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第80話 ピグバット
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「このフロアのボスもバットと同じで超音波攻撃してくるのか?」
「そうです。ピグバットというバットよりはかなり大きめのモンスターですがやってくることはバットと大して変わりません」
俺の問いに横を飛ぶククリが答える。
「じゃあ弱いのか?」
「そうですね、的が大きい分バットよりも倒しやすいかもしれませんね」
とククリが言うから俺は安心しきってフロアボスの部屋へと入ったのだが――
「ククリっ、こいつのどこが弱いんだよっ! 普通に強いじゃねぇかっ!」
「え~ん、すいませ~んっ!」
確かにピグバットはククリの言う通り豚くらいの大きさで的としては攻撃を当てやすいサイズではあったが超音波攻撃以外にも違う攻撃を繰り出してきた。
それは高速で宙を舞いスピードに乗ったところで急停止、と同時に大きな羽をクロスさせ突風を発生させるという技だった。
広いフロアボスの部屋だからこそ出来る技かもしれない。
俺は石片が散乱したフロアを逃げ回っていた。
ピグバットが起こした突風は壁や床に当たり表面の石を砕いていたため足場が悪くなっているが止まっていたらやられてしまうからだ。
突風にどれくらいの威力があるのか確かめようと一度鉄の槍を突き出してみたら上半分が見事に折れたため今の俺に残された武器はバタフライナイフしかない。
あの大きな体であれだけ派手に動いてるんだ、そのうち飛べなくなるはず。
そう思い俺は右手にバタフライナイフを握り締めピグバットが疲れるのを逃げながら待っているところだ。
と、俺の読みが当たったのかピグバットが突風攻撃をやめた。
そしてふら~っと床に着地した。
『キー……キー……』
ピグバットは肩で息をしている。
チャンス!
俺はピグバットに向かって一直線に走る。
ピグバットが俺に気付いて飛び立とうと羽を動かすが俺の方が一瞬早く次の行動に移れた。
飛ばれては面倒なので俺はまず羽に掴みかかる。
豚のように大きく顔も豚みたいなコウモリを相手に羽を引きちぎろうとしてみた。
だがさすがにピグバットも黙ってやられてはくれない。
ピグバットは俺にかみついてきた。
「いてぇっ!」
牙に毒でもあったのか羽を掴む手からじわじわと力が抜けていく。
「くそ……キュア!」
毒かはわからないがとりあえずキュアを唱えると体に力が戻った。
だがその隙にピグバットは再び宙に舞い上がった。
「このっ……!」
俺は持っていたバタフライナイフを駄目もとで思いきり投げた。
すると、
『キーッ……!』
これが運よくピグバットの左目に刺さる。
空中でひるんだピグバットに俺は追撃のバトルウインドを放った。
風の刃がピグバットを見事半分に切り裂いた。
ピグバットの肉片が石畳の上に落ち消滅していく。
あとには左目に刺さっていたバタフライナイフだけが残った。
「そうです。ピグバットというバットよりはかなり大きめのモンスターですがやってくることはバットと大して変わりません」
俺の問いに横を飛ぶククリが答える。
「じゃあ弱いのか?」
「そうですね、的が大きい分バットよりも倒しやすいかもしれませんね」
とククリが言うから俺は安心しきってフロアボスの部屋へと入ったのだが――
「ククリっ、こいつのどこが弱いんだよっ! 普通に強いじゃねぇかっ!」
「え~ん、すいませ~んっ!」
確かにピグバットはククリの言う通り豚くらいの大きさで的としては攻撃を当てやすいサイズではあったが超音波攻撃以外にも違う攻撃を繰り出してきた。
それは高速で宙を舞いスピードに乗ったところで急停止、と同時に大きな羽をクロスさせ突風を発生させるという技だった。
広いフロアボスの部屋だからこそ出来る技かもしれない。
俺は石片が散乱したフロアを逃げ回っていた。
ピグバットが起こした突風は壁や床に当たり表面の石を砕いていたため足場が悪くなっているが止まっていたらやられてしまうからだ。
突風にどれくらいの威力があるのか確かめようと一度鉄の槍を突き出してみたら上半分が見事に折れたため今の俺に残された武器はバタフライナイフしかない。
あの大きな体であれだけ派手に動いてるんだ、そのうち飛べなくなるはず。
そう思い俺は右手にバタフライナイフを握り締めピグバットが疲れるのを逃げながら待っているところだ。
と、俺の読みが当たったのかピグバットが突風攻撃をやめた。
そしてふら~っと床に着地した。
『キー……キー……』
ピグバットは肩で息をしている。
チャンス!
俺はピグバットに向かって一直線に走る。
ピグバットが俺に気付いて飛び立とうと羽を動かすが俺の方が一瞬早く次の行動に移れた。
飛ばれては面倒なので俺はまず羽に掴みかかる。
豚のように大きく顔も豚みたいなコウモリを相手に羽を引きちぎろうとしてみた。
だがさすがにピグバットも黙ってやられてはくれない。
ピグバットは俺にかみついてきた。
「いてぇっ!」
牙に毒でもあったのか羽を掴む手からじわじわと力が抜けていく。
「くそ……キュア!」
毒かはわからないがとりあえずキュアを唱えると体に力が戻った。
だがその隙にピグバットは再び宙に舞い上がった。
「このっ……!」
俺は持っていたバタフライナイフを駄目もとで思いきり投げた。
すると、
『キーッ……!』
これが運よくピグバットの左目に刺さる。
空中でひるんだピグバットに俺は追撃のバトルウインドを放った。
風の刃がピグバットを見事半分に切り裂いた。
ピグバットの肉片が石畳の上に落ち消滅していく。
あとには左目に刺さっていたバタフライナイフだけが残った。
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