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第7章 大陸編

爆裂

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 「ヤオさんタオさんお疲れさまでした。流石ですねアレを使えるようになっていたなんて」

 「お褒めいただき至極恐悦にございます」

 「おい、婆。あいつらはどうなったんだ?」

 優し気な笑顔で戦いを終えた二人を出迎えたセナに二人も嬉しそうにしていたところ、エイケンが何をやったのかたずね二人は気がそれてげんなりしながら言葉少なく説明した。

 「はぁ~、あの呪にございますが、先に出したあの霧は吸い込むと頭の中を壊すのでございます」

 「はぁ?」

 「体の自由を奪い幻覚と幻聴などを引き起こすのですわ」

 「おっかねぇなぁ!しかしよ?それでもいづれ死ぬだろ?さっきおめぇらあいつらは死ねねぇって言ってなかったか?」

 「それは体の自由と感覚を奪ったのが確認できましたので霧にまぎれ我らのも同時に体内へと」

 「げっ!えげつねぇな…」

 「まわりにある魔素を吸収させるため地に蛇を根のようにも張らせてあるゆえと申したのにございます」

 ヤオとタオの説明を聞きエイケンは気持ち悪そうな顔をし相手の二人に相手が悪すぎたと同情すらした。

 「さて?まだ続けられますかな?」

 「当然です!次はメイソン!」

 「ふむ、ではこちらは……」

 「とうぜん私ですよね?先生」

 「ふむ、ではこちらはコニー」

 アキラが小ばかにしたように尋ねるとバランは悔しそうにしながら小太りの男メイソンを指名した。

 「おっとその前に、ヤオ君、タオ君これをお返しするよ」

 魔封じの球をアキラが広い二人に手渡した。

 「では改めて第3戦 メイソン、コニーの対戦を開始する。はじめ!」

 「子供をいたぶる趣味はないが俺が負けるとこちらの負けが確定してしまう故、すまんが死んでくれ」

 「紳士面していても私にはわかりますよ?」

 「なに?」

 「あなた…とてつもない変態ですね?すましていますが私を見る目が違います。非常に下衆い目をしてなめるように見ていますし、高揚している心を抑えきれず先ほどから口元がゆがんでいますし、顔も紅潮しっぱなしですよ?
断言します、あなたは正真正銘の大変態です!」

