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1-2 新しいお友達ができました

第23話 猪鍋

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 家に帰ったら、混浴タイムだ。

 できれば精神衛生上、一人でのんびりと入りたい。
 しかし、ボクがいないとチサちゃんが本領を発揮できないというなら、仕方がなかった。

 お互いの身体を洗い合い、湯船に浸かる。

 見慣れない寝間着が、更衣室に置かれていた。
 薄い毛糸のTシャツに、膝までのステテコだ。
 コレを着ろと? 
 
 身につけてみると、涼しい気分になった。
 この優しい着心地は、風呂上がりに丁度いい。
 これはよく眠れそうだ。

 更衣室から出ると、チサちゃんの服装が変わっていた。
 淡い紫の毛糸で編まれた、半袖とショートパンツルックになっている。
 袖と裾はモコモコ付き。

 ボクの着ている服と、ペアルックになっている。

「街で買ってきた、おそろい」
 冒険の報酬で手に入れたらしい。

 確かに、ボクたちの服装は色違いだ。
 チサちゃんはナイトキャップまで被っている。

「かわいいね」

「ありがと」
 服を褒めると、チサちゃんも嬉しそうな顔になった。

「ダイキも似合ってる」

「うん。ありがとー。チサちゃんは優しいね」

 ボクが笑うと、チサちゃんがはにかむ。

 疲れを取ったら、夕飯だ。

「お肉だ!」
 夕食は、猪鍋だった。
 ちゃぶ台の上で、グツグツと土鍋が音を鳴らす。
 土鍋の中では、ピンク色の肉が野菜のドレスを着て踊っている。

「農地にイノシシが現れたので、退治依頼がきたそうです。どこのどなたかが退治してくれたそうで」


 このボタン肉は、そのお礼だとかで。


「えへへ」
 ボクは頭をかいた。

「ありがとうございました。大毅様。おかげで村は救われました」
 チサちゃんに続いて、ボクのお椀に、セイさんが具を入れて渡す。

「とんでもないです。みんなが無事ならそれで」

 村で起こったトラブルは、できるだけ解決したい。そう思っただけだ。

「セイさんもどうぞ」
「いただきます」

 ボクたちの分をよそい終えたセイさんが、自分のお椀に鍋の具を入れていく。

「なんなら皆さんも」
 お世話になっているメイドさんたちにも、催促してみた。

「ご心配なく。彼女たちの分もちゃんとありますので」
「そうですか」

 一緒に食卓を囲めないのは残念だが、こんなにおいしいイノシシを食べられるならいいか。

「ところでチサ様、マナをお使いになりましたか?」
 チサちゃんのおかわりをお椀によそい、セイさんが問いかける。

「使った。ほんの少しだけど」

「ほんの少しマナを放出しただけで、これほどまでに巨大なイノシシが現れるとは。末恐ろしいですね」

 意味深な会話をしながら、ボクたちは猪鍋をつつき合う。
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