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第三章 元暗黒騎士、副業する
第22話 ヒナのまかない
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その後も、俺は副業を探す。
鶏肉の下ごしらえ、稲刈り、どれもしっくりと来ない。
「ヒナ王女のまかないを、見せてもらえないか?」
料理ができるようになれば、多少ヒナ王女の負担も軽くなるだろう。
そう思ったのだが。
「構いませんが、まかないはもう趣味の領域でして」
ヒナ王女にとって、まかないはライフスタイルなんだとか。
「まあ、見せるだけ見せてあげましょう」
「今日は、普通のチャーハンを作ります。オーソドックスなタイプに仕上げます」
王女が、鉄鍋を火にかける。
「お鍋に、玉子を入れていきますね」
油を引いた鉄鍋に、ヒナ王女は生卵をそのままブチ込んだ。何個も生卵を、割っては入れる。黄身を崩しはするけど、まったく溶かない。
「こっちは使わないのか?」
卵液は、別の容器にあるんだが。
「そちらは、お店の方が使う用ですね」
俺たちがメシを食うスペースは、料理屋の空きスペースである。
「玉子を溶くと溶かないで、違いはあるのか?」
「生卵から作ったほうが、香りが引き立つんですよ。黄金チャーハンにしたいなら、溶き卵のほうがいいですね」
さらに王女は、容器に入ったライスをお玉ですくった。おたまからヒョヒョイと、鉄鍋に放り込む。
「何杯、入れるんだ?」
結構な量が入っているぞ。
「いくらでも入れますよ。よく食べる方たちばかりなので」
お玉で、王女が山盛りの白米を崩していく。ザックザックと。
「手を貸そうか?」
「大丈夫です」
王女が、鍋をふる。剛腕ってわけでもない細腕ながら、コメひと粒もこぼさない。
白い塊が、王女の手さばきによってパラパラになっていく。
白身がかかっているため、黄金チャーハンとまではいかない。だが、香りがすごかった。
「たしかに、香りが引き立っている」
「ええ。自分だけで食べるときは、このチャーハンにする料理屋も多いんですよ」
王女は、塩コショウを振る。大量に作っているため、かなりの量をブチ込んだ。
最後に鍋肌にしょう油を垂らし、チャーハンが完成。
「おっ? いい音と香りにつられてきてみれば」
いつの間にか、ピーザンがTシャツ短パン姿で食卓に。
「食事か。今日はチャーハンなんだな」
ブレンダまで。こちらもTシャツとジャージである。
王女が、お玉でチャーハンをより分けた。やはり、ピーザンだけはマンガ盛りだ。よく食べるやつってのは、コイツか。
「いただきましょう」
手を合わせて、俺もチャーハンをかっ食らう。
「うまい」
「ありがとうございます」
ほとんど味なんて、ついていない。なのに、食感と塩加減だけでここまで完璧な料理になるなんて。
「ごちそうさま。まかないってのは、他にもバリエーションがあるのか?」
「カレーやエビチリなどですね。前もって豚のバラ肉を炒めておいて、下味をつけて豚丼にしてもいいです」
俺は、レシピさえ思いつかないな。
「まあ、副業なんてボチボチやっていけばいいから」
「俺にできそうなことはないか?」
「TVスタッフとかは、どうだ? 手が足りないとか言っていたし」
鶏肉の下ごしらえ、稲刈り、どれもしっくりと来ない。
「ヒナ王女のまかないを、見せてもらえないか?」
料理ができるようになれば、多少ヒナ王女の負担も軽くなるだろう。
そう思ったのだが。
「構いませんが、まかないはもう趣味の領域でして」
ヒナ王女にとって、まかないはライフスタイルなんだとか。
「まあ、見せるだけ見せてあげましょう」
「今日は、普通のチャーハンを作ります。オーソドックスなタイプに仕上げます」
王女が、鉄鍋を火にかける。
「お鍋に、玉子を入れていきますね」
油を引いた鉄鍋に、ヒナ王女は生卵をそのままブチ込んだ。何個も生卵を、割っては入れる。黄身を崩しはするけど、まったく溶かない。
「こっちは使わないのか?」
卵液は、別の容器にあるんだが。
「そちらは、お店の方が使う用ですね」
俺たちがメシを食うスペースは、料理屋の空きスペースである。
「玉子を溶くと溶かないで、違いはあるのか?」
「生卵から作ったほうが、香りが引き立つんですよ。黄金チャーハンにしたいなら、溶き卵のほうがいいですね」
さらに王女は、容器に入ったライスをお玉ですくった。おたまからヒョヒョイと、鉄鍋に放り込む。
「何杯、入れるんだ?」
結構な量が入っているぞ。
「いくらでも入れますよ。よく食べる方たちばかりなので」
お玉で、王女が山盛りの白米を崩していく。ザックザックと。
「手を貸そうか?」
「大丈夫です」
王女が、鍋をふる。剛腕ってわけでもない細腕ながら、コメひと粒もこぼさない。
白い塊が、王女の手さばきによってパラパラになっていく。
白身がかかっているため、黄金チャーハンとまではいかない。だが、香りがすごかった。
「たしかに、香りが引き立っている」
「ええ。自分だけで食べるときは、このチャーハンにする料理屋も多いんですよ」
王女は、塩コショウを振る。大量に作っているため、かなりの量をブチ込んだ。
最後に鍋肌にしょう油を垂らし、チャーハンが完成。
「おっ? いい音と香りにつられてきてみれば」
いつの間にか、ピーザンがTシャツ短パン姿で食卓に。
「食事か。今日はチャーハンなんだな」
ブレンダまで。こちらもTシャツとジャージである。
王女が、お玉でチャーハンをより分けた。やはり、ピーザンだけはマンガ盛りだ。よく食べるやつってのは、コイツか。
「いただきましょう」
手を合わせて、俺もチャーハンをかっ食らう。
「うまい」
「ありがとうございます」
ほとんど味なんて、ついていない。なのに、食感と塩加減だけでここまで完璧な料理になるなんて。
「ごちそうさま。まかないってのは、他にもバリエーションがあるのか?」
「カレーやエビチリなどですね。前もって豚のバラ肉を炒めておいて、下味をつけて豚丼にしてもいいです」
俺は、レシピさえ思いつかないな。
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