 メイソンと向かい合ったコニーがびしっと指をさし力強く言い切った。

 「コニーの野郎は…なにをバカなことを……」

 「なっ!なぜバレたんだっ!?貴様!子供だと思って油断していたがさては心を読めるのかっ!?」

 「は?……マジかぁ~」

 エイケンがあきれていると事実がばれメイソンが盛大にうろたえた。

 「くそっ!ばれてしまっては仕方ない!俺の魔法でお前を手に入れてやる!」

 「うわぁ……残念ながら私はセナ様専用なのでご希望にはお答えできませんよ?」

 「せ、専用!?どいつだ!どいつがそんなうらやましいことをしていやがる!」

 「メイソン!そんなことはいいから早く戦いなさい!」

 しびれを切らしたバランの言葉でメイソンが我に返った。

 「まぁ…あとでバーバラ様にお頼みしてお前を俺のとりこにしてやるが、今は戦いに集中してやる」

 「決め顔までキモイです……セナ様…助けてください」

 「コニー……がんばって……」

 「なにっ!?そいつがお前の主なのか!?そんなやつの専用だというのかっ!?」

 「あ゛ぁ?…そんなやつ?…すいませんが今もしかしてセナ様のことをそんなやつといったんですか?」

 あまりの気持ち悪さについセナに懇願の目をして助けを求めたコニーだったがメイソンがセナを指さし激高すると額に血管を浮かばせ怒りに満ちた笑顔をうかべた。

 「おい!まさかさっきの双子の主もあいつだということはないよな?」

 「あいつ…ふぅ~…まあいいです…そうですが?ヤオさんタオさんそして私の主はあそこにいるセナ様です」

 「なんだと!?あんな女みたいな顔をした優男が主だと!?ふざけるな!男らしさのかけらもないじゃないかっ!どんな弱みを握られてるんだ!?」

 怒りを必死に抑え込んで答えたコニーだったが最後の言葉に我慢の限界を超えあたりにも聞こえるほどコニーの何かが切れる音が聞こえたようだった。

 「……先生…結界で囲ってください……」

 「ふむ、バラン殿被害が外に漏れぬよう二人を結界で囲うがよろしいな?」

 「なに?」

 「大丈夫、ただの多重結界です。二人に作用することはありません」

 「もし何かあれば不戦勝とさせていただきますぞ?」

 「わかりました。では結界をはります」

 アキラが地面に手をついて幾層もの複雑な結界を一瞬で作り出した。

 「コニー、もう大丈夫だよ」

 「……ありがとうございます」

 「馬鹿が!結界を貼れば逃げ道がなくなるぞ!あきらめたのか?」

 うつむいたまま、つぶやく様に礼を言うコニーにメイソンが不敵に笑いながら言った。

 「後悔するのはあなたのほうです……」

 「はっ!俺の魔法はこういう場でこそ力を発揮する!いくぞ!『溶解毒アシッドメルト!』」

 「っ!?…これは?」

 メイソンが右手から毒々しい液体を飛ばしコニーは躱し切れずスカートの裾に液体がかかるとその部分がブスブスと溶け始めた。

 「どうだ!俺の固有魔法だ!」

 「……固有まで変態ですね……」

 「なんとでもいえ!任意で溶かす強さを変えられる!まずはお前を裸にひん剥いてやる!」

 見下すように見たコニーに激高したメイソンがマシンガンのように溶解液を打ち込んだ。

 「素肌にあたるとそれなりにひりつきますね…」

 「ほぅ…見た目によらず大人びた下着をつけているじゃないか…はぁはぁはぁ…」

 かわし切れず数発食らってしまったコニーの服は右胸のあたりと左腰のあたりにこぶし大の穴が開いてしまい黒い下着がチラチラとみえメイソンが目を血走らせ興奮したように言ってきた。

 「ほんとキモすぎです」

 「うるさい!次はもう少し強めに溶かして中身もみてやるっ!」

 「……残念ながら中をみれるのはセナ様だけです。サービスタイムはもう終わりです!」

 撃ちだされた溶解液をかわすこともせずコニーが眼帯をはずした。

 「いでぇ!?なんだ!?跳ね返ってきやがった!」

 「跳ね返ったのではないです。吹き飛ばしたんです」

 「風など感じなかったぞ!それになんだその目は!」

 「いちいちうるさいです…セナ様への暴言の数々、それにセナ様の前で私にこのような恰好させて…絶対許しません!!」

 コニーの怒りに呼応するように魔眼が光を強めていきコニーは怒りのまま杖を振った。

 『永遠の爆裂エターナル=エクスプロージョン!!』

 振り出された杖の先から無数のバスケットボール大のバチバチと放電する火の玉がメイソンへ向かって撃ちだされた。

 「そんな遅い攻撃当たるか!数が多ければいいってもんじゃ……ぎゃぁ!!」

 小太りのわりに身軽にかわしていたメイソンだったが躱したはずの火の玉がまるで吸い付く様にメイソンへとくっつくとバチバチと体中に電気が流れ悲鳴をあげたが火の玉はそのままメイソンにくっついたままで一度痛みで足を止めたメイソンに次から次へと火の玉がくっついていった。

 「いでぇ!あちぃ!なんなんだこの魔法は!くそ!離れない!!」

 「頃合いです」

 『遮断結界シャットダウン

 おびただしい数の火の玉がメイソンにくっつくのを見たコニーがメイソンを火の玉ごと囲うように結界を貼った。

 「その火の玉はある程度の時間がたつと爆発します」

 「なに!?」

 「一発爆発すると誘発され次々と爆発するのでお気を付けください」

 「なっ!?や、やめ……うぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

 コニーが言い終わると同時に最初にくっついた火の玉が爆発し次々と誘発されすべての火の玉が爆発しメイソンの断末魔をかき消した。

 「ふむ…勝者コニー!」

 「当然です」

 爆発による煙が収まりアキラが結界をときメイソンを確認しようとしたが服の切れ端だけのこしてメイソンの姿がなくコニーの勝ち名乗りをした。
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