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第135話 何が出るかな?
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「それにしても結局空を飛ぶアイテムはみつけられなかったな」
「そうですね~。あの宝箱どうします?」
「寝たおかげで魔力は回復してるから最悪俺が毒に侵されるのを覚悟で取りに行くかなぁ……」
「でもめちゃくちゃ苦しいですよ」
「そうなのか? うーん、それは……」
俺とククリがそんな会話をしていると、
『ピキー!』
スラがおもむろに話に割って入ってきた。
自信満々な顔で俺とククリを見上げてくる。
「ん? どうした?」
『ピキー、ピキー』
「あたしにアイテムを飲み込ませてって言ってますよ」
とククリ。
「おお、そうか。スラも魔力が回復してるんだったな」
『ピキー』
スラの魔力は40だから四回物質変換能力が使える計算だ。
『ピキー』
「ちょっと待ってろ、今いらないアイテムを……薬草でいっか」
『ピキー!』
スラが口を閉じてぷるぷると顔を横に振る。
「薬草は駄目なのか?」
「お腹がすいてるからこのあとで食べたいんだそうですよ」
「あーそう。じゃあ……」
俺は皮の袋の中をがさごそとかき回し、
「たいまつと研磨剤がいらないから、とりあえずたいまつにしよう」
俺はたいまつを取り出した。
んあ~と口を開くスラ。
「ほい」
と俺はスラの口の中にたいまつを入れてやる。
ごくん。
一旦飲み込み、スラはその後俺とククリの前にぼえっとあるものを吐き出した。
「うーんと、これは……兜かな?」
手に持ってみる。
「鉄仮面ですね。防御力+15です」
「おお。なかなかいい防具じゃないか。やったなスラっ」
『ピキー』
鉄仮面はフルフェイスタイプの兜だった。
俺はそのままかぶってみた。
「ん? あれ? これどうやって? 全然前が見えないんだけど……」
「ほんとですね。あれ~、どうなっているんでしょう」
ククリの声だけが聞こえてくる。
かぶってみたはいいものの目のところの開くはずの部分の留め具がバカになっているのか全然動かない。
「なんだこれっ」
使えそうにないので結局脱いでしまった。
「まあまあ、マツイさん。こんなのでも売値は二万円しますから一応取っておいてはどうですか」
「二万か。うん、じゃあこれは取っておくか」
鉄仮面を皮の袋にしまうと代わりに研磨剤を取り出す。
「スラ、次はこれを頼む」
『ピキー』
研磨剤はそれ単体ではなんの役にも立たない。
錆びた剣があれば別の剣に生まれ変わらせることが出来るが今は持っていないからこれは必要ないだろう。
「はい」
俺は研磨剤をスラに差し出した。
スラはばくんと俺の手ごと口に含んだ。
「おい、スラ。俺の手を食うな」
俺の言葉に一瞬目を見開き、んあ~と口を再度開いて研磨剤だけをべろんと舌の上に転がすとそれをごくんと飲み込むスラ。
そして、ぼえっ。
がさっと石畳の上に落ちたものはたわしだった。
「たわしかよ」
「たわしですね~」
「なんかたわし率高くないか?」
「人は努力が大切なんですよ。楽して稼ごうったって人生そんなうまくはいかないってことですね~」
ククリが急に説教じみたことを言ってひとりうなずいている。
スラが飲み込む、吐き出すを使えるのはあと二回。
「スラ、次はこのたわしな」
『ピキー』
ばくん。
ごくん。
ぼえっ。
がさっ。
たわし。
「またかよっ」
何回たわしが出るんだよ。
東京フレ〇ドパークじゃないんだぞ。
『ピキー』
「スラさんがお腹すいたから早く魔力を使い切りたいそうですよ」
「あ、ああ。じゃあこのたわしを頼む」
ばくん。
ごくん。
ぼえっ。
がさっ。
たわし。
