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4-4 運命の戦い! それぞれの世界線!
肉弾戦
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ボクたち玉座は、戦闘で得た経験値をいつでも振り直しができるのだ。こういう自体になったときの救済行為なんだって、イクミちゃんと戦ってやっとわかった。
「わかった」と、チサちゃんも覚悟を決める。
「気をつけて、ダイキ。黒龍に魂をとらわれるかも」
「その時は、チサちゃんお願い」
もし、ボクが黒龍になってしまったら、チサちゃんにトドメをさしてもらう。
そう約束して、ボクは経験値を全部【黒龍拳】に振った。
「うん……覚醒!」
いつだってボクは、なにかに気づくのが遅すぎる。
チサちゃんが、ボクの身体へと沈み込んでいく。
ボクの身体に、魔王の力が行き渡った。
「おおおおお!」
「魔王、覚醒」
チサちゃんが、全力を出す。
同時にボクの姿が、チサちゃんが望む「魔王として融合したボクたち」を形成していく。
「ルチャの思いをぶつけるよ。イクミちゃん」
「何度も言っている。あんたはルチャじゃ……ルチャ!?」
ボクは、黒いマスクのレスラーに変わった。
イクミちゃんがルチャにこだわるなら、ボクがルチャに成り変わるしかない。ルチャの遺志を継いだボクなら、それが可能なはずだ。
「見た目だけルチャに変わっても、何も変わらない! くらえ!」
黄金のドラゴンが、怪獣型からレスラータイプへと変わる。黄色いマスクのディエロゴだ。そんな変身もできるのか。相手の力量に合わせて、姿かたちを変えられるとは。
ドロップキックを、全身で受け止める。
倒されてしまうが、ボクはすぐに起き上がった。
「どうした? そんな攻撃では、ボクは倒せないぞ!」
転がっているディエロゴを無理やり立たせて、ボクはラリアットを見舞う。
「うお!?」
ディエロゴが、一回転した。
強い。ボクに、こんな力が?
起き上がったディエロゴが、右フックで殴りかかる。
ボクも、カウンターでフックをやり返す。
互いによけない。モロにパンチを食らった。
ぶつかり合うしかない。お互いにそう思っているから。
相手の技は、全部受け止める。
泥臭い肉弾戦。なんて、ボクたちにふさわしいんだろう?
チサちゃんのような魔法使い同士の戦いなら、もっとスタイリッシュなんだろう。
けど、ボクには、こんな戦いしかできない。
それは、ディエロゴも同じ。ボクと同じ姿の、ディエロゴも。
「はあ、はあ」
「ひい、ひい」
どれくらい戦っただろう? ボクたちはアザだらけだ。共にヒザをつき、気を抜けば今にも倒れそうになる。
しかし、やるしかない。まだ、ルチャの思いは、イクミちゃんに届いていないんだ。
「あたしは、ルチャを取り戻す」
「ルチャは……もういない!」
息も絶え絶えながら、ボクはルチャが伝えたかったことを話す。
「わかった」と、チサちゃんも覚悟を決める。
「気をつけて、ダイキ。黒龍に魂をとらわれるかも」
「その時は、チサちゃんお願い」
もし、ボクが黒龍になってしまったら、チサちゃんにトドメをさしてもらう。
そう約束して、ボクは経験値を全部【黒龍拳】に振った。
「うん……覚醒!」
いつだってボクは、なにかに気づくのが遅すぎる。
チサちゃんが、ボクの身体へと沈み込んでいく。
ボクの身体に、魔王の力が行き渡った。
「おおおおお!」
「魔王、覚醒」
チサちゃんが、全力を出す。
同時にボクの姿が、チサちゃんが望む「魔王として融合したボクたち」を形成していく。
「ルチャの思いをぶつけるよ。イクミちゃん」
「何度も言っている。あんたはルチャじゃ……ルチャ!?」
ボクは、黒いマスクのレスラーに変わった。
イクミちゃんがルチャにこだわるなら、ボクがルチャに成り変わるしかない。ルチャの遺志を継いだボクなら、それが可能なはずだ。
「見た目だけルチャに変わっても、何も変わらない! くらえ!」
黄金のドラゴンが、怪獣型からレスラータイプへと変わる。黄色いマスクのディエロゴだ。そんな変身もできるのか。相手の力量に合わせて、姿かたちを変えられるとは。
ドロップキックを、全身で受け止める。
倒されてしまうが、ボクはすぐに起き上がった。
「どうした? そんな攻撃では、ボクは倒せないぞ!」
転がっているディエロゴを無理やり立たせて、ボクはラリアットを見舞う。
「うお!?」
ディエロゴが、一回転した。
強い。ボクに、こんな力が?
起き上がったディエロゴが、右フックで殴りかかる。
ボクも、カウンターでフックをやり返す。
互いによけない。モロにパンチを食らった。
ぶつかり合うしかない。お互いにそう思っているから。
相手の技は、全部受け止める。
泥臭い肉弾戦。なんて、ボクたちにふさわしいんだろう?
チサちゃんのような魔法使い同士の戦いなら、もっとスタイリッシュなんだろう。
けど、ボクには、こんな戦いしかできない。
それは、ディエロゴも同じ。ボクと同じ姿の、ディエロゴも。
「はあ、はあ」
「ひい、ひい」
どれくらい戦っただろう? ボクたちはアザだらけだ。共にヒザをつき、気を抜けば今にも倒れそうになる。
しかし、やるしかない。まだ、ルチャの思いは、イクミちゃんに届いていないんだ。
「あたしは、ルチャを取り戻す」
「ルチャは……もういない!」
息も絶え絶えながら、ボクはルチャが伝えたかったことを話す。
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