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121 日常(山に行く 山メシ)
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2000m級の山には雪が積もり始めた今日此頃。
僕は、山に行く準備中。
あ、山と言っても演習ではなく、純粋に趣味の山行です♪
いくつかの食品を小分けして、ジップ○ックにパック詰めしていく。登山初日の朝、登山中の昼、いざという時の非常食。
そこにR黒田がやってきた。
R黒田「演習準備ッスか?」
僕「いいや(笑)ハルさんと日帰り登山するんだ♪」
R黒田「え?!でも、どう見ても野営の食事って言うか…」
R黒田が指差したのは、朝ご飯のパック。中身は、レトルト白ご飯とレトルトカレー、フリーズドライの味噌汁だ。
僕「これは、山に登る前の朝ご飯だよ。登山準備する間に温めて、お湯も沸かせるからね。」
R黒田「なるほど!じゃあコッチが昼用ッスか?」
ワンコがもう1つのパックを指差した。
そちらは、フリーズドライのスープパスタ、ジャムパン、珈琲スティックが入っている。
僕「そそ♪軽くてカロリー多めで、食べやすいでしょ?お湯は必ず山には持っていくし。ほら、行動食はボトルに入れて別にしてあるんだ。これだけで800kcalはあるんだよ。」
僕は、700mlほどのボトルいっぱいに詰め込んだドライフルーツとナッツ、シリアルの詰め合わせをカラカラと振って見せた。
僕「行動食は歩いていてもすぐ食べられる物で、食べ慣れた物。全部食べなくても、いざという時の非常食にもなるからね。
あ、これが一応非常用の一食分だけど。」
そして、もう1つのパックには、万が一計画通りに下山できなかったときのための非常用の食料を詰めていく。
甘い飲み物の粉状スティック、カロ○ーメイト、フリーズドライの甘酒だ。
R黒田「軽さ重視ッスか?」
香山「軽さもあるが、カロリー重視だな?あとは、調理しなくてもそのままで食べられる物ばかりだ。」
それまで本を読んでいた羽山が、こちらを覗き込んでボソッと答えた。
R黒田「え、そのまま?」
香山「斥候で山に籠もっている時、山で身動き取れないとか、水がないとか、湯が沸かせないとか、いろいろな状況を想定すると、こうなるな。」
R黒田「え、それ、そのまんま…やっぱり演習行く準備…」
僕は苦笑い。羽山は斥候がメインの職種だから、そういう見方をしてくるのだ。
僕「何日も敵の状況を見るため火をたけないとかじゃないから(笑)例えば、山の中で怪我をして動けないとか、救助が来るまで生き残るとか、そういうための物だよ。
今回は日帰りだけど積雪してそうな山だから、ゆっくり火を焚く時間は取れなさそうなんだよね。体を冷やしたくないし。」
香山「まあ、突き詰めていくと仕事用と同じ物になるのは仕方ないのか…(笑)」
R黒田「それ、職業病とかじゃないんスかね?彼女さん、そんなおしゃれじゃない山メシで怒らないのかな…」
今度こそ、僕は声を上げて笑ってしまった。香山もなんとなく察したのか、笑っている。
僕「ワンコ、僕の彼女がこの前山に持ってきた昼ごはん、乾パンだよ。」
R黒田「え…」
僕「乾パンを味噌汁に浮かべてた。僕も味見したけどなかなかイケたよ♪お湯を注げばすぐ食べられるし。
あと、行動食も乾パンで…それに練乳だよ。」
R黒田「練乳…」
僕「そそ♪乾パンに練乳つけて食べたけど、かなり美味しかったなぁ。」
さて、と僕は立ち上がり荷物を片付けに部屋を出た。
その後、香山とR黒田が僕の話を続けていたとは知らずに。
R黒田「岡部さんの彼女さんは、自衛隊員じゃないんッスよね…」
香山「そうだな、勿体ない気がしてきた。
さすがはアイツの彼女だな(笑)せめてアイツには斥候に戻ってほしいくらいだな…」
R黒田「え?!岡部さん、斥候だったんッスか?!今は…」
香山「ん?…そうか、もう古株メンバーしか知らないのか。
まぁ、岡部のことが知りたければ、一緒に山に行くのが1番いいぞ。夏山でも冬山でも、クライミングでもいい。」
