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第三章 炎VS氷! 魔剣同士の激突
第27話 巨大ネコ(?)召喚
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魔剣を錬成する前に、素材の錬成を始める。この作業をやっておかないと、魔剣に能力が定着しない。
今回は、一本の魔剣に複数の要素を組み込んでいる。錬成には、かなり時間がかかるのだ。
まして今は、訓練用ジャージを着込んでいる。じっとしているだけでも、魔力消費が激しい。
『キャル、素材錬成をしている間に、スキルを振ったらどうだい? 最近、やっていないだろ?』
「そうだね。よしっ」
魔剣作りと並行して、スキルの見直しも行った。ここのところ戦闘続きで、スキルを取得する時間が取れなかった。
現在、レベル三〇までが上っている。アンロックされたスキルが、かなり増えていた。
手の甲を撫でて、ステータス確認画面を開く。
錬金術のレベルを、重点的に上げていこう。
『戦闘力は、アタシ様に頼るんだね?』
クレアさんの魔剣を作ることを考えると、そうなっちゃうんだよねぇ。
「ごめんね、レベッカちゃん」
『上出来だよ。アタシ様に暴れさせておくれ』
わたしは萎縮していたが、レベッカちゃんは気にしていないみたい。
レベッカちゃんのスキルも、確認する。
「かなりアンロックされているね」
まずは【フラッシュバン】を取る。攻撃効果のない炎の光を、暗い場所で放つ。早い話が、『目潰し』だ。
続いて、【フェニックスの恩恵】を取得した。聖なる炎によって、負傷しても徐々に回復する。
「魔剣なのに、『聖なる炎』なんて使えるんだね?」
『同じ火属性なら、関係ないよ。アタシ様は別に、悪い魔剣じゃないからね』
カカカと、レベッカちゃんが笑う。
続けて、【鎧通し】を取った。敵の装甲を溶かして、ダメージを与える。
あと、【延焼】も手に入れる。単体の敵に与えたダメージを、周囲の敵にも四分の一だけ飛ばす魔法だ。モンスターに囲まれた時、有利になるはず。
「まだスキルポイントが、余ってるんだよねえ」
『これなんて、どうだい?』
レベッカちゃんが推薦したスキルは、【魔獣召喚】だ。異界から、魔獣を呼び出すスキルである。魔法使いじゃなくても、冒険者なら呼び出せる。
「また召喚魔法? ただでさえ、スパルトイやストーンゴーレムがいるのに」
ウッドやストーンなどの【ゴーレム召喚】は、錬金術師用のスキルだ。
わたしも、取得している。
護衛・戦闘補助用と、重いものを持ち運ぶ用だ。ゴーレムがいれば、武器などをいちいちアイテムボックスから取り出す必要もない。
『あんたは基本、単独行動が多いからね。召喚は、たくさんあっても足りないくらいさ』
召喚獣のリストを、確かめた。
カメ、キツネ、カエルなどが、ラインナップされている。どれも属性を持たせて、戦闘も可能だ。
とはいえ、戦闘要員は事足りている。
『移動用の召喚獣もいるよ。武器などのアイテムを、携帯させてもいい』
ホントだ。これがあれば、いちいち馬や馬車を買わなくていい。
巨大な鳥は、今のレベルじゃ呼べないか。空を飛べたら楽だな、って思っていたんだけど。
「ちょっと待って。【トート】ってなに? まんまゴリラじゃん」
リストの中に、白いゴリラを発見した。重い武器を軽々と何本も持ち運べる、荷物持ちゴリラだって。戦闘も可能だって、書いてあった。
こんなの、誰が召喚するんだろう?
