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第3章 ―旅情初編―
親友チームVS親友チーム
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翌日の朝、セナは日課の鍛錬を終えると、迅風の元へ行った。
「おはよう、迅風。調子はどう?」
「ブルルル」
セナの声に、迅風が嬉しそうに鼻を鳴らした。
「あれ?メディーからもらったのかい?」
迅風や他の2頭の馬達の足元にある野菜をみて、セナがいうと、迅風は首を横に振った後、小屋のほうに目線を送った。
「あれ?セナ様?ずいぶん早いんですね?」
「リズさん?おはようございます。リズさんがこの子たちに餌を?」
「え?あ、はい。ただ…こんなでっかい馬、何をどんくらい食べるのかわからないんで適当ですけど……まずかったですか?」
セナが小屋をみると、ちょうどでてきたリズが声をかけてきた。
「いえ、助かります。ありがとうございます、それで?ライズは?」
「まだ寝てます……」
「飲みすぎてたからなぁ~……今日は馬車の改良もしたかったんだけどなぁ」
リズが申し訳なさそうにいうと、セナは苦笑しながら今日するはずった予定を口にした。
「まぁいいか、最悪、次の街かなんかでやってもいいし……」
セナは焦った様子もみせず、独り言のようにつぶやいたが、その声はリズの耳に入り、リズはセナへ素朴な質問をした。
「あ、あの……セナ様はいつここを立つおつもりですか?」
「えっと、ほんとは今日にも出ようかと思ったんですが、村長さんとライズが……」
「あ、あぁ~……ほんと……色々すいません……」
セナが苦笑しながらいうと、リズは、今日がまだ始まったばかりなのに、何度目かの謝罪を口にして頭をさげた。
「あ゛ぁ~、頭痛ぇ~……お?ここにいたのかよ?」
「うん、おはようライズ」
「おう」
そこに、ライズがこめかみのあたりを抑えながら、フラフラと歩いてきて、二人をみつけると声をかけてきた。
「んじゃ、面洗って、飯食ったら狩りに行こうぜ?」
「覚えてたの?」
「ん?勝負は売り言葉に買い言葉だったからよぉ、別にもうどうでもいいんだけど、今日の宴につかう肉をとりにいこうぜ?」
ライズがセナを狩りに誘うと、リズが呆れたように覚えていたか聞き、ライズがそれに答えると更に呆れたようにため息をついた。
「はぁ~、あんたねぇ?もてなされる人が、なんで狩りしてこなきゃならないのさ」
「思い出づくり?」
「ばっかじゃないのっ!?」
リズの言葉に、理由を考え、アイディアを絞り出したかのようにいうライズに、リズが声を荒らげた。
「まぁまぁ、リズさん。楽しそうだし気にしないでください、でも馬車と馬具の改良もしたいんだよね」
「んじゃ、ゼルの爺さんのとこによって、爺さんにやってもらおうぜ?」
「んー、自分でやりたかったんだけど…しょうがないね、最悪次に行く街でもいいしね」
リズをなだめたセナに、ライズが工房へ寄ることを進言した。
「それなら、メディーちゃんにお願いしたら?ゼルじいちゃんも手伝ってくれると思うし」
「それだな!朝から冴えてんな!リズ!」
リズのアイディアに満足げにいうライズを、セナは苦笑しながらメディーに頼んでみることを了承し、3人で家へと向かった。
「あっ!3人とも朝からどこにいってたの?」
セナ達が家の前まで行くと、メディーたち4人が家の前でまっていて、セナを見つけて声をかけてきた。
「おはようございます。僕は朝の鍛錬をしたあと迅風の様子を見に、リズさんとライズはたまたまそこであったんだよ」
「皆さんおはようございます、朝食はもうたべられましたか?」
