生きとしていらっしゃいます。ルイス様のお考えになっている通りかと」
ジェームズに客観的に僕がどう見えていたのかを聞かされて、僕は赤面してジェームズから逃げた。
雨の日はフィーと会う約束はキャンセルだ。フィーと話し合って決めたことだったが、雨が降ると僕はふてくされて一日中ベッドの上でごろごろして過ごした。フィーも僕と会えなくて寂しいと思ってくれているだろうか。
雨の音を聞きながら、フィーのことばかり考えた。
フィーが僕の立場を目当てに友だちになったのではないかという疑念はもう浮かばなくなっていた。何度も会っているが、彼女からそのような気配を感じたことはなかった。
フィーは僕のことを純粋に友だちだと思ってくれている。僕もフィーに対して確かに友情も感じている。しかし、僕の気持ちはそれだけではない。
フィーが僕のことを好きになってくれたら。フィーと両想いになれたら。そんなことが思い浮かぶたびに、その考えを必死に投げ捨てる。
考えてはいけない。期待してはいけない。僕は公爵家の後継者だ。いずれ公爵家にふさわしい女性を妻として公爵家を継ぐ。貴族ではない女性と結婚することはできない。貴族であったとしても子爵令嬢や男爵令嬢であれば、その人脈や領地の特産品など、なんらかのメリットがなければ選ぶことはできない。
愛する人と結婚すれば、僕は幸せかもしれない。でも公爵夫人にふさわしい身分を持たない女性と結婚すれば、苦労するのは愛する人や、家族や、使用人たちや、公爵領の領民たちだ。領民たちの生活を守るのが、僕たち貴族の義務だ。
何回も会っているうちに、僕はフィーのことが好きなのだと、初めて会ったあの日に恋に落ちたのだと自覚した。
そんな僕の気持ちはジェームズにはお見通しだったようだ。
「僕はフィーに会えると嬉しくなって、フィーの笑顔を見るともっと笑顔が見たい、いつも笑っていてほしいと思うんだ。こんな気持ちは初めてだ。これが恋というものなのだろうか」
僕が悩んだ末にジェームズに打ち明けると、ジェームズはくすりと笑った。
「ルイス様はフィー様にお会いになっている時が一番生き生きとしていらっしゃいます。ルイス様のお考えになっている通りかと」
ジェームズに客観的に僕がどう見えていたのかを聞かされて、僕は赤面してジェームズから逃げた。
雨の日はフィーと会う約束はキャンセルだ。フィーと話し合って決めたことだったが、雨が降ると僕はふてくされて一日中ベッドの上でごろごろして過ごした。フィーも僕と会えなくて寂しいと思ってくれているだろうか。
雨の音を聞きながら、フィーのことばかり考えた。
フィーが僕の立場を目当てに友だちになったのではないかという疑念はもう浮かばなくなっていた。何度も会っているが、彼女からそのような気配を感じたことはなかった。
フィーは僕のことを純粋に友だちだと思ってくれている。僕もフィーに対して確かに友情も感じている。しかし、僕の気持ちはそれだけではない。
フィーが僕のことを好きになってくれたら。フィーと両想いになれたら。そんなことが思い浮かぶたびに、その考えを必死に投げ捨てる。
考えてはいけない。期待してはいけない。僕は公爵家の後継者だ。いずれ公爵家にふさわしい女性を妻として公爵家を継ぐ。貴族ではない女性と結婚することはできない。貴族であったとしても子爵令嬢や男爵令嬢であれば、その人脈や領地の特産品など、なんらかのメリットがなければ選ぶことはできない。
愛する人と結婚すれば、僕は幸せかもしれない。でも公爵夫人にふさわしい身分を持たない女性と結婚すれば、苦労するのは愛する人や、家族や、使用人たちや、公爵領の領民たちだ。領民たちの生活を守るのが、僕たち貴族の義務だ。
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