訳がわからないという顔をしたR黒田は、それでも香山に、黙って頷いた。
先輩とその彼女の謎は深まるばかりだった。
僕は、山に行く準備中。
あ、山と言っても演習ではなく、純粋に趣味の山行です♪
いくつかの食品を小分けして、ジップ○ックにパック詰めしていく。登山初日の朝、登山中の昼、いざという時の非常食。
そこにR黒田がやってきた。
R黒田「演習準備ッスか?」
僕「いいや(笑)ハルさんと日帰り登山するんだ♪」
R黒田「え?!でも、どう見ても野営の食事って言うか…」
R黒田が指差したのは、朝ご飯のパック。中身は、レトルト白ご飯とレトルトカレー、フリーズドライの味噌汁だ。
僕「これは、山に登る前の朝ご飯だよ。登山準備する間に温めて、お湯も沸かせるからね。」
R黒田「なるほど!じゃあコッチが昼用ッスか?」
ワンコがもう1つのパックを指差した。
そちらは、フリーズドライのスープパスタ、ジャムパン、珈琲スティックが入っている。
僕「そそ♪軽くてカロリー多めで、食べやすいでしょ?お湯は必ず山には持っていくし。ほら、行動食はボトルに入れて別にしてあるんだ。これだけで800kcalはあるんだよ。」
僕は、700mlほどのボトルいっぱいに詰め込んだドライフルーツとナッツ、シリアルの詰め合わせをカラカラと振って見せた。
僕「行動食は歩いていてもすぐ食べられる物で、食べ慣れた物。全部食べなくても、いざという時の非常食にもなるからね。
あ、これが一応非常用の一食分だけど。」
そして、もう1つのパックには、万が一計画通りに下山できなかったときのための非常用の食料を詰めていく。
甘い飲み物の粉状スティック、カロ○ーメイト、フリーズドライの甘酒だ。
R黒田「軽さ重視ッスか?」
香山「軽さもあるが、カロリー重視だな?あとは、調理しなくてもそのままで食べられる物ばかりだ。」
それまで本を読んでいた羽山が、こちらを覗き込んでボソッと答えた。
R黒田「え、そのまま?」
香山「斥候で山に籠もっている時、山で身動き取れないとか、水がないとか、湯が沸かせないとか、いろいろな状況を想定すると、こうなるな。」
R黒田「え、それ、そのまんま…やっぱり演習行く準備…」
僕は苦笑い。羽山は斥候がメインの職種だから、そういう見方をしてくるのだ。
僕「何日も敵の状況を見るため火をたけないとかじゃないから(笑)例えば、山の中で怪我をして動けないとか、救助が来るまで生き残るとか、そういうための物だよ。
今回は日帰りだけど積雪してそうな山だから、ゆっくり火を焚く時間は取れなさそうなんだよね。体を冷やしたくないし。」
香山「まあ、突き詰めていくと仕事用と同じ物になるのは仕方ないのか…(笑)」
R黒田「それ、職業病とかじゃないんスかね?彼女さん、そんなおしゃれじゃない山メシで怒らないのかな…」
今度こそ、僕は声を上げて笑ってしまった。香山もなんとなく察したのか、笑っている。
僕「ワンコ、僕の彼女がこの前山に持ってきた昼ごはん、乾パンだよ。」
R黒田「え…」
僕「乾パンを味噌汁に浮かべてた。僕も味見したけどなかなかイケたよ♪お湯を注げばすぐ食べられるし。
あと、行動食も乾パンで…それに練乳だよ。」
R黒田「練乳…」
僕「そそ♪乾パンに練乳つけて食べたけど、かなり美味しかったなぁ。」
さて、と僕は立ち上がり荷物を片付けに部屋を出た。
その後、香山とR黒田が僕の話を続けていたとは知らずに。
R黒田「岡部さんの彼女さんは、自衛隊員じゃないんッスよね…」
香山「そうだな、勿体ない気がしてきた。
さすがはアイツの彼女だな(笑)せめてアイツには斥候に戻ってほしいくらいだな…」
R黒田「え?!岡部さん、斥候だったんッスか?!今は…」
香山「ん?…そうか、もう古株メンバーしか知らないのか。
まぁ、岡部のことが知りたければ、一緒に山に行くのが1番いいぞ。夏山でも冬山でも、クライミングでもいい。」
訳がわからないという顔をしたR黒田は、それでも香山に、黙って頷いた。
先輩とその彼女の謎は深まるばかりだった。
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