セナが自身の行動を教え、リズの質問には、エリスが食べたと答えた。
「それで、朝早くに失礼かと思ったんですが、本日の予定を聞こうと思いまして」
マインがセナ達にいうと、リズがドアをあけ皆を家へと招き入れた。そして、全員が席につくと、セナが今日の予定とメディーへの頼みごとを話した。
「ふむふむ、じゃぁ、馬具と馬車の改良は私に任せてもらえますか?2頭曳と1頭曳両方できるようにしたいのと、メンテナンスもしたかったので」
話を聞いたメディーが、楽しそうな顔でセナへいうと、セナは笑顔で了承した。
「それじゃぁ馬車関係はメディーにお願いしたし、エリスさんたちはどうしますか?」
「私達もできれば狩りに同行したいんですが?ダメでしょうか?こう見えても私たちも狩りは得意なんですよ?」
セナの言葉にエリスが答えると、ライズがニヤリと笑い自身のアイディアを述べた。
「ほぅ?だったら、二手に分かれて勝負しようぜ!重量と数量の2部門勝負だ!」
「えっ!?」
「はぁ~、またかい?しつこいよ?」
ライズの言葉にエリスが驚き、リズがため息交じりに言った。
「楽しそうだけどチーム分けはどうするのさ?」
「あぁ?んなもん!お互い慣れたもん同士のがいいだろ?俺とセナ対ねぇちゃん達だ!どうだ?」
セナの疑問に、ライズが楽しそうに答えると、エリス達はそれぞれ顔を見合わせた。
「いいでしょう……受けて立ちます!」
「ふふふっ、セナ様?負けませんよ?」
「べ、別にいいんだけど……たまには私も……セナ様と……い、いえ!がんばります!」
エリスが覚悟をきめた顔で、マインが勝気な笑顔で、コニーがブツブツつぶやいた。
「んじゃ!決まりだな!今から行って、昼過ぎまでの勝負だぞ!」
「わかりました!」
「負けません!」
そういいあいながら、リズから朝食を弁当として持たされセナ達はエルの森へと向かった。そして、リズの案内でメディーはゼルの工房へと迅風たちと共にむかった。
「おはよう、迅風。調子はどう?」
「ブルルル」
セナの声に、迅風が嬉しそうに鼻を鳴らした。
「あれ?メディーからもらったのかい?」
迅風や他の2頭の馬達の足元にある野菜をみて、セナがいうと、迅風は首を横に振った後、小屋のほうに目線を送った。
「あれ?セナ様?ずいぶん早いんですね?」
「リズさん?おはようございます。リズさんがこの子たちに餌を?」
「え?あ、はい。ただ…こんなでっかい馬、何をどんくらい食べるのかわからないんで適当ですけど……まずかったですか?」
セナが小屋をみると、ちょうどでてきたリズが声をかけてきた。
「いえ、助かります。ありがとうございます、それで?ライズは?」
「まだ寝てます……」
「飲みすぎてたからなぁ~……今日は馬車の改良もしたかったんだけどなぁ」
リズが申し訳なさそうにいうと、セナは苦笑しながら今日するはずった予定を口にした。
「まぁいいか、最悪、次の街かなんかでやってもいいし……」
セナは焦った様子もみせず、独り言のようにつぶやいたが、その声はリズの耳に入り、リズはセナへ素朴な質問をした。
「あ、あの……セナ様はいつここを立つおつもりですか?」
「えっと、ほんとは今日にも出ようかと思ったんですが、村長さんとライズが……」
「あ、あぁ~……ほんと……色々すいません……」
セナが苦笑しながらいうと、リズは、今日がまだ始まったばかりなのに、何度目かの謝罪を口にして頭をさげた。
「あ゛ぁ~、頭痛ぇ~……お?ここにいたのかよ?」
「うん、おはようライズ」
「おう」
そこに、ライズがこめかみのあたりを抑えながら、フラフラと歩いてきて、二人をみつけると声をかけてきた。
「んじゃ、面洗って、飯食ったら狩りに行こうぜ?」
