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1-2 新しいお友達ができました

第18話 魔物:ヤクソウモドキ

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「あなたがバニングさんでしたか」

 エィハスさんがうなずいた。



「依頼を受けたのか?」



「はい。ボクは大毅って言います。この子はチサちゃん」



 エィハスさんは安心した顔になって、近くの薬草に手を伸ばす。



「薬草はここだ。私のことはいいから、摘み取って欲しい」

「そうはいかない」



 チサちゃんはしゃがみ込んで、エィハスさんのクツを脱がした。



「汚染されている」

 チサちゃんの言うとおり、エィハスさんの足の裏にカビが生えている。見ていて痛々しい。



「私はいいんだ。ミスなんだから」

「ダメ。治す」



 エィハスさんの静止も聞かず、チサちゃんは足に手をかざした。



 足を覆っていたカビが、瞬く間に浄化されていく。



「すごい。もうダメかと思っていたのに」

「発見が遅れていたら、足首から先を切る必要があった」



 ひえええ。



「ありがとう。それより薬草を」



 エィハスさんが薬草に手を伸ばそうとした瞬間だった。



 チサちゃんが、手に持った杖をスピンコックみたく一回転させる。



 杖の先から火の玉を出して、草を燃やす。

 一瞬の出来事だった。



「何をするんだ!」

 エィハスさんが怒り出す。しかし、チサちゃんは動じない。



「あれは薬草じゃない」




「なんだって?」




「形は似ているけど、あれは悪いモンスター」



 さっきの草は、『ヤクソウモドキ』という毒の魔物だとか。



「多分、周りの土壌を踏んであなたの足が穢れた」



 薬草に見せかけて、近づいてきた冒険者を腐らせた土に沈めて、養分にするらしい。怖い攻撃をする奴がいるものだ。

 

 炎の着弾ポイントを見る。



 紫色だった土壌に、土の色が戻っていく。



「そうだったのか。疑って悪かった」

 エィハスさんが、非礼を詫びた。



「落ち込んでいる場合じゃない」

 チサちゃんは首を振る。

「本物を探す。ヤクソウモドキの生えている土は、少しだけ紫色がかってる。すぐに分かると思う。襲っては来ないから、近づかなければ大丈夫」



「分かった。探してみるよ」



 ボクたちは、手分けして薬草を探した。

 でも、ヤクソウモドキばかりである。



「あった」

 歓喜の声を上げて、チサちゃんは目の前に生えている薬草を引っこ抜いた。が、瞬時に落胆する。



「依頼にあった、子どもの病気を治す薬草って、これ?」



「そう。だけど、これは使えない」



 あまりいい薬草ではないのが、素人のボクでもわかった。

 やけに根が細い。



「マナが行き渡ってない」

 細い根を見て、チサちゃんは原因を見抜いた。



「マナなら、自然界に任せれば」

「そんなに、マナは万能じゃない」
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