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第150話 遅めの夕ご飯
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「じゃあまたな、ククリ」
「はい。マツイさんもスラさんもお元気で。マツイさん、家に帰ったら早くスラさんに何か食べさせてあげてくださいね」
「ああ、そうするよ」
さっきまでの自由奔放な態度は空元気だったのかスラは俺の腕の中で腹が減りすぎて気絶してしまっていた。
早いとこ何か食べさせてやらないと。
写し鏡の門の前でククリに別れを告げた俺はスラを抱いたままいそいそと鏡を通過したのだった。
◇ ◇ ◇
鏡のそばに脱いで置いていた服をささっと着ると俺は石階段を駆け上がる。
外は夜だった。
曇っていて月も星も見えない。
だが俺の目には暖色系の明かりであたりが照らされているように見えているので足元もばっちり見える。
夜の静けさを堪能するのもそこそこに、
「さあ、我が家だぞ」
俺はスラを連れて家に入っていった。
家に上がると俺はスラを起こす。
「おーいスラ、帰ってきたぞ。何が食べたい? ん?」
するとスラはかすれた声で、
『……な、なんでもいいから早く~』
と答えた。
「時間がかからないものだとお菓子か缶詰くらいしかないけど……あっ、あとドッグフード」
『……マツイさん、マジなんでもいいから~』
「わ、わかった。じゃあ……」
俺は近くにあったドッグフードの袋を持ち上げるとスラの口にどばどばっと流し入れた。
ばりぼり。
ばりぼり。
ごくん。
『……ぷはぁー、生き返ったしマジでー!』
スラはさっきまで合っていなかった目の焦点がばっちりと俺に合うと、
『マツイさーん!』
俺の胸に飛び込んできた。
『ありがとー! でも結構ヤバめだったんだからね、次からは気をつけてよー』
「あ、ああ。悪かった」
『あたしまだ食べ足りないからもちっともらうね』
「ああ、好きにしろ」
スラはぴょんと床に飛び下りるとドッグフードの袋に顔を突っ込んでばりぼりと音を立てて食事を再開する。
俺はそれを尻目にキッチンに向かうと冷蔵庫を開けた。
「食パンは~っと……あ、駄目だ。消費期限切れてるわ」
ちらっと時計を確認すると夜の十時。
「スーパーはもう閉まってるよなぁ」
コンビニは遠いしなぁ……。
「……焼けばなんとかなるか」
俺は牛乳と両面こんがりと焼いたトーストを夕ご飯代わりに胃の中に流し込んだ。
「はい。マツイさんもスラさんもお元気で。マツイさん、家に帰ったら早くスラさんに何か食べさせてあげてくださいね」
「ああ、そうするよ」
さっきまでの自由奔放な態度は空元気だったのかスラは俺の腕の中で腹が減りすぎて気絶してしまっていた。
早いとこ何か食べさせてやらないと。
写し鏡の門の前でククリに別れを告げた俺はスラを抱いたままいそいそと鏡を通過したのだった。
◇ ◇ ◇
鏡のそばに脱いで置いていた服をささっと着ると俺は石階段を駆け上がる。
外は夜だった。
曇っていて月も星も見えない。
だが俺の目には暖色系の明かりであたりが照らされているように見えているので足元もばっちり見える。
夜の静けさを堪能するのもそこそこに、
「さあ、我が家だぞ」
俺はスラを連れて家に入っていった。
家に上がると俺はスラを起こす。
「おーいスラ、帰ってきたぞ。何が食べたい? ん?」
するとスラはかすれた声で、
『……な、なんでもいいから早く~』
と答えた。
「時間がかからないものだとお菓子か缶詰くらいしかないけど……あっ、あとドッグフード」
『……マツイさん、マジなんでもいいから~』
「わ、わかった。じゃあ……」
俺は近くにあったドッグフードの袋を持ち上げるとスラの口にどばどばっと流し入れた。
ばりぼり。
ばりぼり。
ごくん。
『……ぷはぁー、生き返ったしマジでー!』
スラはさっきまで合っていなかった目の焦点がばっちりと俺に合うと、
『マツイさーん!』
俺の胸に飛び込んできた。
『ありがとー! でも結構ヤバめだったんだからね、次からは気をつけてよー』
「あ、ああ。悪かった」
『あたしまだ食べ足りないからもちっともらうね』
「ああ、好きにしろ」
スラはぴょんと床に飛び下りるとドッグフードの袋に顔を突っ込んでばりぼりと音を立てて食事を再開する。
俺はそれを尻目にキッチンに向かうと冷蔵庫を開けた。
「食パンは~っと……あ、駄目だ。消費期限切れてるわ」
ちらっと時計を確認すると夜の十時。
「スーパーはもう閉まってるよなぁ」
コンビニは遠いしなぁ……。
「……焼けばなんとかなるか」
俺は牛乳と両面こんがりと焼いたトーストを夕ご飯代わりに胃の中に流し込んだ。
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