「覚えてたの?」
「ん?勝負は売り言葉に買い言葉だったからよぉ、別にもうどうでもいいんだけど、今日の宴につかう肉をとりにいこうぜ?」
ライズがセナを狩りに誘うと、リズが呆れたように覚えていたか聞き、ライズがそれに答えると更に呆れたようにため息をついた。
「はぁ~、あんたねぇ?もてなされる人が、なんで狩りしてこなきゃならないのさ」
「思い出づくり?」
「ばっかじゃないのっ!?」
リズの言葉に、理由を考え、アイディアを絞り出したかのようにいうライズに、リズが声を荒らげた。
「まぁまぁ、リズさん。楽しそうだし気にしないでください、でも馬車と馬具の改良もしたいんだよね」
「んじゃ、ゼルの爺さんのとこによって、爺さんにやってもらおうぜ?」
「んー、自分でやりたかったんだけど…しょうがないね、最悪次に行く街でもいいしね」
リズをなだめたセナに、ライズが工房へ寄ることを進言した。
「それなら、メディーちゃんにお願いしたら?ゼルじいちゃんも手伝ってくれると思うし」
「それだな!朝から冴えてんな!リズ!」
リズのアイディアに満足げにいうライズを、セナは苦笑しながらメディーに頼んでみることを了承し、3人で家へと向かった。
「あっ!3人とも朝からどこにいってたの?」
セナ達が家の前まで行くと、メディーたち4人が家の前でまっていて、セナを見つけて声をかけてきた。
「おはようございます。僕は朝の鍛錬をしたあと迅風の様子を見に、リズさんとライズはたまたまそこであったんだよ」
「皆さんおはようございます、朝食はもうたべられましたか?」
セナが自身の行動を教え、リズの質問には、エリスが食べたと答えた。
「それで、朝早くに失礼かと思ったんですが、本日の予定を聞こうと思いまして」
マインがセナ達にいうと、リズがドアをあけ皆を家へと招き入れた。そして、全員が席につくと、セナが今日の予定とメディーへの頼みごとを話した。
「ふむふむ、じゃぁ、馬具と馬車の改良は私に任せてもらえますか?2頭曳と1頭曳両方できるようにしたいのと、メンテナンスもしたかったので」
話を聞いたメディーが、楽しそうな顔でセナへいうと、セナは笑顔で了承した。
「それじゃぁ馬車関係はメディーにお願いしたし、エリスさんたちはどうしますか?」
「私達もできれば狩りに同行したいんですが?ダメでしょうか?こう見えても私たちも狩りは得意なんですよ?」
セナの言葉にエリスが答えると、ライズがニヤリと笑い自身のアイディアを述べた。
「ほぅ?だったら、二手に分かれて勝負しようぜ!重量と数量の2部門勝負だ!」
「えっ!?」
「はぁ~、またかい?しつこいよ?」
ライズの言葉にエリスが驚き、リズがため息交じりに言った。
「楽しそうだけどチーム分けはどうするのさ?」
「あぁ?んなもん!お互い慣れたもん同士のがいいだろ?俺とセナ対ねぇちゃん達だ!どうだ?」
セナの疑問に、ライズが楽しそうに答えると、エリス達はそれぞれ顔を見合わせた。
「いいでしょう……受けて立ちます!」
「ふふふっ、セナ様?負けませんよ?」
「べ、別にいいんだけど……たまには私も……セナ様と……い、いえ!がんばります!」
エリスが覚悟をきめた顔で、マインが勝気な笑顔で、コニーがブツブツつぶやいた。
「んじゃ!決まりだな!今から行って、昼過ぎまでの勝負だぞ!」
「わかりました!」
「負けません!」
そういいあいながら、リズから朝食を弁当として持たされセナ達はエルの森へと向かった。そして、リズの案内でメディーはゼルの工房へと迅風たちと共にむかった。
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