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2-3 いよいよ海へ。人魚姫との遭遇!?

花火と次なる課題

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「こうやって、国が豊かになっていくんだね」

「わたしも、うんとおいしいモノにありつける。みんなにも」
 チサちゃんはニコニコ顔でバーベキューを堪能する。

「夜はこれからです。食後はこちらでお楽しみ下さい」

 セイさんが持ってきたのは、花火セットだ。

 海と言えば花火だよね。

「花火!」
「色とりどりのモノをご用意しております」

 ボクたちは、花火に火を付ける。

「おおっ」
 勢いよく吹き出す花火を見て、チサちゃんが驚いた。

「キレイ」
「そうだねー」

 はしゃぐチサちゃんを後ろで見守りつつ、一緒になって花火を楽しむ。

 最もテンションが高いのはオンコであり、指の間に何本も花火を挟んで振り回した。

 意外にも、エィハスは虚空に絵を書いて楽しんでいる。

「以外と乙女だね、エィハス」

「う、うるさい!」
 茶化すオンコに向かって、エィハスがむくれた。

「この火薬は、何かに使えそうなのである」
 ゼーゼマンは、せっかくの花火を分解して、成分を分析している。ここまでくると、職業病だね。

「ありがとうございます、セイさん。チサちゃんもこんなに楽しそうです」


「いいえ。ワタクシは、チサ様に課題の指示をお持ちしたまでして」


 またしても、亜神さんから通知が来たらしい。



『海のヌシを釣り上げろ! レッツ・フィッシング!』



 プリントにはそう書いてある。やけにテンションが高い。

「海を手に入れたモノには海のヌシを、山のカードを手にしたモノには、巨大池に住むヌシをゲットせよとのことです」

 どちらも、一筋縄ではいかなそうだ。

「明日に、ヌシ釣り大会があるそうです」


「ヌシ! 見てみたい」
 一瞬で、チサちゃんが釣りモードに変わる。


「海のヌシかー。この先にある岩場で釣れるそうだね」
「ホント、オンコ」
「うん。アタシくらいの魚が釣れたそうだよ。可能性があるとしたら、あっちかな?」

 海岸の先にある岩場に行けば、主が釣れるかも知れないらしい。それにしても、オンコくらい大きい魚なんて。

「ダイキ、明日に備えて今日はもうおやすみする」

 誰に言われるでもなく、チサちゃんは片付けを始めた。エライね。

 セイさんやメイドさんたちも、慌てて後始末をする。

「アタシ達も手伝うよ」

 オンコたちも協力してくれて、一瞬で料理セットが片付いた。



「今日は楽しかった。またやる」
「約束だよー、チサッチー」
 オンコが、チサちゃんのホッペを優しくコネコネする。
「うーん、名残惜しいけど、今日はお開き。じゃあまたねー」


 オンコたちとは、そのまま解散に。
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