完全に、ネタ召喚獣じゃん。
『炎属性なら、よりどりみどりさ』
調べてみると、結構な数の炎属性魔獣がいる。
炎の精霊である【サラマンダー】は、ファイアリザードのようなトカゲではない。サンショウウオのような見た目だ。ずっと側に置いておきたい感じではないかな。
『じゃあ、こいつなんてどうだい? 強さは保証するよ』
地獄の番犬、【ヘルハウンド】か。強いけど、わたしがほしいのは乗り物として使える魔物だ。ヘルハウンドだと、小さすぎる。
「この子にしようかな?」
わたしは、馬くらい大きな山猫をチョイスした。
『【仙狸】かい。いいねえ』
戦闘はできないけど、乗り物になる。アイテムを扱えるくらい、頭もいい。しかも、水面だって歩けると説明がある。
これなら、海の上も問題がない。
『あんたらしい、セレクトじゃないか』
「じゃあ、呼び出すよ。仙狸、召喚!」
地面に、魔方陣が浮かび上がった。バカでかい黒猫が、魔方陣からせり上がってくる。
「うわああ。かわいいなあ」
わたしはさっそく、山猫を撫でる。
真っ黒い体毛が、モフモフだあ。
こんなフサフサ、めったにお目にかかれないよ。
タヌキっぽい召喚獣だと思っていたから、毛がもっと硬いと思っていた。
これは、いいモフモフだ。
「キミの名前は」
『レベッカでいいよ』
ん? このネコちゃん、レベッカちゃんの名前でしゃべったぞ。
ネコちゃんの頭頂部が、赤いソフトモヒカンになっている。よく見ると、炎が揺らめいているではないか。
『コイツに、アタシ様の魂を分け与えたよ。今後はコイツが、あんたの鞘だ』
ネコちゃんの横腹に、鞘が移動していた。次からは、ここから引っこ抜いたらいいんだね?
ただ、剣もネコちゃんもレベッカちゃんだと、混同しちゃうよ。
「黒でしょ? 炎属性で黒っていいったら、黒点だよね。うーん。テンちゃんで」
「テンだね。それでいいさ」
クロネコちゃんの名前は、サンポちゃんで。
「キャル、いけるか!?」
フワルー先輩が、血相を変えて錬成所に入ってきた。
「どうしたんです、先輩?」
「バリスタに反応があった。魔物や!」
とうとう、街に襲いかかってきたか。
『乗りなキャル!』
テンちゃんが、しゃがんだ。
わたしは、テンちゃんに乗り込む。
『キャル、ぶっ飛ばすよ!』
ネコちゃんが、錬成所を飛び出した。
猛スピードで走っているのに、まったく振り落とされない。それどころか、お尻がテンちゃんにジャストフィットしていた。これなら、剣を振りながら暴れられる。
街の外では、サハギンが壁をよじ登ろうとしていた。フワルー先輩が仕掛けたバリスタに仕留められているが、追いついていない。数が多すぎる。
『ぶった斬っちまいな、キャル!』
「おっけえ、おおおおっ!」
壁にいるサハギンの胴を、切り捨てた。
胴体を真っ二つにされたサハギンが、壁から転落する。
垂直に伝っているっていうのに、テンちゃんは器用に壁を走り抜けた。
「まだまだ来るよ!」
『しつこいね。これでも喰らいな!』
テンちゃんが、口から火炎弾を吐く。
火の玉が、複数のサハギンを巻き込んだ。【延焼】の上位スキル、【誘爆】である。延焼より広範囲に、爆発を起こす。
壁付近は、もういいだろう。
「門に体当りしている、モンスターが居るよ!」
島くらい大きなヤドカリ型の魔物が、門に身体をぶつけていた。破城槌のように、ヤドカリが自身の背中を叩きつけている。
このままでは、門が破られてしまう。
そう思っていた矢先、一匹の白いゴリラがヤドカリを押し返した。小さい島くらいデカいヤドカリを、ゴリラはあっさりと仰向けにしてしまう。
「――【雷霆蹴り】!」
無防備になったヤドカリに、落雷が落ちる。
ヤドカリは黒焦げになり、ガラスのように砕け散った。