「うおぉぉいっ」
魔力を使い切ったスラはこの後薬草を幸せそうな顔でもぐもぐと三つもたいらげたのだった。
「そうですね~。あの宝箱どうします?」
「寝たおかげで魔力は回復してるから最悪俺が毒に侵されるのを覚悟で取りに行くかなぁ……」
「でもめちゃくちゃ苦しいですよ」
「そうなのか? うーん、それは……」
俺とククリがそんな会話をしていると、
『ピキー!』
スラがおもむろに話に割って入ってきた。
自信満々な顔で俺とククリを見上げてくる。
「ん? どうした?」
『ピキー、ピキー』
「あたしにアイテムを飲み込ませてって言ってますよ」
とククリ。
「おお、そうか。スラも魔力が回復してるんだったな」
『ピキー』
スラの魔力は40だから四回物質変換能力が使える計算だ。
『ピキー』
「ちょっと待ってろ、今いらないアイテムを……薬草でいっか」
『ピキー!』
スラが口を閉じてぷるぷると顔を横に振る。
「薬草は駄目なのか?」
「お腹がすいてるからこのあとで食べたいんだそうですよ」
「あーそう。じゃあ……」
俺は皮の袋の中をがさごそとかき回し、
「たいまつと研磨剤がいらないから、とりあえずたいまつにしよう」
俺はたいまつを取り出した。
んあ~と口を開くスラ。
「ほい」
と俺はスラの口の中にたいまつを入れてやる。
ごくん。
一旦飲み込み、スラはその後俺とククリの前にぼえっとあるものを吐き出した。
「うーんと、これは……兜かな?」
手に持ってみる。
「鉄仮面ですね。防御力+15です」
「おお。なかなかいい防具じゃないか。やったなスラっ」
『ピキー』
鉄仮面はフルフェイスタイプの兜だった。
俺はそのままかぶってみた。
「ん? あれ? これどうやって? 全然前が見えないんだけど……」
「ほんとですね。あれ~、どうなっているんでしょう」
ククリの声だけが聞こえてくる。
かぶってみたはいいものの目のところの開くはずの部分の留め具がバカになっているのか全然動かない。
「なんだこれっ」
使えそうにないので結局脱いでしまった。
「まあまあ、マツイさん。こんなのでも売値は二万円しますから一応取っておいてはどうですか」
「二万か。うん、じゃあこれは取っておくか」
鉄仮面を皮の袋にしまうと代わりに研磨剤を取り出す。
「スラ、次はこれを頼む」
『ピキー』
研磨剤はそれ単体ではなんの役にも立たない。
錆びた剣があれば別の剣に生まれ変わらせることが出来るが今は持っていないからこれは必要ないだろう。
「はい」
俺は研磨剤をスラに差し出した。
スラはばくんと俺の手ごと口に含んだ。
「おい、スラ。俺の手を食うな」
俺の言葉に一瞬目を見開き、んあ~と口を再度開いて研磨剤だけをべろんと舌の上に転がすとそれをごくんと飲み込むスラ。
そして、ぼえっ。
がさっと石畳の上に落ちたものはたわしだった。
「たわしかよ」
「たわしですね~」
「なんかたわし率高くないか?」
「人は努力が大切なんですよ。楽して稼ごうったって人生そんなうまくはいかないってことですね~」
ククリが急に説教じみたことを言ってひとりうなずいている。
スラが飲み込む、吐き出すを使えるのはあと二回。
「スラ、次はこのたわしな」
『ピキー』
ばくん。
ごくん。
ぼえっ。
がさっ。
たわし。
「またかよっ」
何回たわしが出るんだよ。
東京フレ〇ドパークじゃないんだぞ。
『ピキー』
「スラさんがお腹すいたから早く魔力を使い切りたいそうですよ」
「あ、ああ。じゃあこのたわしを頼む」
ばくん。
ごくん。
ぼえっ。
がさっ。
たわし。
「うおぉぉいっ」
魔力を使い切ったスラはこの後薬草を幸せそうな顔でもぐもぐと三つもたいらげたのだった。
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