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♤『恋人の親友』(SIDE 白鳥 慎)
しおりを挟む~~~~登場人物~~~~
♤白鳥 慎(しらとり しん) 20歳 ギター
ロックバンドCrossのギタリスト。
艶黒髪。センター分けのストレートボブヘア。美少年。着物が似合いそうな美しい顔立ち、気品のある少年。
亮とは同郷で元恋人同士。
流風を尊敬し、愛している。誰に対しても敬語で話す。
♤八神 流風(やがみ るか)22歳 ボーカル
ロックバンドCrossのボーカル。雷の兄。
黒髪テクノカット。慎とは恋人同士で、公認の仲。
~~~~~~~~~~~
流風さんは、僕のことをいつも特別扱いしてくれる。
どんな時でも僕を最優先してくれるし、僕の些細な変化にも気付いてくれる。
尊敬している先輩で、僕の最愛の恋人。
「哲哉・・・?」
あの日見た流風さんの表情を、僕は一生忘れることが出来ないだろう。
僕には見せたことのない、彼の心が激しく揺さぶられた瞬間のあの顔を。
丹羽 哲哉という男性は高校時代の友人で「親友」と呼べる人物だったのだと後に流風さんから聞かされた。
僕は彼の言葉はなんでも信じることに決めている。
そう決めているけれど、強烈な違和感が僕の心を占領していた。
僕が見たことのない、流風さんの表情。
怒り、悔しさ、憎しみ。初めて見る表情が、次から次に溢れ出す。
「お前・・何で・・・今まで一体どこで何してたんだ?」
流風さんが、ギュッと握り締めた拳を相手に向かって突き出した。
パン!と大きな音が鳴る。
僕はその場の緊迫感に思わず息を呑んでいた。
哲哉さんが大きな手のひらで、流風さんの拳を受け止め、彼らは至近距離で睨み合う。
「流華。お前こそ・・・俺のこと探してくれるんじゃなかったのか。」
二人にしか分からない、二人だけの過去の時間。
「俺に黙って消えるなんて・・・お前なんて・・・大嫌いだよ。」
僕には「大好き」という言葉に聴こえた。
流風さんが自分のことを「俺」と言うのを初めて聴いた。
「流風、会いたかった。」
哲哉さんは、僕の恋人に「親友」同士のハグをして、二人はしばらくその場から一歩も動かなかった。
「馬鹿・・・」
流風さんは、泣いているように見えた。
僕の前で流風さんはいつも完璧で、穏やかで、心の内側は全然見えない。
怒ったり、罵ったり、悔しがったり、泣いたりしている彼を初めて見た僕は、目の前で起きていることが飲み込めず、ただその場に立ち尽くすしかなかった。
僕の、流風さんなのに。
その瞬間、流風さんが僕の存在をすっかり忘れて目の前の親友に全てを捧げていることに、ひどくショックを受けた。
帰宅してからの流風さんは、哲哉さんの前の彼とは別人で、僕はどちらが本当の流風さんなのかわからず不安に押しつぶされそうになっていた。
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