魔物の亡骸の上に立つのは、金髪碧眼の姫君である。
「ケガはありませんか、クレアさん」
「キャルさん、こちらは片付きましたわ」
あれだけ恐ろしい一撃を放ったのに、クレアさんは汗一つかいていない。
魔力を制御するジャージを着たままだで、あれだけの威力を出したのか。
「クレアさん? 召喚獣を手にしたのですか?」
「はい。ワタクシ、どんな魔剣も所持可能なキャリアタイプの召喚獣を呼び出しましたの」
のっしのっしと、クレアさんの召喚獣が現れる。
「ご紹介します。荷物持ちゴリラの【トート】さんですわ」
さっ……すがクレアさん、期待を裏切らない。
今回は、一本の魔剣に複数の要素を組み込んでいる。錬成には、かなり時間がかかるのだ。
まして今は、訓練用ジャージを着込んでいる。じっとしているだけでも、魔力消費が激しい。
『キャル、素材錬成をしている間に、スキルを振ったらどうだい? 最近、やっていないだろ?』
「そうだね。よしっ」
魔剣作りと並行して、スキルの見直しも行った。ここのところ戦闘続きで、スキルを取得する時間が取れなかった。
現在、レベル三〇までが上っている。アンロックされたスキルが、かなり増えていた。
手の甲を撫でて、ステータス確認画面を開く。
錬金術のレベルを、重点的に上げていこう。
『戦闘力は、アタシ様に頼るんだね?』
クレアさんの魔剣を作ることを考えると、そうなっちゃうんだよねぇ。
「ごめんね、レベッカちゃん」
『上出来だよ。アタシ様に暴れさせておくれ』
わたしは萎縮していたが、レベッカちゃんは気にしていないみたい。
レベッカちゃんのスキルも、確認する。
「かなりアンロックされているね」
まずは【フラッシュバン】を取る。攻撃効果のない炎の光を、暗い場所で放つ。早い話が、『目潰し』だ。
続いて、【フェニックスの恩恵】を取得した。聖なる炎によって、負傷しても徐々に回復する。
「魔剣なのに、『聖なる炎』なんて使えるんだね?」
『同じ火属性なら、関係ないよ。アタシ様は別に、悪い魔剣じゃないからね』
カカカと、レベッカちゃんが笑う。
続けて、【鎧通し】を取った。敵の装甲を溶かして、ダメージを与える。
あと、【延焼】も手に入れる。単体の敵に与えたダメージを、周囲の敵にも四分の一だけ飛ばす魔法だ。モンスターに囲まれた時、有利になるはず。
「まだスキルポイントが、余ってるんだよねえ」
『これなんて、どうだい?』
レベッカちゃんが推薦したスキルは、【魔獣召喚】だ。異界から、魔獣を呼び出すスキルである。魔法使いじゃなくても、冒険者なら呼び出せる。
「また召喚魔法? ただでさえ、スパルトイやストーンゴーレムがいるのに」
ウッドやストーンなどの【ゴーレム召喚】は、錬金術師用のスキルだ。
わたしも、取得している。
護衛・戦闘補助用と、重いものを持ち運ぶ用だ。ゴーレムがいれば、武器などをいちいちアイテムボックスから取り出す必要もない。
『あんたは基本、単独行動が多いからね。召喚は、たくさんあっても足りないくらいさ』
召喚獣のリストを、確かめた。
カメ、キツネ、カエルなどが、ラインナップされている。どれも属性を持たせて、戦闘も可能だ。
とはいえ、戦闘要員は事足りている。
『移動用の召喚獣もいるよ。武器などのアイテムを、携帯させてもいい』
ホントだ。これがあれば、いちいち馬や馬車を買わなくていい。
巨大な鳥は、今のレベルじゃ呼べないか。空を飛べたら楽だな、って思っていたんだけど。
「ちょっと待って。【トート】ってなに? まんまゴリラじゃん」
リストの中に、白いゴリラを発見した。重い武器を軽々と何本も持ち運べる、荷物持ちゴリラだって。戦闘も可能だって、書いてあった。
こんなの、誰が召喚するんだろう?
