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手記 P.1 ××××年××月××日
しおりを挟むあるところに星屑がちりばめられたような輝く銀髪とオーロラを閉じ込めたような色の瞳を持つ、とても美しい容姿をした少年がいました。その少年は生まれつき目が不自由でしたが貴族の家でありながら家族仲が良好で、毎日幸せに暮らしていました。
その少年が4歳の誕生日を迎えて少し経った時から、彼の両親がとあることに気づきました。それは、少年が少し先の未来を見る特殊能力を持っているということです。少年の両親は様々な文献を調べた結果、過去に1人しか例がない能力で天眼と呼ばれる能力だということを知りました。少年の母が特殊な能力を持っていた巫女の血族で、たまに先祖返りと呼ばれる特殊能力を持った女の子が生まれる家系だった影響があったのかもしれません。ただし、少年は女の子ではなく男の子だったため理由は定かではありませんでした。とりあえず、少年の力が周りにバレて悪用されることを恐れた両親は、少年に善悪の判断がつくまでは外に出さないことにしました。
少年を家に閉じ込める時間を少しでも短くしてあげたいという両親の思いにより、少年が5歳になった時には、普通の子が7歳から始めるような勉強が始まりました。両親は少年を溺愛していたため、こんなに幼くから厳しく勉強させることを心苦しく思っていましたが両親の心配とは裏腹に、少年はどんどん知識を吸収していきました。それこそ、専属の教師たちから神童と呼ばれるほどでした。
その功績は6歳で初等部過程修了、7歳で中等部に飛び級入学して1年で過程修了、8歳も高等部に飛び級入学して1年で過程修了、9歳からは研究者に名を連ねるようになる というとんでもない優秀さで、神子とまで噂されるようになりました。
少年が9歳になって半年経ったくらいの時、両親が急を要する出張で1ヶ月ほど家を空けることになりました。その間に領地の仕事が父親の書斎に溜まっていくのを見た少年は大好きな両親の役に立って喜ばせたいと思い、両親に手紙で連絡しました。最初は渋っていた父親も、少年の熱い思いがつづられた手紙を読んで、出張に行っている間だけ仕事を任せることにしました。少年は自身の頭脳をフル稼働させて帰ってきた両親を喜ぶ顔が見たいと、領地の問題をどんどんと解決していきました。
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