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第2章 過去のふたり
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ルフェルニアは学園を卒業した後、ユリウスの紹介もあり、植物局で働くことになった。
ルフェルニアの親友ミシャも、ルフェルニアの影響を受けたのか、同じく就職した。
初日は、新入局員に対し局長からの歓迎の挨拶が予定されていたが、その場にユリウスが現れたことはルフェルニアを驚愕させた。
(”少し役職が上がる”って…!“少し”の定義って…!!)
ユリウスが壇上から去るとき、ルフェルニアの方に目線を向けて、揶揄うように目が細められたような気がして、ルフェルニアは何だか地団駄を踏みたい気持ちになった。
ルフェルニアは局長であるユリウスとのかかわりが多い部署に配属された。親友のミシャも同じ部署に配属されたことはとても嬉しいことだったが、植物局に入ることから所属部署のことまでユリウスの掌で転がされているようだ。
ルフェルニアの懸念はこれに尽きない。
学園を卒業したら婚約者探しのために少しずつユリウス離れをしよう、ルフェルニアは心に決めていたが、かかわりが多い部署にいる以上、当然かかわりは絶えなかった。
上司と部下という関係上、(ユリウスには大層渋られつつも)敬語と敬称を使うようになったが、学園にいた頃よりも直接会える機会が増えた。
リリーはルフェルニアの卒業とともにミネルウァ公爵家に戻ったので、リリーからの報告が無くなってしまったユリウスは、ルフェルニアの予定を逐一直接確認しようとする。そしていつの間にか毎週末の予定を合わせるようになっていたのだ。
しかし、ルフェルニアには惚れた弱みがある。いけないとわかりつつも、誘われれば尻尾を振ってついて行ってしまうのだ。ルフェルニアは我ながらちょろすぎる女だと思っている。
これではユリウス離れから全くの逆方向に行っているではないか、ルフェルニアは頭を抱えた。
さらには、ユリウスが一切合切、恋愛感情を持ったり政略的な結婚を望んだりする令嬢を近寄らせないためか、社交界では、一部の令嬢を除いて、ルフェルニアとユリウスは当然のセットのように扱われることが多くなった。未だ、ルフェルニアとユリウスの関係に苦言を呈する者はいるが、以前ほどの過激さはない。気づかないうちに状況が変わっていたのである。
そこで、ルフェルニアは「やっぱりユリウスは私のことが好きなのでは?」という淡い期待と、「自由にして良いと言われたのは卒業後数年。4年目に突入してしまったから、そろそろ両親を安心させなくては。」という貴族の使命感から冒頭の告白に至るのだ。
ルフェルニアの親友ミシャも、ルフェルニアの影響を受けたのか、同じく就職した。
初日は、新入局員に対し局長からの歓迎の挨拶が予定されていたが、その場にユリウスが現れたことはルフェルニアを驚愕させた。
(”少し役職が上がる”って…!“少し”の定義って…!!)
ユリウスが壇上から去るとき、ルフェルニアの方に目線を向けて、揶揄うように目が細められたような気がして、ルフェルニアは何だか地団駄を踏みたい気持ちになった。
ルフェルニアは局長であるユリウスとのかかわりが多い部署に配属された。親友のミシャも同じ部署に配属されたことはとても嬉しいことだったが、植物局に入ることから所属部署のことまでユリウスの掌で転がされているようだ。
ルフェルニアの懸念はこれに尽きない。
学園を卒業したら婚約者探しのために少しずつユリウス離れをしよう、ルフェルニアは心に決めていたが、かかわりが多い部署にいる以上、当然かかわりは絶えなかった。
上司と部下という関係上、(ユリウスには大層渋られつつも)敬語と敬称を使うようになったが、学園にいた頃よりも直接会える機会が増えた。
リリーはルフェルニアの卒業とともにミネルウァ公爵家に戻ったので、リリーからの報告が無くなってしまったユリウスは、ルフェルニアの予定を逐一直接確認しようとする。そしていつの間にか毎週末の予定を合わせるようになっていたのだ。
しかし、ルフェルニアには惚れた弱みがある。いけないとわかりつつも、誘われれば尻尾を振ってついて行ってしまうのだ。ルフェルニアは我ながらちょろすぎる女だと思っている。
これではユリウス離れから全くの逆方向に行っているではないか、ルフェルニアは頭を抱えた。
さらには、ユリウスが一切合切、恋愛感情を持ったり政略的な結婚を望んだりする令嬢を近寄らせないためか、社交界では、一部の令嬢を除いて、ルフェルニアとユリウスは当然のセットのように扱われることが多くなった。未だ、ルフェルニアとユリウスの関係に苦言を呈する者はいるが、以前ほどの過激さはない。気づかないうちに状況が変わっていたのである。
そこで、ルフェルニアは「やっぱりユリウスは私のことが好きなのでは?」という淡い期待と、「自由にして良いと言われたのは卒業後数年。4年目に突入してしまったから、そろそろ両親を安心させなくては。」という貴族の使命感から冒頭の告白に至るのだ。
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