完全に、ネタ召喚獣じゃん。
『炎属性なら、よりどりみどりさ』
調べてみると、結構な数の炎属性魔獣がいる。
炎の精霊である【サラマンダー】は、ファイアリザードのようなトカゲではない。サンショウウオのような見た目だ。ずっと側に置いておきたい感じではないかな。
『じゃあ、こいつなんてどうだい? 強さは保証するよ』
地獄の番犬、【ヘルハウンド】か。強いけど、わたしがほしいのは乗り物として使える魔物だ。ヘルハウンドだと、小さすぎる。
「この子にしようかな?」
わたしは、馬くらい大きな山猫をチョイスした。
『【仙狸】かい。いいねえ』
戦闘はできないけど、乗り物になる。アイテムを扱えるくらい、頭もいい。しかも、水面だって歩けると説明がある。
これなら、海の上も問題がない。
『あんたらしい、セレクトじゃないか』
「じゃあ、呼び出すよ。仙狸、召喚!」
地面に、魔方陣が浮かび上がった。バカでかい黒猫が、魔方陣からせり上がってくる。
「うわああ。かわいいなあ」
わたしはさっそく、山猫を撫でる。
真っ黒い体毛が、モフモフだあ。
こんなフサフサ、めったにお目にかかれないよ。
タヌキっぽい召喚獣だと思っていたから、毛がもっと硬いと思っていた。
これは、いいモフモフだ。
「キミの名前は」
『レベッカでいいよ』
ん? このネコちゃん、レベッカちゃんの名前でしゃべったぞ。
ネコちゃんの頭頂部が、赤いソフトモヒカンになっている。よく見ると、炎が揺らめいているではないか。
『コイツに、アタシ様の魂を分け与えたよ。今後はコイツが、あんたの鞘だ』
ネコちゃんの横腹に、鞘が移動していた。次からは、ここから引っこ抜いたらいいんだね?
ただ、剣もネコちゃんもレベッカちゃんだと、混同しちゃうよ。
「黒でしょ? 炎属性で黒っていいったら、黒点だよね。うーん。テンちゃんで」
「テンだね。それでいいさ」
クロネコちゃんの名前は、サンポちゃんで。
「キャル、いけるか!?」
フワルー先輩が、血相を変えて錬成所に入ってきた。
「どうしたんです、先輩?」
「バリスタに反応があった。魔物や!」
とうとう、街に襲いかかってきたか。
『乗りなキャル!』
テンちゃんが、しゃがんだ。
わたしは、テンちゃんに乗り込む。
『キャル、ぶっ飛ばすよ!』
ネコちゃんが、錬成所を飛び出した。
猛スピードで走っているのに、まったく振り落とされない。それどころか、お尻がテンちゃんにジャストフィットしていた。これなら、剣を振りながら暴れられる。
街の外では、サハギンが壁をよじ登ろうとしていた。フワルー先輩が仕掛けたバリスタに仕留められているが、追いついていない。数が多すぎる。
『ぶった斬っちまいな、キャル!』
「おっけえ、おおおおっ!」
壁にいるサハギンの胴を、切り捨てた。
胴体を真っ二つにされたサハギンが、壁から転落する。
垂直に伝っているっていうのに、テンちゃんは器用に壁を走り抜けた。
「まだまだ来るよ!」
『しつこいね。これでも喰らいな!』
テンちゃんが、口から火炎弾を吐く。
火の玉が、複数のサハギンを巻き込んだ。【延焼】の上位スキル、【誘爆】である。延焼より広範囲に、爆発を起こす。
壁付近は、もういいだろう。
「門に体当りしている、モンスターが居るよ!」
島くらい大きなヤドカリ型の魔物が、門に身体をぶつけていた。破城槌のように、ヤドカリが自身の背中を叩きつけている。
このままでは、門が破られてしまう。
そう思っていた矢先、一匹の白いゴリラがヤドカリを押し返した。小さい島くらいデカいヤドカリを、ゴリラはあっさりと仰向けにしてしまう。
「――【雷霆蹴り】!」
無防備になったヤドカリに、落雷が落ちる。
ヤドカリは黒焦げになり、ガラスのように砕け散った。
魔物の亡骸の上に立つのは、金髪碧眼の姫君である。
「ケガはありませんか、クレアさん」
「キャルさん、こちらは片付きましたわ」
あれだけ恐ろしい一撃を放ったのに、クレアさんは汗一つかいていない。
魔力を制御するジャージを着たままだで、あれだけの威力を出したのか。
「クレアさん? 召喚獣を手にしたのですか?」
「はい。ワタクシ、どんな魔剣も所持可能なキャリアタイプの召喚獣を呼び出しましたの」
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